【アドビ】未来を創る「創造的問題解決能力」

クリエイティビティがより重要視されている時代、独創的なツールを発信し世界的に注目を集めるアドビが「未来を創る人材に必要な能力」をテーマに大学1年~2年生向けのワークショップを実施した。

グローバルスタンダードな「キャリア観」、新卒採用において企業が重視する「創造的問題解決能力」といった、『未来を切り拓いていく世代に期待される力』を、イベント及び、主催者へのインタビューをもとにレポートする。

 

海外は「職種」を選ぶ。日本は「企業」を選ぶ

 

ー今回、ワークショップを開催することになった経緯を教えてください。

杉本:大学1年~2年生向けに何かやりたいな、というのはずっと思っていました。就職活動の時期になると、サービスや情報が溢れてくるじゃないですか。その時期に正しい「取捨選択」をするためには、早期の時期からいろいろな仕事や業界を知ることが大切だと思うんです。ただ、日本の就職活動市場では、大学1-2年生時期に企業と触れあう機会がまた少ないですよね。だからそのきっかけになればなと。

 

ー杉本さんは、外資系企業での人事の経験が豊富でいらっしゃいますが、日本と海外での違いは感じられますか?

杉本:日本の一括採用とは違い、海外の場合は、学生時代に身に着けたスキルの延長線上でフルタイムの仕事を掴むという形がスタンダードですね。例えば海外だと、大学1年生の時にLinkedInに登録して、自分の専門性を記載する。専門性を活かしてインターンシップをするといった具合に、早い時期から「自身のスキルを活かして働く」ということ意識して活動されている方が多いです。

杉本隆一郎氏:人事部採用チームシニアマネージャー

上智大学卒業後、人事業務を8年経験。2006年に楽天に入社。海外MBAや国際ビジネス経験者を中心とした幹部候補層の採用をリード。2012年リンクトイン日本法人の立ち上げに人事責任者として参画したのち、日本オフィス代表代行。その後、外資系企業に置ける地域採用統括職を歴任し、現職。

 

ー日本でも長期インターンシップは、最近スタンダートになっていますよね?

杉本:そうですね。ただ、海外の場合は、自分の専門スキルを活用し、高めるためのアルバイトという捉え方をされていますけど、日本の場合「社会を知る」「仕事を知る」といった視野を広げるための目的で活動されている方が多いので、目的意識は異なるかもしれません。

 

ーキャリアに対する意識の差は、どこからくるのでしょうか?

杉本:そうですね。そもそも採用の方法が日本と海外では大きく異なりますから。日本の場合は「総合職」という考え方があって、会社に入社してから、人事が適性を踏まえて配属を決める、ということが多いですよね。でも、外資の場合は、採否決定者が人事部ではないケースが多いです。Job Description(職務内容)が明確に決まっているので、最終的な採用決定は、各部門のHiring Managerがします。

アドビの場合も、各部門に共通する採用基準として、Adobe Capabilitiesという、リーダーシップの在り方を言語化したものがあるのですが、それ以外の採用要件は各部門のHiring Managerに任せています。人事が一括で採用するのではなくて、各部門が求めている職種や、扱っているサービスによって、求職者の方のパーソナリティを見ているので、結果的に人材の多様性が出るのも、外資の特徴です。

日本の就職活動は、学生が「企業」を選ぶという考えかたが主流ですが、海外の場合は「職種」を希望するというのがスタンダードです。世の中の潮流を考えると、今後、「どういう会社で」「どんな仕事をやりたい」という意思を明確に持つことがより重要になると思います。

※アドビ本社で行われたワークショップの様子。irootsを通じて約30名の大学1年~2年生が参加。

 

AI時代に必要なのは「創造的問題解決能力」

 

ー「私はこれをやりたい」という意思を明確にしていくには何が重要だと思われますか?

