「好き」と「現実」をリンクする事で未来は広がる

北川氏

 

孫正義さんと二人でチョコレートパフェ(笑)、そんな新卒時代

 

こんばんは。北川です。
僕はだいぶハチャメチャな人生なので、みなさんのお役に立てるかわからないんですけど、今日はなんでもぶっちゃけてお話したいと思います。よろしくお願いします。(会場拍手)

 

イベントの様子

 

いろいろ考えたのですが、今日は「仕事と生活、人生」をテーマにお話しようと思います。
多分、生まれてきたからには、やりたいことが一人ひとりあるはずなんですよね。でも、それはちょっと考えたからといって出てくるものではないと思います。

 

いろんなことを経験して、ヒントを得ることによって、「これがやりたかったのかな…」と気づく。僕自身はそういう感じでした。まずは、簡単に経歴からお話していきます。

 

登壇者のこれまでの仕事のすべて

 

僕は、いろんな仕事をしてまして…
驚くかもしれませんが、これだけたくさんやっています。

 

最初は新卒でソフトバンクに入社したのですが、当時、孫さんは徹夜明けでオフィスの床に眠り込んでおられたこともあります。誤って蹴飛ばしそうになりました…(会場笑) 。
真夏の暑い日には、二人で入ったカフェでアイスコーヒーを頼もうとした僕に「そんなのじゃダメ、パフェじゃないと」、孫さんは甘いものが好きだったのですね。チョコレートパフェをほおばりながら孫さんと戦国時代の話をするという、そんな時代のソフトバンクでした。

 

あとは見てもらえば分かるとおり、とても褒められことじゃないけど、国内外問わずこれだけ転職してきました。経歴だけみると、使えないヤツか、飽きっぽいヤツという感じですよね。言い訳もいっぱいあるけど、今は言いません(笑)

 

現在はインプレスホールディングスというところにいます。
基本的には出版社ですが、「紙に依存しない出版社」というコンセプトで、 出版社といえども、昔からインターネットを意識してきましたし、リアルイベントなどもやっています。僕自身は、10年前に入社して、今はアプリとかWebの領域を担当しています。紙媒体×アプリのコラボの在り方を企画していくのも僕の役目です。

 

子供の頃に好きだったものが、人生の目的にリンクしている

僕は小さいころから興味があることがいっぱいあって。
「本当は何がやりたいのか?」というのは今も探っていますが、整理をしていくと、幼少期に興味があったことが深く関係していると感じるようになったので、そこからお話ししたいと思います。

 

子供の頃から興味があったこと

 

まずは、一つ目の幼少期の興味は「音楽」ですね。誰かと音楽でつながっているのがとにかく楽しかったんです。次に「本」。そして3つ目が「乗り物」。概念としては音楽や絵もそうですが「creative」なもの、それと何よりずっと好きなのは、「world&space」ですね。

 

小学生の頃は「インダストリアル・デザイナー(工業製品のデザインを手がけるデザイナー)」を目指していました。車や、飛行機をデザインしてみたい、というややエンジニア志向もあって。クリエイティブとエンジニアリングを組み合わせたような仕事に憧れてましたね。

 

仲間と音楽をやるようになってからは、音楽に夢中になりました。一緒に楽器をやっている人とはすぐ友達になれるし、外国の人とも楽器を通じてコミュニケートできるから。中学生のころには、「夢はミュージシャン」と思っていました。

 

ちょっと恥ずかしんですけど、昔ミュージシャンに憧れてたころのイチシーンを見せますね。当時は、大阪の5000人くらいのホールでやるライブに出演したり、有名ミュージシャンのバックをやったりして、かなり調子にのってましたね。(会場笑)

 

子供の頃から興味があった音楽

 

大学の時、1年くらい休んでジャズの学校にいってました。だから就活なんてしてません。バイトと音楽活動に明け暮れていました。音楽と、先ほどお話した仕事歴がつながってないですけど、人生そんなものです。

 

「サラリーマン」も「ソフトバンク」も正直興味はなかった

興味がないことも結構やりました。一番やりたくなかったのは、サラリーマンという仕事です。でも、(サラリーマンに)ならなきゃいけないような気もしたんですよね。

 

大学をでてから本格的に音楽の仕事をやっていた頃、夜中に練習をして、朝帰るという生活をしてたんですね。なので、通勤電車に乗っているサラリーマンとは真逆の生活をしていたんですよね。最初は、満員電車で通っている人をみてバカにしてたんですが、ある瞬間から、その人達が輝いてみえたんです。毎日、時間に正確に、こんなにギュウギュウづめになりながら、通っていて、「実はこの人達って凄いのではないか」って思ったんですよね。

 

「別に自分はサラリーマンに憧れてないから」と自分に言い聞かせていたんだけど、途中から、「自分は逃げてるだけじゃないか」という想いをもちはじめて…一回やってみようと思って入ったのがソフトバンクです。なので、1社目の会社も正直そこまで選んで入ったわけではありません(笑)

 

「営業接客」や、「IT業界」さらに言うと「経営」という仕事も、まったく興味がありませんでしたね。だけど、結果的には全部やることになりました。ただ、音楽をやりながら、サラリーマンをやったり、いろんな活動をする中で、自分の経験を整理してみると、「興味がないけどやっていること」と「興味があること」の共通項が見えてきたんです。

