バーニーズ ジャパンの企業研究

今回ご紹介するのは、高級セレクトショップとして有名な「バーニーズ ニューヨーク」を運営する、バーニーズ ジャパン。

この記事を読んでいる方の中には、バーニーズ ジャパンへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、バーニーズ ジャパンの経営理念や同じアパレル業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数あるアパレル会社の中で、なぜバーニーズ ジャパンなのか？」という質問への対策を考えましょう。


バーニーズ ジャパンについて深く知るために、まずはバーニーズ ジャパンの経営理念を確認しましょう。そこからバーニーズ ジャパンが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

バーニーズ ジャパンの企業理念は、「BRAND STATEMENT」として以下の通り語られている。
『TASTE, LUXURY, HUMOR』
商品・サービスからディスプレイまで、バーニーズエアとも称される独自のテイスト世界有数のスペシャリティストアならではのラグジュアリーさ　そして、そこに必ずひねりの利いたユーモア感。
つまり、既存の価値観にはない新しいムーブメントにチャレンジしファッションを通じて常に世の中を楽しませている存在、それがバーニーズ　ニューヨークです。
（BRAND STATEMENTより引用）

ここから分かるポイントは、同社が持つ「これまでになかった新しいことに挑戦する姿勢」 という点。
1923年にニューヨークで産声をあげた「バーニーズ ニューヨーク」は高級ファッションのセレクトショップとして1980年代にアメリカ全土、1990年には日本上陸と成長を遂げ、現在日本国内では旗艦店5店舗、アウトレット店6店舗を構えるまでになりました。
その背景にあるのは正に「これまでになかった新しいことに挑戦する姿勢」。近年では著名人やアーティストとコラボしたイベントの実施や、お客様を招いたシャンパンパーティーなどを通じた新しい発信方法を試みたり、アパレル企業としては珍しく、スタッフは年2回ほど1週間の長期休暇取得を実施することでスタッフの教養を広げ仕事に還元させる仕組みを作るなど、商品そのものだけでなくお客様へのアプローチや働き方にも新しいことへの挑戦というキーワードが垣間見られます。
また、創業者 バーニー・プレスマンの息子であるフレッド・プレスマンが良く語っていた「Select, don't settle.--選べよ、固執するな。」という言葉も同社では大切にしており、仕事を行う中で自ら考え、新しい選択肢を切り開いて行くことで顧客や社内に新しい価値をもたらすことが、重要視される1つの要素言えます。
ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• 自らアイデアを出し、カタチにした経験とその成果
• これまで自分でした大きな決断とその際に学んだこと
• 実体験を踏まえて、新しいアイデアを生み出すために日々必要な行動や考え方は何か？という意見

次に、アパレル業界におけるバーニーズ ジャパンと競合会社と比較してみましょう。
バーニーズ ジャパンの競合といえば、バーバリー・ジャパンが挙げられます 。
今回は、バーニーズ ジャパンとバーバリー・ジャパンを比較してみましょう。

この2社に関しては、顧客層は近いものの自社ブランドのみの取り扱いか、自社ブランド以外の製品も取り扱うセレクトショップかというブランドの在り方の違いにまず気がつくことでしょう。しかしそれだけでなく、日本市場における最大の違いは日本での経営母体とそれゆえの経営戦略の違いと言えます。

今回競合として挙げられるバーバリー・ジャパンは2015年春夏シーズンを最後に、日本で長らくライセンス契約をしていた三陽商会との契約を終了したことによりイギリス本社の直営での運営に大きく舵を切りました。そのため現在は日本国内で直営店拡大に力を入れると同時に、百貨店の特選ブティックフロアや路面店への出店を急速に進めています。
会社の過渡期にあたり、国内市場での戦略は高級価格帯へシフト。バーバリーは日本国内ではライセンス契約によって生産されていた製品ラインナップが、本社のあるイギリスのみならず諸外国の価格よりも大幅に安かったという問題もあり、ブランドの方向性としてズレが出ていたのです。
現在日本国内ではロンドン本社直営の表参道店や大阪・心斎橋のフラッグシップ店の新設をはじめ、これまでのブランドイメージの一新を図ろうと急速な動きを見せている途中です。

一方のバーニーズ ジャパンは1989年に伊勢丹の100％出資子会社としてスタートし、その後住友商事と東京海上キャピタル系ファンドに株式譲渡。そして現在はセブン&アイ・ホールディングスが全ての株式を取得し、完全子会社となっています。
本国のバーニーズ とは提携関係であるため、この点はライセンス契約を解消して本社の方針に沿うかたちをとったバーバリーとは大きな違いがあるのです。

この2社の場合、これまでのブランド展開の規模が大きく違うため単純比較は難しいですが、この経営の在り方の違いはこれからの動きの違いにも影響が大きいためよく情報を集める必要があります。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
リーマンショック直後、高級ファッションブランド市場は一度市場規模が大きくしぼみましたが、2011年以降顧客の購買意欲が回復を見せたことに加え、ここのところ訪日観光客の増加も相まって日本国内の売上は堅調に伸びています。また、より幅広い顧客層にアプローチ出来るようカジュアルラインを拡充することも1つのトレンドとなりつつありますが、高級価格帯にターゲットを絞る集注化戦略をとるケースも少なくありません。
一方で2014年現在の高級ファッションブランドの平均日本市場の売上比率は8％程度。多くのブランドが欧米中心のマーケット展開をしているのが普通なので、日本国内以外の状況にも注目が必要と言えます。

ここまでバーニーズ ジャパンについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう