「好奇心」を行動に|慶應義塾大学 南昇吾

「好奇心」を行動に|慶應義塾大学 南昇吾

【南 昇吾(みなみ しょうご)】
慶應義塾大学法学部政治学科3年生。「塾生代表」として、学内運営に取り組んできました。一体何人分の人生を生きてきたのか?と思わせるほどの経歴の裏には、努力と苦労の日々がありました。そんな南君の”iroots”に迫ります。

塾生代表への挑戦

──本日はよろしくお願いします!「塾生代表」ということで、学内でも有名な南さんですが、そもそもどんな役職なんですか?

なかなか伝わりづらいですよね(笑)。「全塾協議会」という組織の代表という役割です。全塾協議会は、いわゆる生徒会を想像してもらえれば。福利厚生の向上を目的に活動している塾生の自治組織といったところです。 

──なるほど。具体的にはどんな業務を担っているんですか?

塾生代表の業務としては、毎月の会議に参加して、学生支援課やセンター長にお世話になりながら、学生の福利厚生の資金配分を決めています。実は、塾生代表という役職ができたのは最近で、僕が2代目です。正直、まだ業務が明確に決まっているわけではないので、ある意味「自由」にやらせてもらっています。

──ご自身のTwitterなどでも活動的な姿を拝見しています。大変なこともたくさんあったのではないですか?

選挙の際、様々な公約を掲げた上で、学生の皆さんから選んでもらいました。だから、なんとかして達成しようと頑張りましたが、達成するのは難しかったです。組織を動かすことの厳しさを学んだ気がします。例えば、テスト前のみキャンパス内の図書館を24時間に開館にする、ほったらかしているように感じられる留学生との関わりを作る、などアイデアはたくさんあったのですが。いやー、悔しかったですね。そんな中でも、塾生のみんなとの協力は不可欠でした。

──具体的なエピソードはありますか?

体育会系の部活の大会に関わることができました。もっと学校を好きになってもらおうと、みんなで慶早戦を応援しに行く流れを作りたくて。六大学野球の時に神宮球場で販売するパーカー作りに、SFC(湘南藤沢キャンパス)に在籍するデザイナーさんを繋げられたのは嬉しかったです。ありきたりかもしれないけど、「一人じゃ何もできない」と思いました。
 
──任期はいつまでなのでしょうか?
実は、後任を決める信任投票では投票数が割れてしまったため、継続されることになりました。政治の世界にも共通してるけど、関心がないってちょっと悲しいですね。昔からの名残が弱まった証拠だなって。このような形ではありますが、任期が引き継がれることになったので、もっと「こんなことやりたい!」「やってほしい!」って意見が学生側からもらえたら嬉しいです。

深圳での活動を経て「日本の学生を変えなければと思った」

──そもそも塾生代表に立候補しようと思ったきっかけはありますか?
きっかけは主に二つあります。1つ目は、幼稚舎(慶應義塾大学の附属の小学校)からお世話になってきた慶應に還元したいという思いです。いろいろな経験をしながらここまで暮らしてこれたっていうことに、学校への感謝の気持ちが大きいです。

──なるほど!もう一つの理由も気になります。
2つ目は、大学2年の11月に中国・深圳に訪れたとき、現地の学生に刺激を受けたことです。彼らは「家族を支えるには、就職するんじゃダメなんです。エンジニアになるか、起業して大成功しないといけない。」と言って、泥臭くドローンの部品を作る姿に心を打たれたましたね。日本の学生は太刀打ちできないと思いました。その後、Japan-ShenZhen meetupというプロジェクトを立ち上げ、日本人学生6人を連れて、2年の3月に再訪しました。次第に、「まずは自分の大学を変えたいな」と思うようになって…そんなときに塾生代表の存在を知りました。

夢中になったら止まらない

──塾生代表の活動以外では、どんな生活を送っていますか?
分野問わず、「これだ!」と思ったものには夢中になって、止まらないです。気付いたらその場所まで行ってしまいます。他のことは目に見えなくなるというか。自分自身の性格を一言でいうと、「好奇心の人間」です(笑)

──実際にどんなところに行ったのですか?
印象的だったのは、石川県の加賀市です。政治に興味があるのですが、「地方創生」に触れたこともないなんて、ダサいなぁと思っていたので、実際に地方で活動できたのは嬉しかったです。

──加賀市はどんなところなんですか?
廃ホテル、廃パチンコ店、などがたくさん残る場所です。高校生の時、HLAB(エイチラボ:高校生向けサマースクール)に参加した際に出会った大学生が金沢で町づくりに携わっていて、その縁があって、石川県加賀市に行ってみることにしました。