杉本:どんな小さな課題でもよいので、仮説を立てて思考をし、行動をし続けることですかね。別にキャッチーなことじゃなくてもいいです。目の前にあるものに対峙したときに、そのまま受け入れるのではなく、考える視点を常に持ち続け、行動しているか?というのが重要だと思います。

例えば、「アドビで働きたい!」という方が面接にきたときに、どんなにその思いだけを熱量高く話してくれたとしても採否の判断はできません。競合他社に着眼点を広げて比較をしてみたり、実際にその業界の人と会って情報収集をしたうえで、「だからアドビではこれをしたい」という話をしてくれた方が「意思」が明確ですし、相手にもより具体的に伝わりますよね。何より、採用する側に学びがある。

外資でも日本企業でも、採用の仕方に差はあれど、既存社員に対して+αをもたらしてくれる方に来ていただきたいので、思考を止めず、行動と改善を繰り返し、スキルと意思を研ぎ澄ませていく、というスタンスが重要というのは共通していると思います。

 

ー先日のワークショップでは、新卒採用時に企業が重要視するスキルとして、「創造的問題解決能力」を紹介されていらっしゃいました。

小池:はい。アドビで2018年に行った調査データ をもとにお話させていただきました。杉本から、「採用時に既存社員+αを期待する」話がありましたが、まさにそのうちの1つが「創造的問題解決能力」であると言えると思います。

小池晴子氏:マーケティング本部 教育市場部 部長

上智大学卒業後、大手教育出版社にて通信教育教材開発、ブランド事業、教室事業などに従事後、キャリアアップのためにNY発の教育ベンチャーの日本オフィス立ち上げに参画。2017年9月アドビに入社、2018年12月より現職。

 

小池:「創造的問題解決能力」は、Creative problem-solvingといってグローバルで定義されている力です。人間ならではの創造性や革新性を発揮して、問題や課題に取り組む力や姿勢のことを指しています。世の中や自分の身近なところにある課題の解決のために、一見関連がないように思われる物事を組み合わせて新たなアイデアを生み出したり、既存の物事に新たな観点を加えてよりよいものにする『創意工夫力』と考えるとわかりやすいかもしれません。

人工知能(AI)が発達し、様々な定型的な業務が自動化されていく世の中で、これからの時代に非常に重要なスキルと認識をされています。(参考調査 :「創造的問題解決能力」育成に関する調査 アドビでは、この「創造的問題解決能力」を構成する要素を6つに分割し、新卒採用時にどれくらい重視されているのかを調査しました。

※調査抜粋:新卒採用で企業が重視するスキルについてー未来を創る人材採用

まず、調査の結果、9割の人事の方が「テクノロジーの進化や社会の変化に伴って、新卒採用の現場でも変化を実感していて、今後5年でも大きく変わってくだろう」という共通認識をもっていることが分かりました。さらに、このような変化が激しい採用市場で、企業が新卒採用の際に最も重視するスキルを聞いたところ、「課題解決方法の発想力/着想力」という結果がでています。同様に、この5年間で重要度が増してきたスキルとしても1位にランクインしています。

※調査抜粋:新卒採用で企業が重視するスキルについてー未来を創る人材採用

ー「発想力、着想力」といういと、人事の方は具体的にはどのようなスキルをイメージされているのですか?

小池:「自分で課題を発見して、解決方法を考える能力は重要」「社会の課題を自ら考え解決策を自分なり考え出す力が欲しい」といったというコメントが寄せられていますね。実社会の現場では、自分で課題を見つけて、自分で考えるという自立的な思考力が求められるということが、如実に分かる結果となりました。

 

日本人には「クリエイティブである」という自信が足りていない

 

ーワークショップでは、就職人気企業とそれ以外の企業での比較もお話されていらっしゃいました。

小池:はい。比較をしてみると、「クリエイティビティ/創造性」「デジタルリテラシー」が就職人気企業の場合、より重要視されているというのも面白いポイントです。

※調査抜粋:新卒採用で企業が重視するスキルについてー未来を創る人材採用

この調査結果を見て、人気企業とは単に身近でよく知られている企業なのではなく、生き残りをかけてイノベーションを起こしつづける企業であり、そのために創造性を発揮できる人材を求め、結果、企業としての創造性の強さと面白さが発揮され、人気企業となりうるという好循環ではないかと思いました。

一方で、どこの企業でも既存社員が創造性を十分に持って発揮しているかというと、それは必ずしもそうではない場合もあります。だからこそ新卒採用など若い人材に期待をかけているというのも大きいんです。若いうちに「創造的問題解決能力」を身に付けておくことは今後の未来を切り拓いていくために重要で、大学生のみなさんにも、学生時代のうちにいろいろなチャレンジをして欲しいと思っています。

