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Interviewee’s Profile
設立:1961年2月 従業員数:614名(2024年7月)
日本国内で業界トップクラスのシェアを誇る、浄化槽業界のリーディングカンパニー。創業以来、有用微生物の持つ力を最大限に生かし、新しい技術や製品を生み出してきた。2008年には海外事業部を設立。現在、オーストラリア、アメリカ、ドイツに拠点を置き、グローバルでの事業展開を進めている。
谷野宮 健(たにのみや けん) 海外事業部 営業課
明治大学商学部を卒業後、2023年に新卒で入社。最初の2年間は東京支店 営業課で浄化槽営業を担当し、2025年3月から海外事業部 営業課にてオーストラリア子会社の営業支援を担当している。大学ではマーケティングについて学び、マーケティング研究会というサークルにも所属。4年時には5ヶ月間海外留学も経験した。
- ニッチトップであること、グローバルで事業を拡大していることが魅力だった
- 国内営業を2年間経験した後、3年目から希望だった海外事業部へ
- 「営業」としてだけではなく、幅広い知識やスキルを身につけられる
TOPICS
ニッチトップであること、グローバルで事業を拡大していることが魅力だった
―最初に、フジクリーン工業に入社を決めるまでの経緯について教えてください。就活をはじめたときには、どのような軸で企業選びをおこなっていましたか。
就職活動をはじめたのは、大学3年生の春頃。特にやりたいことも決まっていなかったので、最初はさまざまな業界、企業を見ていました。そうやって過ごすうちに就職活動が本格化するタイミングが近づいてきたのですが、改めて将来どうしたいかを考えたとき、ちょっと悩んでしまったんです。
コロナ禍もあって、自分の大学生活は思いきり活動できませんでした。その影響もあり、就活に臨むにあたって誇れる能力やスキルがない、将来こうしたいという明確なビジョンがないことに失望してしまって。自分なりにいろいろ考えた結果、1年間の休学をすることを決めました。自分の考えを白紙に戻し、休学期間中にいろいろチャレンジした後で、改めて就職活動に取り組もうと考えたんです。
休学期間中はまず、さまざまなアルバイトにチャレンジするところからスタートしました。海外留学に行くための貯金をしようと考えたからです。スポーツジムの受付や配達員、日雇い労働などさまざまな仕事を経験しましたが、短期的でも大きな目標を掲げると人間って頑張れるんだなと感じましたね。アルバイトと同時並行で再度就職活動も進めていたのですが、その際はニッチ分野でトップクラスの実績を誇っていること、将来的に海外事業に関われることを軸に就職活動をおこなっていました。
なお、就職活動は2022年の春頃に終わり、夏頃から2023年の年明けまではマルタへ海外留学に行きました。数ヶ月の短期留学でしたが、自分はどんな環境でも生きていけると感じたのが発見でした。言語や文化など価値観の違いはありましたが、どこでもやっていけると自己理解が深まりましたし、その気づきは社会人になってからも大きな自信となりました。
―その中で、フジクリーン工業に興味を持ったきっかけを教えてください。
フジクリーン工業のことは、たまたま受け取ったスカウトメールで初めて知りました。浄化槽業界で高いシェアを誇っているニッチトップメーカーであり、オーストラリア、アメリカ、ドイツとグローバルに事業も展開していて、今まで知らない会社だったけど自分の希望に当てはまると興味を持ちました。
さらに志望度が上がったのは、自分という個人をすごく見てくれているという印象を持ったから。選考プロセスでも積極的に個人面談を設けてくれるなど、自分に興味を持ち、しっかり見てくれていると感じました。ニッチトップの会社でグローバルに事業を展開と就職活動の軸にも合致していましたし、何より自分自身とちゃんと向き合ってくれる会社だと感じ、そのまま選考を受けることにしました。
―選考を経て、フジクリーン工業に入社を決めた理由を教えてください。
フジクリーン工業への入社を決めたのは、学生に対してフェアでオープンな会社だと感じたからです。例えば会社説明会などに参加した際、質疑応答で会社にいろいろ質問できる時間がありますが、学生からの質問に対する企業からの回答って当たり障りのないフォーマットのような内容が多いと感じていました。
しかしフジクリーン工業では、人事担当者から非常に具体的な回答が返ってきたんです。実際には会社の課題について質問したのですが、その際も「財務的には好調を維持しているものの、新たな投資先を選定する際に保守的になりすぎている」といった回答がありました。この内容を聞いて、人事担当者の会社理解も深いと感じましたし、学生に対して真摯に向き合ってくれる会社だと好印象を抱きました。
何よりの決め手になったのは、ニッチトップで会社として明確な強みも持っているし、グローバルでも事業を拡大している。安定した財務基盤を持ちつつも、海外での売上拡大に積極的に取り組んでいる。攻めと守りがちょうど良いバランスというか、ここなら自分も成長できそうだと迷わず入社を決めました。
国内営業を2年間経験した後、3年目から希望だった海外事業部へ
―2023年にご入社されてから、今までどのような業務に携わられましたか。