 

「大好きなこと」と「興味が持てなかったけどやってみたこと」をリンクさせて世界を拡げる

(音楽とサラリーマンの)共通項としてあげられるのは、一つはいろんな人々と、言語を飛び越えてコミュニケートできること。そしてお互い価値を共感しあうことだと思うんだよね。。余談ですが僕は地球人のみならず、宇宙人と交流するときも、一番いい方法は音楽だと思っているんですけどね(笑)

 

当日スライド

 

どんな価値観に人も、必ず分かり合えるはずだ、共感が持てるはずだ、という想いがあって、その方法論を見つけられたときに、「お金」とは全く別の喜びを感じるんですよね。だから、これは仕事を超越した僕の人生の目的です。
もう一つは、ビジネスの社会でいきていく上で、相手のことを考えずに売り込む、というやり方ではなく、信頼関係を大切にできる仕事をしたいということ。甘かったり、青臭かったりするんですけど、そのほうがビジネスは上手く行くはずだ、と信じています。

 

もともと「音楽を通じて、世界をつなげたい」という想いがあったから、その感覚を大切にしながら、ビジネスをやってきたので、最近では、その手法が音楽であっても、会社経営であっても同じだと感じるようになりました。
嫌々やっていたことが、後になると自分の役に立っていて、興味がないことって無駄じゃないんですよね。興味がないけど、自分の前にやってきちゃうものって、(実は)自分が本質的に欲しているものではないのかなって。

 

「大好きなもの」と「興味が無いけど自分の前にやってきちゃうもの」をリンクさせることで、自分の人生の目的や、「広がり」を創っていくことにとても役に立つのではと思います。

 

既成概念を空っぽにして、永遠に「学ぶ人」でありたい

僕の話だけではなく、みなさんともお話したいので、そろそろ終わりにしますね。
最後に、私の大切にしている言葉を3つ送りたいと思います。

 

Live as if you were to die tomorrow.Learn as if you were to live forever. by Mahatma Gandhi
( 明日が人生最後の日であると思って今日を生き永遠の生命をもつ者として学びなさい)

・What you are doing now is contrary to your values. by Steven R Covey ※「7つの習慣」の著書
(あなたが日頃やっていることはあなた自身の価値観に反している)

・You must unlearn what you have leaned. by Yoda
(新しいことに取り組む際は、これまで身につけてきた常識を忘れなさい)

 

何歳になっても人間は完成しないと僕は思ってます。ずっと学び続けて、成長し続けるのがとても大事です。学び続けるならば、みんな永遠の「学生」といえると思います。

 

年齢を重ねれば重ねるほど、既成概念を空っぽにして、新しいことを身につけることはとても難しいんですよね。一度学んだことをなんとか使おうとするし、人にも押し付けたくなっちゃいます。でも、既成概念を捨てれば、永遠に学ぶ人になれる。僕は、そういう人でありたいと思います。

 

以上で、僕の話をおわりたいと思います。

 

■編集後記

北川さんのお話をお伺いして、幅広いご経歴、沢山の分野でのご経験をされながら、人生に一本芯が通っていらっしゃるお話ぶりや、当初「興味がない」と思ってた仕事をご自身の人生にとってポジティブなご経験としてリンクされている点が、とても素敵だと感じました。

 

shimaの好きなキャリア理論で「プランドハプンスタンス(計画的偶発理論)」という物があります。この理論は、スタンフォード大学のクランボルツ教授によって提唱されたものなのですが、従来の「自分の適性や将来設計から逆算して自身のキャリアを設計していく」という考え方ではなく、

 

・キャリアの8割が予期しない出会いや偶然によって決定される
・その偶然の出来事には、新しいキャリアを切り開くチャンスがある
・その偶然を、自分自身で意図的に創りだすことができる

 

ということを提唱しているものです。そして、クランボルツ博士は、偶然を創りだすキーワードとして「好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心」というものをあげています。

 

北川さんはキャリアの中で、常に学ぶ姿勢を持ち、自身の目の前にやってきた「興味がない」ことにも果敢に取り組まれた結果、その経験を人生の目的にリンクさせていらっしゃいました。まさに、偶発的に起こったキャリアを、必然に変えてしまっているといっても良いのではないでしょうか。

 

また、偶発的に起こったキャリアを「必然」に変えるためにも、漠然とでも「自分自身は、こんな世界観を大切にしたい」という方向性をもっておく大切さや、その種は意外と自身の「幼少期好きだったこと」に眠っているかもしれない、ということもお話から感じることが出来ました。

 

北川さんのお話は、社会人であっても、学生であっても、今までの経験をどう「必然」に変えていくかや、「今」目の前にあることを、どう未来の自分に繋げることができるのか、一度立ち止まって考えるきっかけになるのではないでしょうか。
irootsライターshima

 

―取材協力―

◎講演者:北川 雅洋氏
プロのミュージシャンのバックバンドとして活躍した学生時代とは裏腹に、創業3年目のソフトバンクでは孫正義氏の右腕としてビジネスの世界で活躍。その後、日本国内外のCEO、COOを複数歴任。現在はインプレスホールディングスにて、取締役と関連会社の代表取締役社長を兼務。