ふんどしが切り開く新たな地平!

ふんどしが切り開く新たな地平!

清田倫太郎さん。京都大学総合人間学部2年生。
「ふんどしを実用的なファッションアイテムとして定着させたい」。熱のこもった視線でそう語った彼は、京都大学ふんどし同好会の会長、清田さん。ふいに彼を襲った疑問が切り開いたふんどしの世界。清田さんを奇想天外なふんどしへの没頭に至らしめた原体験に迫ります!

ふんどしについて知ってくれ!

──本日はよろしくお願いします!まず最初に、清田さんの活動について教えてください。

京都大学ふんどし同好会の会長としてふんどしを世に広げるための活動をしています。私の目標は、ふんどしを実用的なアイテムとして人々のファッションに定着させることなんです。

──ふんどし同好会を通しての活動が学内外で高く認知されていますよね。

ありがとうございます。ふんどし同好会では、月に一度集まってふんどし談義を開き、ふんどしについて語り合ったり、ふんどしを製作したりしています。時には大学祭のようなイベントに出店して手作りのふんどしを売ることもありますね。その他にも、ふんどしの良さを純粋に語り合って好きなデザインを見つけたり。そういう共感が生まれる場だと思ってます!

──いったい、ふんどしの何がそんなに良いのでしょうか。

まず、ふんどしは非常に実用的です。締め付けが少なくてリンパの流れを止めないので健康にいいんですよ。あらゆる調節も自分で行えるので、快適です!僕自身がふんどしに惹かれるのは、やはりふんどしの自由度が高いからだと思います。さらに、メーカーによってデザインも色々あって楽しみ方が多様なんです。また、ふんどしは日本だけでなく海外でも使われていて、その点にも惹かれますね。オーストラリアのアボリジニとか、ポリネシアとか、南アジアのインディオも使用しているんですよ。

 

──ハワイにふんどし留学をされたとお聞きしましたが、それは海外のふんどしへの興味があったからですか?

自分でもはじめはふんどしは日本の固有のものだと思っていました。でも、調べて行くうちにそうでもないことがわかり、もっと知りたくなりました。しかし、何せ資料が少ないので深く知るためには直接海外に行くしかなくて。私の留学したハワイではふんどしはマロと呼ばれています。「ハワイではマロが浸透しているのではないか」と思い、日本でも同様にふんどしを浸透させる方法はないか探りに行きました。現地の人にヒアリングしたり、図書館でデータを集めたり、時には偶然マロ一丁で歩いていた人にコンタクトをとったこともありますね。結局ハワイでマロは浸透していませんでしたが、日本でのふんどし普及の手がかりを見つけられたと思います!

生まれつきの自由人

──ふんどしのための行動がアクティブかつ自由ですね!!それはいつ頃からなのでしょうか。

父が自由な人だったので、昔から自分の生活にもそれなりの自由が許されていましたね。普段の行動であまり縛られていると感じることは少なかったんじゃないかな。高校時代も基本的に自分の好きなことをやっていたという印象です。他者と異なることにもともと抵抗感がなかったのかもしれません。自然に他者を気にしない価値観を持っていて、それが実生活にも現れていました。その点で自由なのかな。

──元々、他者と異なることを気にしないという価値観を持っていたんですね。

はい。今から思い返すと、当時は周りから少し浮いていたのかもしれないです。でも、それも目立つ活動をするようになった今だからこそそう感じるのかもしれない。昔は自分は周りと変わらないと思いながら、好きなことをしているというか。

──なるほど。確かにそうかもしれませんね。

パンツを履くのは「当たり前」?

──ところで、ふんどしを履くようになったきっかけは何なのでしょうか。

京都大学を目指して受験勉強中に、ある日突然パンツを履いている意味がわからなくなりました。その理由を考えたら夜も眠れず(笑)。その時の自分はパンツの実質的重要性が感じられなくて、ただ「当たり前」だから履いているんじゃないかと思ったんです。試しにパンツを履かないで高校に通っていた時期がありました。それがとても快適だったんです。それがふんどしを履くようになったきっかけでした。

──パンツからふんどしに替えるまでの間に下着を履いていなかった時期があるんですね!でも、パンツに疑問を持つのは斬新ですよね。

そうですね、なぜかパンツを履いていることに疑問を持ちました。多くの人がパンツを履いていて、履いていないと不潔だと思われる。それって、パンツを履いているのがみんなにとっても「当たり前」になってるということですよね。気づいたら世の中の「当たり前」に自分がはめ込まれていたのってすごく怖くないですか。だからこそ、当たり前を押し付けられるのではなく、常に選択肢があるべきだと思いました。選択ができる状況があれば、自分で決める過程を挟むじゃないですか。自分にとってはふんどしがその選択における選択肢でした。