最初の2年間は、国内営業として大型浄化槽の提案を行っていました。浄化槽というのは建物の規模によって使い方が変わるのですが、一般家庭などの場合は量産品の小型浄化槽を販売し、工場やホテルなどの大型建築物の場合はお客様の要望に応じてオーダーメイドの浄化槽を受注生産しています。
例えばある場所にホテルが建設されることになった場合、ゼネコンや設備工事を担当するサブコン、建物を設計する設計事務所などとやりとりしながら、そのホテルに必要なスペックを満たす浄化槽を提案していくことになります。一方で社内においても、設計や購買、施工の部門と随時連携をしながら案件を進めていきます。担当する案件については、いかに利益を出せるかお金の管理をするのも営業の役割です。
そんな仕事ですので、営業として何かを売り込むというより、関係者全員と連絡や連携を取っていくプロジェクトマネージャーのような存在と言えるでしょうか。学生時代はなかなか浄化槽に注目することはないかもしれませんが、ホテルや工場などの大型物件に納入したときには大きな達成感を味わえます。
フジクリーン工業は、こうした浄化槽で業界トップクラスのシェアを誇っているメーカーです。それゆえにゼネコンやサブコンからの信頼度も高く、多くの引き合いをいただいていますし、仮設計の段階から当社浄化槽を設置することを見据えて動いているケースも多いです。その点は営業のしやすさにもつながっています。
国内営業を2年間経験した後、2025年4月からは海外事業部で働いています。当社は海外で3拠点を展開していますが、私が担当しているのはオーストラリア。日本にいながらオーストラリア拠点をサポートしていく存在として、学生時代に留学などで磨いた英語スキルを活かしながら日々奮闘しています。
海外事業は既に軌道に乗っていますが、製品の製造を現地企業に委託していることもあり、品質面などでまだ課題がある状態です。必要に応じて自分もオーストラリアへと足を運び、アフターサービスなどにも同行することによって、今後さらに品質を高めていくこともをミッションとしています。
「営業」としてだけではなく、幅広い知識やスキルを身につけられる
―入社してから今までの間に「ラクではないが力がついた」と思う経験を教えてください。
入社後2年間の国内営業の期間は、自分にとって力がついた経験となりました。浄化槽の営業といっても、商品をただ案内するだけではありません。外部の設計事務所や社内の設計部門ともやりとりするので図面を読めないといけませんし、浄化槽を設置するにあたっては土木工事の知識も必要になります。また、地域によって水質に関する条例が異なるため、自治体に条例を調べに行ったりすることもあります。
このようにフジクリーン工業の営業は、製品のことのみならず、土木工事や配管工事、建築設備など幅広い知識を身につけなければなりません。ここは確かにラクではないのですが、見方を変えれば、一般的なメーカー営業以上の知識やスキルを身につけられるところが魅力だと考えています。
こうした案件を単発で担当するのではなく、同時並行で多数の案件を担当することになります。また浄化槽を提案したら終わりではなく、工事が完了するまでしっかり責任を持つことも求められます。さらに加えて、一つひとつの案件でいかに利益を出していけるかも営業の腕の見せ所です。例えばプロジェクト期間が長くなると費用がかさんで利益が出にくくなりますので、スピーディーに仕事を進めていかねばなりません。
日々忙しさを感じますが、情報収集力や周りを巻き込んで仕事を進めていく力、担当する案件で利益を生み出していく力など、様々な思考方法やスキルが身についたと感じています。
―得られた経験をもとに、谷野宮さんは今後どのようなキャリアを歩んでいきたいですか。
海外事業部に異動してきて、日常的に英語を使用するようになったことで仕事風景が変わりました。日々ワクワクしていますが、異動してきたばかりですので、まずは周囲から頼りにされる人物になりたいと考えています。「この領域のことなら谷野宮さんに聞けば大丈夫」そう思ってもらえるようになりたいです。
海外事業部でオーストラリアを担当しているのは上司と私の二人、あとは開発部や品質保証部など別部門の海外担当のメンバーと仕事を進めています。オーストラリアについては、製品の品質向上など大きな課題が目の前にある状態ですが、やるべきことも明確などですごくワクワクしている状態です。国内営業で培ってきた経験を海外でも活かし、さらなる事業成長に貢献していきたいと思っています。
フジクリーン工業は国内で確固たる実績を築いてきて、浄化槽の生産供給体制もしっかり整っています。体系化されてきたノウハウは海外でも展開できると思いますし、それをやるのが国内営業部から海外事業部へ異動してきた自分の役割だと思うので、ぜひとも推進していきたいです。
そしてゆくゆくは、新しい領域に挑戦したり、新しいビジネスを始めたりできるようになりたいです。フジクリーン工業は国内で安定した基盤があるうえに海外事業に挑戦していてと、攻めと守りの両方を備えている会社だと思います。「安定企業で働きたい」という方にも、「新しいことをやりたい」という方にも向いている会社だと思いますので、会社のことを知らなかった方にもぜひチャレンジしてほしいですね。
・入社3年目で海外事業を担当する「若手抜擢環境」
・幅広い知識とスキルを身につけることができる「20代の成長環境」
・国内トップシェアを基盤に海外事業を拡大する「会社の成長性・将来性」