──縁ってすごいですね。加賀市では何をされていたんですか?
「加賀波コーヒー」というイベントを主催しました。加賀市には大学一年の秋に初めて訪れ、地元の人との交流ができたので、冬に改めて行きました。加賀市にはカフェのチェーン店がないんです。その代わり、個人経営の個性溢れるお店がたくさんあります。せっかくだから、彼らの交流を生み出すために何かしたい!と思っていて、その時は一ヶ月程向こうに住んでいました。僕自身スターバックスでアルバイトしているのもあって、コーヒーで人を繋いでみたかったんです。それぞれのカフェで出しているコーヒー豆を集めて、地元の人たちにコーヒーを出しました。60人くらいの人が来てくださり、オーナーさん同士も新しい発見があったみたいで、開催して良かったと思いました。

──見知らぬ土地で大変なこともありましたか?
やっぱり外から来た人だと、否定的な人もいないわけではありませんでした。だったら、自分の地元でやればいいじゃん!ってなって。住んでいる用賀の街をふらふら歩いている時に、商店街事務所でサマーフェスティバルの存在を教えてもらいました。それで、大学3年の夏にサマーフェスティバル学生代表として地元のお祭りに尽力しました。

──地元のお祭りの代表って大変そうですね!どんな取り組みをしましたか?
新しい取り組みとしては、スマホ決済です!意外にも、祭りとスマホ決済って相性がいいんですよ。屋台の人って調理中に手が汚れてたりすると、お客さんにお釣りを渡すのも一苦労です。スマホ決済ならお釣り渡す手間が省けるので、待ち時間の短縮にもなります。実際に動いたお金は、9万円くらいでした。スマホ決済には興味があったけど使う機会がなかった四、五十代の方も喜んでくれました。何よりも嬉しかったのは、地元のおばあちゃんがスマホを使って、200円の焼き鳥を「買えたよ!」笑いかけてくれた瞬間です。頑張って準備してきて良かったなぁと、心から幸せな気持ちになりました。

好奇心旺盛な性格 ー政治への興味が背景に

──活動的な南さんですが、昔から好奇心旺盛な性格だったんですか?
小さい頃は、好奇心旺盛を差し置くほどの「くそまじめ」でした。今振り返ってみると、相当やばかったです。なぜか正義感だけは強くて、規則とかルールを破っている人にぶちぎれるようなタイプだったんですよ(笑)。でも、赤白帽は忘れるみたいな、おっちょこちょいなやつでしたね。
 

──現在のように好奇心旺盛になったのはいつですか?

政治に興味を持ち始めた中学3年生くらいかと思います。その当時、民主党から自民党に政権が交代する変動の年でした。今の日本のしがらみを変えてくれると思い応援してた日本維新の会の橋下徹氏でさえ、日本を変えられなかった。それなら「いつか自分が政治家になって日本を変えたい!」と思い始めました。日本に帰ってきてから、部活の帰り道にとある政治家の方の演説をふらっと聞いていた時、声をかけてもらったんです。年配がほとんどの聴衆の中で、僕だけ異質だったんでしょうね(笑)そのご縁で、高校3年の冬から二年間、事務所でインターンをしていました。

──当時から政治に関心があったってことですよね。その意識はどこから生まれたのですか?
中1の時、親の転勤でオーストラリアに住んでいました。通っていた現地校で、Asianであることを理由にいじめられたんです。自分が「日本人」であることを再認識しました。それで日本に興味を持ちました。本を読み漁っている時に『デフレの正体』を読んで、人口減少しているのに政府が手を打たなかったと知って…日本に対する危機意識は、その時から抱いていた気がします。僕にとって、オーストラリアでの生活がターニングポイントです。

──日本を出たからこそ、かえって興味を持つようになったのですね。

彼が見据える将来「日本の国家社会のために尽くしたい」

──南さんの将来のビジョンを教えてください。
これまで夢を語る時、いつでも「政治」って言葉が入っていました。ただ、大学生になっていろんな活動に打ち込むうちに、いい意味で視野が広がりました。どんなことをするにも、まずは実績を人から認められてからがスタートだと思っています。自分の世界を狭めるのは嫌なので、まずは企業に就職して泥臭く働いてみたいです。若いうちはどんな国に行っても頑張る!くらいの覚悟はあります。とはいえ、やはり将来的には日本のために尽くしたいですね。

──南さん、本日は素敵なお話ありがとうございました。

【編集後記】

終始目を輝かせながら語ってくれた南さん。

周りの人への感謝の気持ちを忘れず、「自分にできることは何か」常に考えながら活動している姿勢に心を打たれました。彼の活動を支えてきたのは、何事も「ジブンゴト」に変える姿勢なのでしょう。


みなさんも自分の過去を振り返ることで、根底に潜むirootsを見つけてみませんか?

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