人生の95%を水泳に費やした男から学ぶ「キャリアと仕事術」|大阪大学 大谷翔吾

人生の95%を水泳に費やした男から学ぶ「キャリアと仕事術」|大阪大学 大谷翔吾

【大谷翔吾(おおたにしょうご)】
大阪大学経済学部4年。阪大水泳部元主将。株式会社クラウドワークス内定者。
超が付くほどストイックな大谷さん。その行動力の源泉となるirootsに迫ります!

水泳でのエピソード「様々な学びを水泳につなげた」

──本日はよろしくお願いします。(高山)

よろしくお願いします!(大谷さん)

──簡単に大谷さんの大学生活についてを教えて頂けますか。

大学では体育会の水泳部に3年間没頭してきました。水泳は1歳のころから21年間続けてきたので、かなり思い入れも深いです。4年目は、現在内定を頂いているクラウドワークスさんで10か月ほどインターンシップを行っていました。

──21年間も泳ぎっぱなしなんですね(笑)。そんな水泳部時代で一番印象に残っていることはなんですか?

一番印象に残っているのは、
水泳以外の事から水泳に学びを繋げて、練習を改革してきたことですかね。
部活の先輩のやり方だけでなく、他の水泳部や参加したイベント、読書など色んな所から学びを水泳に応用してきました。

例えば、昔就活イベントに参加した際に、ある社員さんが社内での日報について話されていました。日報を社内SNS化することでお互いにFeedbackしたり、振り返りをしながらPDCAを回していると。
実は水泳にも「練習ノート」といった日報のようなものが存在していて、『自分もこれを活かそう!』と思い、LINEのグループノート機能を使った練習記録制度を導入してみました。

──メンバー皆でコメントしながら練習を記録していこう、と

そうです。
1人の練習での気づきを皆で分かち合うことで部員の成長確度が大きく上がりました。
また、思いがけない別の効果があって、マネージャーのやる気が向上したんです。

──マネージャーの方に変化があったんですね…!

意外な影響でした。
マネージャーは選手の記録タイムを計る役割なんですが、あまり選手の変化を感じにくく、辞めていく人もいました。
ですが、このLINEノートを通してマネージャーが選手の日々の成長に気づいたり、コメント機能を通して選手に助言を伝えられうようになりました。

──今まで見えなかったものが、LINEノートのコミュニケーションによって見える化したわけですね。

マネージャーの当事者意識が増した結果、とあるマネージャーからは「選手の大会だけど、自分のことのように緊張したり喜びが増した」とまで言う者もいました。

練習ノートの様子。その日の体調やテンション、意識したことなども詳しく書かれている。

人から学ぶ姿勢を育んだ、大谷さんのiroots「高校時代のどん底と成功」

──素晴らしいエピソードですね!!
  大谷さんはいつから、色んな学びを活かせるようになったんですか?


自分がここまで学びを応用するようになったきっかけは、高校生の頃にあったと思います。
実は、高校に入って最初のテストで数学10点をたたき出してしまったんです(笑)。

──それは大変ですね(笑)。

中学生までは特に意識しなくとも地頭である程度の点数は維持できていたんですが、さすがに高校の勉強は甘くなかったです(笑)。
10点を見た時は『やばいな…』と危機感を抱きました。「勉強ができる」という自分のアイデンティティを失いそうなのが怖くて、そこから成績の良い人の勉強法を盗もうと意識し始めました。

あともう1つ、高校3年生の時の成功体験も自分の中で大きな意味を持っていたと思います。
当時感動した思い出で、駿台のカリスマ講師の授業を受けた時、凄く洗練された、再現性の高い解法を教わったんです。
しかもそれが国語の授業だった。

──国語ですか!数学の話かと思っていました。

国語なんです(笑)。
この解き方に衝撃を受けて、すぐさま自分に取り入れました。
すると、
学校の先生に『こんな解き方は見たことない、凄い!』とほめられました。
噂では、卒業後の全校集会でも武勇伝として紹介されていたみたいです。
ある国立志望の学生が凄い解き方をしていて、部活と両立しながらメキメキ成績を伸ばしていった、と(笑)。
そこで自信をつけたのが2つ目の原体験になっていますね。

大谷さんに学ぶ、インプット術「良い意味で公私混同する」

──僕も全校集会で武勇伝を語られるような男になりたいです。せっかくの機会なので、大谷さんのインプット術をいくつか教えて頂けませんか。

そんな大したことじゃないんですけど、これまでの経験で2つポイントがあると思っています。
1つ目は、情報に触れた時に『なんで?』と意識的に問い続けること。無意識では難しいので意識的に。

