【GAFAエンジニアが語る】世界の就活inシリコンバレー:Chester Hu

今回はアメリカの大学院を卒業後、シリコンバレーの大手メーカーを経て、現在Facebookアメリカ本社でエンジニアとして活躍しているHuさんにインタビューしました。シリコンバレーで生活し、世界のITプラットフォーマGAFAで活躍するHuさんに、学生時代の過ごし方や、現在の仕事のやりがい厳しさを伺いました。

 

高校生の時から、シリコンバレーで働きたかった

―――自己紹介お願いします。

中国出身のChester Huと申します。アメリカでの生活は10年目になります。中国で高校卒業後にアメリカの大学に入学し、Computer engineering専攻です。大学院卒業後にシリコンバレーにあるFord Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)にエンジニアとして新卒入社して、主にモバイルデバイスと自動運転システム関連サービスの開発の仕事をしてました。
1年働いた後にFacebookに転職し、主に顧客向けのソフトウェアシステムのアーキテクチャ構築やプラットフォームサービスの開発をしています。最近はFacebookの関連会社であるVRデバイスを作る会社のために、サービスプラットフォームの開発をしています。

 

―――高校まで中国で過ごされていたのですね。

はい。9歳からずっと全寮制の学校に通っていました。なので、毎日のスケジュールは決められたものをこなしていくような規律正しい生活を10年くらい送ってましたね。
朝7起床から夜10時まではずっと勉強で、自分の時間というのはほとんどなかったです。

小学生のうちから大学受験のための勉強をはじめるので、毎日忙しかったです。ただ、ずっと寮生活なので、周りの友達も多く、寮の仲間と一緒に勉強や生活をするのは楽しかったです。他の国で高校生活を送ったことがないので、比較対象はありませんが、中国の中学校高校は恐らく世界一勉強時間が長い国だと思います。

 

―――私もそういう高校生活を送っていました!アメリカ留学にいくきっかけは何ですか?

私が通っていた武漢外国語学校は武漢市一の進学校で、カリキュラムは外国語のトレーニングに特に重点を置き、フランス語、ドイツ語、日本語など、英語以外の言語も第一外国語として選択できます。こういった環境下でアメリカ、日本などの国の情報をよく耳にするので、他の学校より留学する傾向が強いですね。

また、父も留学経験があって、将来のために他の国で生活経験をしてほしいという期待もされました。高校一年生のときにアメリカで一ヶ月のサマーキャンプに参加したのですが、そのとき色んなアメリカの大学を見学に行って、自由に学校生活を謳歌できる環境に憧れました。これらを総合的に考慮して、高校一年生の最後に留学を決めました。

 

―――留学を決めたのは周囲の影響も大きかったんですね。大学でComputer engineering専攻を選んだ理由と大学生活について教えてください。

高校も理系でプログラミングに興味を持っていたのがきかっけです。現実的なところでいうと、アメリカでエンジニアとして就職のチャンスが多く、お給料も高いです。それにシリコンバレーの企業で働くのが憧れだったんです。

大学生活については、小さい頃から寮生活をしていたので、時差以外では、環境が変わっただけで、生活面ではいままでとあまり変わらなかったです。大学の授業はとても忙しく、内容も難しいので、プレッシャーがすごくありました。

また、自分の勉強計画、教授とのプロジェクト、インターンや就職、ビザ関連のものはすべて自分で決めなければならず毎日追われていました。ビザの関係で、留学生としてアルバイトは禁止されていて、唯一できるのは学校内のレストランや寮の管理員として働くことでした。色々制限も多いので、アルバイトはしていなかったです。

 

―――毎日を目まぐるしく過ごされていたのですね。Huさんは英語は得意だったんですか?

全然です(笑)。まあ、普通ですかね。TOEFLは104点、SATが2000点くらいしかなかったです。満点は2400点で、ハーバード大学、イェール大学に入るには2200点がラインです。経験則でいうと、2000点より50点ごとに大きな壁があるように感じます。
アメリカにきて2年くらいは大変でしたね。writingとreadingは問題ありませんでしたが、listeningとspeakingは苦労しました。このままではまずいと思って、アメリカ人が多い且つグループワークが多い授業を取って、積極的に自分からコミュニケーションするようにしたら、上達しました。やはり語学を勉強するには、その環境に飛び込むことが大事だと思います

 

プロダクトの企画からリリースまでを経験した、インターン

―――語学の環境は大事ですよね。大学時代のインターン経験について教えてください。

はい。大学二年生の夏休みにWolfram Researchという会社で初めてインターンしました。科学研究関連の検索エンジンや関連ソフトの開発をしている会社です。

学校のサイトでインターン募集の求人をみつけて連絡したのがきっかけで、半年間インターンとして働きました。仕事内容はiOSのアプリ開発と、アプリの中国語バージョンの開発です。英語のロジックを中国語で組み立てなおしたりなどの実務を行っていました。

 

―――インターンをする中で、どのような刺激がありましたか?

