OJTとは?OJTの意味と目的、その研修教育制度について解説!

OJTとは?OJTの意味と目的、その研修教育制度について解説!

OJT(on the job training)は、人材育成方法の一つを表す言葉として使われています。
今回はそんなOJTについて、目的やメリット・デメリット等、初めてこの言葉を目にした方にもわかりやすいように、ご紹介していきます。

OJTの意味とは?

まず、OJTとは何なのでしょうか?

OJTとは(on the job traininng)の略で、実際に働く場所での実践的な職業教育訓練のことを指します。教育を受ける側は新入社員だけでなく、他の会社から転職してきた社員である場合もありますが、主には新入社員への教育を意味しています。そして教育を施すのは、同じ部署の先輩や上司等の指導担当者です。
ただの新人研修ではなく、業務を遂行する上で必要となる知識やスキルを効率よく、できるだけ早く身に着けさせるために多くの企業が取り組んでいます。

OJTの目的とは?

では、OJTの目的とは何なのでしょうか?
大きく分けて三つの目的があると言えます。

実践力を定着させること

一つ目に、「実践力」を定着させることです。

仕事を引き継ぐ際、その多くは言葉や文章でも伝わるものかもしれませんが、実際にその業務を担っている熟練の先輩や上司の姿をみて主体的に学ぶことも非常に大切です。
実際に業務に携わって多くを知ることで、与えられた以上の知識を習得して自発的に能力を伸ばしていくことも期待できます。

即戦力を作り出すこと

二つ目に、即戦力を作り出すことです。

高度経済成長期以降、日本を取り巻く労働状況、雇用環境はある面では大きく変わり、他方では同じ問題を抱え続けているという状況があります。
まず変わらない面として挙げられるのが、慢性的に労働人口不足であることです。少子高齢化に伴ってこの問題はすぐに改善の方向に向かうものではありませんね。
そして、大きく変わったのが、終身雇用制度や、年功序列といったいわゆる日本的雇用環境が崩れつつあるということです。
これまでは、一度就職してしまえばその仕事を離れることはないのでゆっくり会社に馴染んでから教育に移る、といったことが可能でした。
しかし今では早期退職率が上昇し、人材は特定の場所に長く留まらない場合が増えたので、就職したら直ちに業務内容を把握させたい状況になったのです。

関係者間でのコミュニケーションを活発にすること

三つ目に、関係者間でのコミュニケーションを活発にすることです。

ここでいう関係者とは主に、教育を受ける側(新入社員や、転職してきた社員も含む)と教育をする側(上司や先輩社員)を指すのですが、それだけでなく教育をする側のさらに上司や同僚までを含めることができれば、理想的なOJTに近づくことができます。
教育を任された指導担当者も各々自分の仕事があるため、さらに教育も、となると余裕がなくなってしまいます。そのような時に負担を軽減したり分担するため、また一部に負担がかかりすぎないためにも密なコミュニケーションは必要不可欠となります。

もちろん、教育を受ける側と指導担当者のコミュニケーションも非常に大切です。OJTという仕組みによって必然的に両者が顔を合わせる機会は増えるため、会話の機会も多くなります。
そうすれば文字やネット教材では伝えられないような、企業の理念や社員の想いまでを業務と合わせて伝えることが可能になりますね。

単なる業務マニュアルの伝達にとどまらず、会話を通して得られる情報から社員の前向きな意識をまで培うことがOJTの目的の一つであると言えます。

OJTのメリット・デメリットとは?

上記の他にも様々な目的から多くの企業に導入されているOJTですが、実施するにあたってメリットもデメリットもあります。
続いてはOJTを行うことのメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

OJTのメリット

研修機会が多い

まず最も大きなメリットと言えるのが研修機会の多さです。
実際の職場で業務を通して研修を行うため、最初のうちは仕事時間は常に研修時間となります。
先ほどOJTの目的として、関係者間でのコミュニケーションを活発にすることを挙げましたが、これは会社にとっても教育を受ける社員にとっても大きなメリットとなります。

教育対象者に合わせた教育ができる

教育対象者に合わせた教育ができることも大きなメリットです。
関係者間で、じっくりと綿密なコミュニケーションが取れるため、教育対象者のレベルやスキルを発見して生かしたり、逆に理解が追い付いていない部分があれば個別にフォローすることもできます。

教育する側の勉強機会となる

これは普段の生活の中でも感じることがあるのではないでしょうか。
自分では理解しているつもりでも、いざ人に説明するとなると「なぜそうするのか」など答えられないことありますよね。
人に教える、伝えるという経験を通して今一度自分もそのことを見直して新たな発見などができれば、指導担当者側のスキルアップにもつながりますね。

OJTのデメリット

ここまでOJTのメリットをご紹介してきたのですが、実はメリットだけではありません。
ここからはデメリットをいくつかご紹介していきます。

指導内容に差が出る

仕方ないことなのですが、どうしても指導担当者によってその指導内容に差が出てしまいます。
その指導担当者がもっているスキルにも依存しますし、教育への熱意などによっても指導内容や深さは異なってしまいます。なので、OJTが終了した後で教育対象者の習熟度に大きな差が出ないように計画をしっかりと立てたり、途中で振り返りの機会を設ける必要があります。
 