──パンツを履かないという道で違和感へのアプローチを行った清田さん。「他人との違いを気にしない」価値観がその行動に現れているのかもしれませんね。

ついに出会う、ふんどしと清田さん

──清田さんはまず、パンツを履かない生活をしていて、快適さを感じていたんですよね。その後あえてふんどしを履く選択をした経緯について教えてください。

当時は、高校に下着なしで通っていましたが、体育の着替えの時間などの友達の視線は痛かったです。その時に、周りに迷惑をかけながら自分の嗜好を貫くのは違うなと思いました。しかし、履かない快感に慣れてしまっていてパンツをはく生活に戻るのは避けたかった。そこで代替案を探した結果、ふんどしを見つけました。それでも息子が急にふんどしを出してきたら親も戸惑うだろうと思って、実家で生活している間は我慢していました。その後、浪人期に一人暮らしをしていたのですが、即座に注文しました。めちゃくちゃ快適で、現役生の時に受験に失敗したのはパンツを履いていたからなんじゃないかと思うくらいでした。再受験の受験当日は赤色のふんどしを履いて、見事合格しました(笑)。

──ふんどしに関する活動をするようになってからご自身について何か変化はありましたか?

今まで自分は飽き性な人間だと思っていたのですが、ふんどしに関わり始めてからは1つの物事に熱中できるという側面が発見できたように思います。いざ興味のあるものを追求してみると、その面白さを感じて熱中してしまいます。ふんどし同好会の会長としてふんどしについて知らなければならないという義務感があったのが理由かもしれません。

──なるほど、ふんどしという熱中できるものを見つけたから、清田さんが輝いているんですね。今後のふんどし同好会の活動でやっていきたいことは?

僕は新しい下着の選択肢としてふんどしの現実的メリットを推して行きたいと思っているので、ふんどしを体験してもらえる可能性があるならば積極的に参加しています。自作のふんどしも販売しています。自分たちでふんどしを作ることで原価でふんどしが売れます。市場価格の3分の1くらいの価格です。そうやって履く機会を増やしていきます。まず最初は色物だと思われても構いません。認知を得た後に、自分が真剣にふんどしのことを考えているとわかってもらえるはずなので。

──ふんどしへの熱い想いを感じます!活動の中で大切にしている考えなどあれば教えてください。

ふんどしをもっとカジュアルな、下着に変わる選択肢となるような存在にしたいです。自分がとても怖いと思っているのは、気づいたらパンツをはかされているという現象です。この自分の感覚を大切につつ、そこから生まれたふんどしを広める活動を大切にしてきたいです。選択をするという過程の欠如に対抗するには、選択肢の提示が必要だと思っています。選べるものを増やしたら、あとはその選択肢に目を向けてくれる人がきっといると思います。

いつかふんどし博士に!

──ふんどしが学問としてのテーマにもなっているんですよね。

はい、自分はふんどし一本で、それ以外にはありません。ふんどし文化を広めるべく、自分一人で同好会を立ち上げたのですが、それをきっかけにふんどしについて深く考えるようになりましたね。調べるうちにこの沼は深いぞと思って、そこからどんどん深みにハマりました。ふんどしをテーマに留学にも行きましたし、ふんどしは学問に繋げることができるんじゃないかと考えるようになったんですよね。学問においても調べれば調べるほど深まる謎に挑みたいと思っています。

──それは長いスパンで考えていらっしゃるのでしょうか?

そうですね。将来的にはふんどし博士になりたいんです。そのために現在は、ポリネシア研究をされている先生のもとで勉強しています。卒業論文もふんどしをテーマに書く予定です。今後は文化人類学者としてフィールドワークを行いたいです。まだ体系的にふんどしについてまとめられたものがないので、ふんどし図鑑みたいな形で知見を発信できたらいいですね。まだ誰も開拓していない、ふんどしと人間の関わりの学術的研究。それを突き詰めたいと思います。

【編集後記】


清田さんはいつかふんどし博士として世界にその名をとどろかせるのでしょう。彼の発見について襟をただして、いや、ふんどしを締めて聞く時が近いのかもしれません。

清田さんを動かしたのは違和感への疑問を解決するための試行錯誤と行動力でした。ふんどしと出会い、ふんどしを愛しながら活動を続ける清田さんはふんどしという選択肢を世間に提示し続けます。
あなたのふとした疑問も、もしかしたら人類の新しい知のフロンティアをもたらすのかもしれません。馬鹿げているとあしらわずにアンテナを張りながら生きたいものですね。
 

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