そうですね。初めて外国人と協働することで、たくさんアドバイスをいただきました。例えば、コミュニケーションを通した自己アピールの仕方。自分からプロジェクトの責任者の一員として名乗り、推進していく力を行動で表明できると、周りも応援してくれるし、周囲にも自分の能力を認めてもらえます。

また、初めてテック系企業で、商品サービス開発をどのように行っていくのか、仕事の流れを体感できたことは非常に有意義でした

 

―――ほかにもインターンされましたか?

はい。大学4年で大学院の研究室も決まったあと、Deere & Companyという世界最大の農業機械メーカーからモバイルデバイス開発関連の仕事のオファーをいただきました。ちょうど私もそういう開発関連の仕事に興味があったので、8ヶ月くらいインターンしました。

夏休みはフルタイムで週40時間、学校あるときは週10~20時間働いていました。

仕事内容はモバイルデバイス開発とビッグデータ解析です。前回のインターンと比べて、よりプロジェクトに深く関わることができ、企画から開発、実験、マーケティング、リリースまですべて携わりました。非常に良い経験でしたね。この経験は就活の時にも役に立っていました。

私が参加していたプロジェクトの進め方は、シリコンバレーの仕事方式と似ていて、非常にスピーディで、ひとりひとりの裁量権も大きいです。なので、学生時代でシリコンバレーでの働き方について疑似体験できたインターンでしたね。

少し話が逸れますが、シリコンバレーの会社が求めている人材は主に2点あります。一つはスキルです。面接はプログラミング言語のテストで、その場でいくつかの問題を解ければ、成功に近いです。二つはシリコンバレーの仕事の進め方と似たような仕事経験もしくはインターン経験がある人が、一番歓迎されるんです。理由はシンプルで、即戦力としてすぐプロジェクトに参加できるからです。

 

実力主義至上のシリコンバレーカンパニー

 

―――やはり経験は大事ですね!アメリカの新卒就活について教えてください。

留学生の留学ビザは卒業の日から3ヶ月で失効になります。そのあと3ヶ月から1年以内に就職できないと帰国しなければならないです。卒業後は、OPTというビザ(留学生がアメリカの大学を卒業後、アメリカに滞在して企業で研修を受けられる制度)になります。

アメリカで大学卒業後、仕事を見つける方法は主に3つあります。一つは求人サイトです。IndeedやLinkedInとかがメインです。また、学校の就職支援センターを活用するやり方もあります。最後は一番重要な学校で開催される企業説明会です。一学期に一回大規模のが行われていて、東海岸西海岸の企業も来ます。興味ある企業のブースで履歴書を出して、その日か次の日に簡単な面接が行われます。それが通ったら、本社に面接にいくという流れです。私は全部やりました。個人的おすすめなのはIndeedと学校の企業説明会です。

日本では大学の専攻と就職はあまり関係ないですよね?アメリカだと関係大有りなんですよ。留学生として、science、technology、math関連の専攻だと就職しやすい傾向がありまして、OPTも3年くらい取得できます。しかし、経営経済学、会計学とかだとOPTは1年しかもらえないんです。

正式の就労ビザH-1Bはくじ引きだから、OPT3年であれば、最大3回チャンスがあるということになります。なので、どの領域の専攻をしているかは、非常に重要なんです。

 

―――日本と違って就労ビザ取得するのは苦労しますね。新卒入社の仕事について教えてください。

Ford Motor Companyに新卒入社しました。入社理由は大きく2つあります。まず仕事内容に興味がありました。また、最新のソフトウェア開発研究部署がシリコンバレーにあること。将来シリコンバレーのほかの企業に転職したいと思っていたからです。なぜ最初からFacebookに行かなかったかというと、私の専攻はComputer engineeringで、Computer science専攻の人と比べると競争力が弱いです。なので、シリコンバレーでまず1年くらい仕事と生活をして、転職するのがベストだと判断しました。

FordではUberのようなサービスの開発の仕事をしていました。

 

―――転職を考えた上でファーストキャリアの選択をしたわけですね。転職について教えてください。

新卒の会社で1年働いて、Facebookに転職しました。アメリカの会社では、同じ会社でも部署ごとにエントリーして面接をうけることができます。優秀な人であれば同時にいくつかの部署に面接されますし、もし面接したところで満員になってしまった場合、別のポジションに推薦させることもあります。これは非常に良い仕組みだと思います。

