稲畑産業の企業研究

今回ご紹介するのは、化学品専門商社で有名な稲畑産業。

この記事を読んでいる方の中には、稲畑産業への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、稲畑産業の経営理念や同じ化学品専門商社業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある化学品専門商社の中で、なぜ稲畑産業なのか？」という質問への対策を考えましょう。


稲畑産業について深く知るために、まずは稲畑産業の経営理念を確認しましょう。そこから稲畑産業が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

稲畑産業の企業理念は、以下の通り。
『「愛」「敬」の精神に基づき、人を尊重し、社会の発展に貢献する』
（経営理念｜会社案内｜稲畑産業株式会社より引用）

ここから分かるポイントは、「マーケットとの向き合い方」と「社風」 の2点。
稲畑産業は化学品専門商社として1890年に創業。現在は情報電子・化学品・生活産業・合成樹脂・住環境の5分野に特化をしています。これまで顧客と向き合い、時代の変化に合わせて事業を変化させてきたことによって、ニッチながらも独自の機能と特色が発揮できる分野に注力しているのが特徴です。また、マーケットの変化に合わせて海外展開も積極的。現在は約100名の社員が海外拠点に駐在しているほどです。
また、歴史と信頼がある同社だからこそ、その伝統を受け継ぎ責任を持って取り組むことが求められると同時に、高い専門知識が求められる業界ゆえに自己研鑽も欠かせません。

社風については、多くの社員が口を揃えて「温かい」と表現しています。これはまさに「愛敬」の念を社内でも発揮していると言えるでしょう。部署を超えて仲が良い社員が多く、先輩も後輩をしっかりと育てて行く風土があるようです。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• 何かに挑戦し、やり遂げた経験とその成果
• 自ら計画的に学び、その成果を何かに役立てた経験
• 仲間と協力し、何かに取り組んだ経験とその成果

次に、化学品専門商社業界における稲畑産業と競合会社と比較してみましょう。
稲畑産業の競合といえば、長瀬産業が挙げられます。
今回は、稲畑産業と長瀬産業を比較してみましょう。

化学品や合成樹脂を中心に、主要取引先が機能性化学製品を扱うメーカーである2社は業界内でも1位と2位を争う存在。そんな中で事業分野や顧客以外で比較しておくべきなのが「経営体制の違い」と「海外展開」についてです。

まず経営体制ですが、稲畑産業は住友化学が主要株主となっており、関係性が非常強いことが特徴です。しかし同時にオーナー系企業でもあるため創業からの伝統を大切にしつつ、昔ながらの商売気質が強いことも特徴と言えます。
一方の長瀬産業は完全な独立系商社で取引先に制約がなく、幅広い製品を扱えることが大きな強みとなっています。またグループ会社との連携を活かし、研究開発にも力を入れ独自の強みをさらに高める施策が特徴的です。

もう1点の「海外展開」ついては現在両社ともに海外売上比率が5割以上となっており、今後最も注目すべき比較ポイントです。稲畑産業は現在17カ国60拠点を展開し、引き続き拡大路線にあります。一方の長瀬産業は、2011年に倒産したバイオメーカーの林原のネットワーク等を利用し海外展開を拡大。特に取引先の海外進出に影響を受けやすい業界という点も加味して、この海外展開の動きはよく理解・比較をしておく必要があると言えます。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
化学業界全体で見ると、平成22年から24年までは市場規模は横ばいで推移。平成25年には世界経済の回復のおかげもあり再び増加傾向へと転じています。しかし化学業界自体は成熟した産業であり、これからの成長率は一般的に低いと考えられています。メーカー側では各社の再編や事業撤退なども散見されるため、こうした動きに商社も影響を受けることを理解しておく必要があります。
特に取り扱う製品によって現在のトレンドが大きく異なるため、生産する化学メーカー側及び顧客となる各メーカー双方の状況を理解し、これからどのような戦略で戦っていくのかを見極める必要があるでしょう。

ここまで稲畑産業についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選