例えば、以前北島康介さんの自伝書を読んでいて、「当時の日本選手には珍しく、ウェイトトレーニングや新しいトレーニングを取り入れ続けている」と知りました。その時に『なんでそれがあんな凄いパフォーマンスにつながっているんだ?』と思ったんです。そこで自分なりにあれこれ考えました。
自分なりに結論づいたのは、あれは飽きさせない意味もあるのではないか、ということです。

──飽きさせない…?どういうことですか。

水泳って実はすごい飽きるスポーツなんです。行ったり帰ったりをひたすら200往復とか繰り返します。だから、新しい手法や取組を取り入れることで、練習を飽きないようにしているのでは、と思ったわけです。そう考えると、手段を目的化した方が良いこともあるのだなあ、と学べます。

──ふつうは何かの目的があって新しい練習を取り入れたりしますもんね。そうじゃなくて、新しい練習を取り入れること自体に1つの意味があると。

そういうことです。
それから僕も部活で新しいことを導入する時は、内容の良し悪しより取り入れること意味があると思って、まずはやってみることにしました。もっというと、「月に1回新たな取組を入れる」という目標を置きました。

当時の考察のメモ。

──手段を目的化した目標を意図的に置いた、ということですね。もう1つのポイントとは何ですか。

2つ目は、メモを取ることです。

生きていたら『おっ!』と思うこと、ありますよね。人と話していて気づくこととか。そういった気づきって意外と忘れているな、と気づいたんです。それからは、気づいたことがあればスマホやPCにメモする習慣を取り入れて、毎週日曜日の決まった時間に1週間分のメモを見返すようにしています。

この2つを意識することで、良い意味で公私混同できるようになりました。
仕事をしている時間だけが仕事に結びつくわけではないと思います。自分の仕事に対して、いかにプライベートな部分を濃密にして、そこから仕事につなげられるかで結果は大きく変わります。その力が少しは身についたと思います。
 

大谷さんの描くキャリア観「水泳を超えたい」

──良い意味で公私混同するって良い表現ですね(笑)。そんな大谷さんの将来へのキャリア観を教えていただけますか。

1つ大きな目標は、「水泳を超える」ことです。
大学3年次の水泳部引退は、21年間あったアイデンティティがなくなるような喪失感でした。
就活をしていても『水泳を失って、自分はこれからどうなるんだろう…』と悩んで眠れないこともありました。
水泳以上の仕事をみつける、それが自分の思いとして強いです。

──大谷さんにとって、「水泳を超える」ための条件はなんですか。

水泳の経験を振り返って、自分が組織に求める大事な要素が3つあると思っています。

1つ目は、年次に関係なく自由に裁量権を持てることです。
自分は、チームに役立つと思ったことは何でも提案して動かしていきたい性分なので、それを受け入れてくれる環境が必要です。

2つ目は、目指しているモノがはっきりしていること。えてして会社のMission(使命)はお飾りになってしまうことが多いですよね。そんな中でも、Missionが事業や日々の業務にまで一貫している組織は素敵だなと思います。

3つ目が一番大切で、「愛のあるチーム」であること。自分と同じようにVision(理想)やMissionに共感して、信頼できるメンバーがいるということです。 そんな仲間と一緒だからこそ自分も全力を尽くせて、結果として自分の成長につながると思っています。

──なるほど。「愛のあるチーム」についてもう少し詳しくお聞きしていいですか。

そうですね。
違う所から説明すると、逆境を楽しめるのが「愛のあるチーム」だと思います。
どんなチームでも活動する中でふり幅があります。そのふり幅が下の時、すなわち大変な時楽しめるか、愛せるかが大切だと思います。
漫画や物語を見ればわかるように、1度戦いに負けたり仲間が散り散りになったりと大変な時があるからこそ、その先の結果に喜びを強く感じる瞬間がありますから。

それに、そもそも大変な時を楽しめないチームじゃなかったら、シンプルに辞めちゃいますよね(笑)。

現在インターン中の株式会社クラウドワークスでのチーム。

今後の水泳とのかかわり

──納得です。とても勉強になりました。大谷さんは本当に水泳から色んな事を学ばれたんですね。

本当に、全ての事は水泳が教えてくれたと言っても過言ではないと思います。
さすが、人生の95%を水泳に費やしただけあるなと(笑)。

でもこれからは、水泳に引っ張られたくないなと思っています。水泳を超えないといけないので。水泳とはここできっぱりと別れを告げたいなと思います。

──新しい道でもがんばってください!大谷さん、本日は本当にありがとうございました。

【編集後記】

水泳を通して、様々なことを学ばれている大谷さん。
何をするかよりも、突き詰められるか(Grit力)が大切なのだと教えてくれました。
大谷さんのような強みを自分も見つける為に、iroots(原体験)から振り返ることが1つのヒントになるかもしれないなと感じました。

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