総合的、体系的な指導が難しい

業務中に教えるべきことが出るたびに指導していく方法のため、実践的ではあるのですが基礎的な教育をまんべんなく施すことは難しく、単発的な指導になってしまうことが多くなります。
さらに、社内に既にあるノウハウなどの伝達となるため、変革の時代を先頭で走れるような最新情報に関する研修は難しくなります。

OJTを行う手順

次に、OJTの具体的な手順についてご紹介していきます。
OJTなどの職業教育訓練制度で用いられるフローには、PDCAサイクルを使ったものが多いです。
Plan(計画)⇒DO(実行)⇒Check(検証・振り返り)⇒Action(改善・反省)というフローで進めます。
それぞれの段階においてどのようなことをするのか分けて見ていきましょう。

Plan(計画)

OJTで最も大切で成功へのカギを握っているともいえるのは計画段階です。
具体的には、まずどのような社員に育てたいかという理想を関係者間で共通認識として持ちます。
それができていないと、どのような手順にどれほどの時間をかけてそれは誰が担当するのか、といった詳しい内容を決めていけないからです。
理想の人材を決めたら、何ができるようになったら完了とするのかといった達成目標や期間を決定していきます。そしてそれに適した指導担当者を選出し、会社全体で連携しながら方向性を決めていきます。
 

Do(実行)

計画が終わったら実行に移ります。
OJTに関係する人全員がこまめにコミュニケーションを取り合い、お互いの現状を常に把握できている状態を保つのが望ましいです。
面談をする機会も確保できると、より一人一人に合った効率的な指導ができるかも知れませんね。
教育対象者も、受動的ではなく自ら学ぼうとする意志をもって参加することが重要です。
ここでコミュニケーションがうまくいかず意思疎通ができないと、指導担当者の意志が伝わらないなどの理由から教育対象者の意欲を削ぐことにも繋がりかねないので何より積極的にかかわりあうことが大切であると言えます。

Check(評価・振り返り)

計画を実行する中で必ずと言っていいほど、問題点は見えてくるはずです。
双方で認識のずれが生じているのなら、「何ができるようになることが成功/理想か」ということが明確にされていることが重要です。
明確な目標がわからないままに闇雲に研修を続けることは、持続可能で効率的とは言えません。
問題があれば一度立ち止まって原因を考える。
それを毎年繰り返していくことで年々精度の高いOJTの枠組みを完成させていくこともできます。

Action(改善・検証)

そしてこれもとても重要な改善・検証の段階です。
計画を実行していく過程で、定期的に改善点を考え、その効果を検証できる機会をもつことが大切です。
そして場合によって教育対象者本人に個別面談等によってフィードバックされることもあるようです。

OJTを行う際の注意点

OJTを行う際には多くの注意点があります。
その一部をご紹介していきます。

  • 教育対象者のスキルやタイプをしっかり把握して適宜フォローすること
  • 忙しい時でも、お互いの話をよく聞くこと(特に指導担当者は、教育対象者との会話をおろそかにしない)
  • 相手が納得するよう、何かをする際にその目的や意味をしっかり伝えること
  • 両者とも、改善すべき点や反省する場を設けること
  • 教育対象者が成功体験を積んで、意欲を高められる場を意識して作ること
  • 計画段階で教育対象者が関与すること

計画段階で教育対象者が関与することが大切な理由は、「どのような存在になって何をしたいか」という目標を達成できるような要素を計画に盛り込むことで、教育対象者の主体的な意欲につながるからです。

OFFJTとの意味の違いとは?

最後にOFFJTとの意味の違いについてご紹介していきます。
いずれも、主に新入社員に対しての職業教育研修である点では共通です。

OFFJTの意味とは?

そもそもOFFJTの意味とは何なのでしょうか?
OFFJTとは、OJTが職場内研修であるのに対して、職場外研修とされています。(off the job trainning)
実際の職場で実践的に教育研修をするのではなく、外部へ出向いたり講師を招くなどして「上司や先輩社員」ではない人から職業研修を受けるということになります。

OFFJTのメリットとデメリット

メリット

メリットとしては、OJTのデメリットとして挙げた「指導担当者による指導内容のばらつき」を低減することができることです。
また、社内にはないようなノウハウや最新技術なども習得できる可能性が高いです。
OJTと違って基礎から体系的にビジネスやその業界について学ぶことができるので、その後の応用力にも期待ができます。
 

デメリット

もちろんデメリットもいくつかあります。
一つはコストがかかってしまうことです。社内ですでにいる社員の業務の一環として行うOJTとは違い、様々なコストがかかります。
そして、総合的で体系的な学びが期待できる反面、すぐに使えて実用的な知識やスキルを身に着ける、という点ではOJTに劣るかもしれません。

まとめ

いかかでしたでしょうか。

今回は職場内教育研修制度であるOJTについて詳しくご紹介してきました。
主に新入社員の即戦力化、実践力の養成、社内コミュニケーションの活発化などの目的で取り入れられているのがOJTでした。
研修機会の多さやコスト面、一人一人に合った教育ができる面はメリットと言えますが、教育内容に関してはややデメリットもあるようですね。
職場外教育研修制度であるOFFJTとの併用で効率的な研修制度を作ることができるので、双方の特性を理解した上で使い分けが重要です。

OJTの特性について知った上で、上手に活用していきましょう。

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