 

ーこの「創造的問題解決」というのは、どのようにしたら身についていくのでしょう。

小池:なにより大切なのは、Creative Confidence(自分はクリエイティブであるという自信)です。特定のクリエイティブな人が存在するのではなく、誰もがクリエイティブになれます。

私は以前の会社で幼児向けの商品開発に携わっていたのですが、小さい頃は、誰もが全能感を持っています。「どんなことでもできる」というある意味根拠のない自信で、それを実際の身幅に合わせることが社会性の発達でもあります。ただ、日本の場合はピアプレッシャー(同調圧力)が強い文化なので、自分への信頼感というものが過剰に削られやすい側面があると思います。以前、アドビで実施した、クリエイティビティに関するグローバル調査では、諸外国からは日本が一番「クリエイティブな国」と認識されているのに、片や日本人のほうは「自分がクリエイティブである」という認識が各国比較で一番低いという結果もありました。

 

ーそれだけ「自分が創造的である」ということに対しての自信がない方が多いのですね。

小池:そうですね。ただ、それは積み上げることができるし、リカバリーもできます。Creative Confidenceを持つには試行錯誤と成功体験が重要です。課題を見つけ、解決のアイデアを考え、実装してみる。課題の大小は関係なく、試行錯誤と成功体験の積み上がりが自信の土台をつくります。

 

デジタルツール「試行錯誤」を加速させる文房具

 

小池:先ほど、人気企業の重要視している項目に「デジタルリテラシー」という項目がありましたが、試行錯誤を最大化させるための文房具としてデジタルツールは非常に有効です。使いこなせれば、試行錯誤のスピードが早くなり、回数が増え、アウトプットの質が高まりますよね。海外では小さな頃からデジタルデバイスを学校でも使っているのが当たり前になり、日本はこの点はとても遅れをとっており、国をあげて解決を図ろうとしている部分です。

 

ーツールの活用も、創造的問題解決能力を高めていく上で大切、ということですね。

小池:そうですね。よりインパクトフルな社会実装をしようと思えば思うほど、デジタルツールは必須になります。また、海外と日本の違いですと、言語スキルも大きいですね。日本の市場は人口が減って、シュリンクしていくことは明らかです。言語スキルはもちろん、可能性の大きなマーケットに焦点を当てて思考することは、未来を担っていく人材としては必要不可欠です。これは、外資系スタートアップでの勤務経験の中でグローバルな人たちと働いていて、差を感じた部分でもありますね。

デジタルツールや、言語といったような、「スキル」という武器を持てば持つほど、創造的問題解決能力を発揮しやすくなるので、是非若いうちから身に着けるためのチャレンジをして欲しいなと思います。

 

ー最後に、学生のみなさんにメッセージをいただけますでしょうか。

杉本:創造的問題解決能力を高めるためにも、大学時代には「思考する癖」をつけることが大切だと思います。身の回りの小さなことに対しても「こういうものだから仕方がない」と捉えるのではなく、「あれ、おかしいぞ」「もっとこうだったらいいのに」という自分なりの着眼点を持って物事を考え試行錯誤することは、よいエクササイズになります。その習慣の積み重ねが、結果的にインパクトのある変化を生み出す力に繋がると思いますし、自分のやりたい仕事を実現するための一歩になると思います。

小池:「創造性を発揮する」というのは美術館に並ぶ作品のようなアーティスティックな活動のみをさすものではありません。課題の解決のためのアイデアを出すこと、既存のアイデアを組み合わせて工夫してみることなども立派な創造性の発揮です。

アドビは「Creativity for All」といってすべての人々の「創る」を支援することをミッションとしています。特に、これからの未来を担う世代の「創造的問題解決能力」を育む支援には注力しており、例えば、小学生クリエイターを育てるプロジェクトを実施したり、小学生から大学生まで幅広い対象に向けたクリエイティブアイデアコンテストを実施したりしています。そういった場も上手に活用しながら、学生時代に身近な課題を見つけ、思考し、変革してみるという経験をたくさん積んで、日本や世界で活躍できる力を高めて欲しいなと思います。

 

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