今は主にVRデバイスのサービスプラットフォームの開発をしています。クライアントは世界的なIT企業や、VR領域の大企業などのビッグカンパニーです。VR領域のプラットフォームはまだまだ発展途上なので、将来を見据えていち早く市場を獲得していく、というところにやりがいを感じています。

私はプロジェクトリーダーでもあるので、関係各所との連携作業も担当しています。1人あたり2~3個プロジェクトを持つのが一般的ですね。私のキャリアですと、もうすぐマネージャーになるので、日本よりだいぶ早いと思います(笑)。

一方で、アメリカは実力主義社会なので、入社して2年以内にパフォーマンスが良くないと戦力外通告されることもあります。こういう危機感と緊張感を持つことは非常にいいことだと思いますし、刺激になります。

 

―――エンジニアとして、スキル以外に必要な能力は何ですか?

結論から言うと、シリコンバレーにある大企業でエンジニアとしての条件はスキルだけです。Facebookの場合は大きく2つのキャリアがありますが、一つはマネジメント、一つは専門技術です。どちらにいってもトップまで昇進できます。

昇進イコール管理職ではありません。マネジメントに行きたい人は給料や昇進のためではなく、本心で周りのサポートをしたいからこの道を選んでほしいというのが会社の方針です。

エンジニアとしてはスキルがあって、プロジェクトの詳細を相手に伝えられる程度のコミュニケーション能力があればオッケーです。エンジニア+マネージャーを目指しているのなら、より高いレベルのコミュニケーション能力が求められます。

 

―――グローバルに活躍できるエンジニアはどういう人だと思いますか?

まずは英語ですね。ほとんどのツールとコード言語は英語なので、最低限英語できないとだめです。もう一つ大事なのは学習能力です。プログラミングの技術変化が非常に速いので、ずっと優秀人材でいたいなら、常に勉強しなければなりません。

 

―――メーカーとIT、両方を経験していて、働き方の違いについて教えてください。

アメリカではMicrosoft、Twitter、Facebook、Googleをhigh tech companyと称しています。メーカーとハイテック企業の違いでいうと、仕事のスピード感ですね。

メーカーは内部システムの構造上、上下関係の制限が多く、一つのプロジェクトを進むには繁雑な社内手続きをしなければならないので、自分のせいではないところで止まってたりすると非常に疲れます。また、産業自体必ず守らなければならないのはsafetyなので、革新とある程度矛盾しているところもあり、新しいことをやりたくでもできない場合が多いですね。一方で、ハイテック企業にとっては、革新自体が産業の肝で、大胆にやればやるほど評価されます。

 

―――Huさんの今までのご経験を聞くと、あまり挫折してないように思いましたが、実際はどうですか?

そうですね。正直運が良いほうだと思います(笑)。転職のときに4社くらい受けて、最終面接で落ちた経験はあります。特に残念だったのがGoogle社ですね。

毎回面接終わったあとに必ずやるのは振り返りです。どの問題うまく解けなかったか、どの質問にうまく答えられなかったのが冷静に分析をしていました。

何度も何度も繰り返して、やっと少しずつ面接がうまくようになりました。要は量をこなし、毎回棚卸して、改善して、次回の面接までにアップグレードすることを大切にしていました。

 

―――最後に、学生にメッセージを一言お願いします。

グローバルで活躍したい人には、いま中国やシンガポールなどのチャンスも非常に多いので、関心を持ったほうがいいと思います。アメリカはビザ取得が難しいなどの要素で強くはお勧めしません。テック開発に興味を持っているのなら、直接シリコンバレー、東海岸、西海岸にきてほしいです。アメリカ中部よりチャンスが遥かに多いからです。

また、時代の流れを知ってほしいです。次の領域が開拓される前にその領域に興味を持ち、足を踏み入れると尚良し。例えばいまはVR、AI、チップ開発関連の仕事など。

テクノロジー関連の仕事に就きたいのならば学歴よりスキルが重要です。東大だろうか京大だろうかアメリカのハイテック企業にとってはあまり意味がなく、重要なのはインターンや研究での成果です。

シリコンバレーでは、

Forget about your college, the code will speak for itself.

という言葉があります(笑)。

例えばもし本当に開発などの成果があれば、ぜひGitHubや別のところで実績を残してください。シリコンバレーでテクノロジー関連の仕事を目指す人たちにとっては、学歴、サークル活動、バイトより意味があって、財産になります。

 

―この記事を書いた人―

周 恬(シュウ テン)

2010年中国で高校卒業後に来日。上智大学卒業後大手小売会社に新卒入社。社会人3年目にエン・ジャパンに転職。猫とうさぎの三人暮らし。趣味は漫画と映画。最近はピラティスに夢中。

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