
企業完全審査制の新卒スカウトサービス「iroots」が、就活生におすすめしたい企業と若手活躍社員にフォーカスするインタビュー企画。今回は厚板専業メーカーとして、鉄鋼事業やエンジニアリング事業などを展開する中部鋼鈑株式会社で、設備部に所属する中川さんにお話を伺いました。学生時代から現在に至るまで、中川さんの成長とキャリアに迫ります。
Interviewee’s Profile
業界:メーカー 従業員数:400名(2025年3月時点)
1950年に東海地区内で鋼板メーカーの先駆けとして創業。一貫して厚板生産に携わり、国内のインフラ構築や産業社会におけるモノづくりを支える。2022年には東証プライムに上場。2025年には創業75年を迎える。鉄スクラップをリサイクルし、循環型社会の実現に一翼を担うことで、“信頼される100年企業”を目指している。
中川 貴登 設備部 設備課
岐阜県出身。学生時代は、富山大学都市デザイン学部材料デザイン工学科にて、アルミニウム合金や樹脂を用いた研究に励む。2022年に中部鋼鈑株式会社へ入社し、設備部にて製鋼工場の機械設備のメンテナンスや更新業務を手がける。
- 入社2年目で任された“新たな設備の導入”。経験のない仕事への挑戦が成長のきっかけに
- 学生時代に知った“お金をもらう大変さ”。仕事に懸命になれる環境を大切にした就活時代
- 安心して仕事に臨める環境と、頼りになる先輩たちが魅力
TOPICS
入社2年目で任された“新たな設備の導入”。経験のない仕事への挑戦が成長のきっかけに
Q1.入社後から現在に至るまでのお仕事内容について教えてください。
2022年に入社して以来、ずっと設備部の設備課にいます。主に手がけているのは、製鋼工場の機械設備のメンテナンスや更新など。入社後しばらくは、工場内の設備・機械・の名前と役割を覚える日々でした。工場内で使用されている専門用語も膨大で、毎朝の朝礼で話される内容は呪文の様でした。その後、少しずつ言葉の意味が理解できる様になり、今では分からない言葉はほとんどなくなりました。最近では任される仕事も増えてきて、徐々に1人で設備保全の工事が出来るようになりました。
学生時代はアルミニウムや樹脂といった材料に関する研究を行なっていたので、機械設備とは特に縁はありませんでした。機械の名前も全く知らない状態だったので、入社当初は「自分でもできるかな」と不安も小さくはなかったです。でも、その心配はすぐになくなりました。機械の名前や、何のために使う機械なのか、どういう仕組みで動いているのか、先輩社員が丁寧に教えてくれて。1回で覚えられなくても、毎回優しく伝えてくれました。今もまだ勉強中ですが、先輩が教えてくれたからこそ基礎は早く身につけられたと思います。
Q2.現在のお仕事内容と、大変ながらもやりがいを感じる場面を教えてください。
扱う設備の種類は様々で、主に溶解・精錬・鋳造の3つの工程に関わる設備を担当しています。私が勤務している工場では主に製鋼を行なっていて、当社が手がける事業の中心を担うと言っても過言ではありません。そこに関わる機械が滞りなく動き続けるために、欠かせない仕事を任されているので、日々の仕事で感じる責任ややりがいも大きいですね。
大変だと感じたのは、工場内のポンプの更新を担当した時です。当時、工場内の排水ポンプにトラブルが発生して、原因を調査することになりました。結果的に、修理ではなく更新が必要になったのですが、そのプロジェクトを私が担当することになって。それまで設備の更新を主導したことがなかったので、不安がなかったわけではありません。でも「やるしかない!」と強い気持ちを持ったのを、よく覚えています。
トラブルの原因を取り除くための手段を考え、更新に必要な予算の計算、新たなポンプの大きさや台数、運転方法なども私が主導しました。ポンプがどれだけの水を汲み上げられるか、どこに設置するのがベストかなど、関係者とたくさん話し合い、半年ほどの期間をかけて工事は無事に終了しました。そのときの達成感は、今でも忘れません。
ポンプを新しくしたことで、年間300万円ほどのコストを削減できました。電力消費量も抑えられましたし、省エネの観点でも会社に貢献できたと思います。この経験を通じて大きなやりがいを感じましたし、入社2年目で工事の流れを一通り経験できたことで、手がけられる仕事の幅が大きく広がりました。大変でしたが、自分の仕事に自信を持てるきっかけだったと思います。
学生時代に知った“お金をもらう大変さ”。仕事に懸命になれる環境を大切にした就活時代
Q3.学生時代を振り返って、今の自分に影響を与えた経験を教えてください。
アルバイト先の店長から教わったことは、今の私に強く影響していますね。私が勤めていたのは、個人経営の小料理屋でした。店長は、今の時代には珍しく、職人気質で厳しい人だったと思います。ミスをしたり、仕事に向き合う姿勢が良くなかったりすると、しっかり真正面から叱ってくれる人でした。アルバイトをするまで、サービスを受ける側でしかなかった私は、“仕事をする”ということを甘く考えていた時期もあって。そんな私に「お金をもらう以上は、相手に価値を提供する責任があるんだ」と、厳しいながらも真摯に伝えてくれたのが、店長でした。
そんな考え方を、社会人として働き始めてからも、ずっと忘れないようにしています。だからこそ、初めて設備の更新を主導したときも、「やるしかない」と強い思いを持って臨めたのかもしれません。お金を払う側から、お金をもらって価値を提供する側になるために、どんな意識を持つべきなのか。それを学生時代に知ることができたからこそ、1年目から仕事に一生懸命に向き合えたと思います。
Q4.就活時代の軸を教えてください。
軸にしていたのは【大学で学んだことを活かせる業界】と【地元である岐阜県もしくは名古屋で働くこと】の2つです。大学では材料工学を専攻していたので、材料系の会社は当然見ていました。ただ、業界研究や企業研究を進めていく中で、もう少し視野を広げてみようと思いも持ち始めて。大学で共同研究を行なっていた工作機械メーカーを見たり、大学のときに扱っていたアルミニウムだけじゃなくて、鉄を扱う会社も見てみたりしました。
また、大学は富山なのですが、しばらく地元を離れていたこともあり「これから長い仕事人生だからこそ、地元に腰を据えて働きたい」という思いもありました。仕事に打ち込みたかったからこそ、馴染みのある場所で働きたいと考えていたんだと思います。
Q5.中部鋼鈑株式会社に出会ったきっかけと、入社の決め手になったことを教えてください。
当社を知ったのは、就職情報サイトでした。それまでは社名も知らなくて、採用情報やHPなどを通じて会社のことを調べていましたね。その頃、ちょうど希望業界の幅も広げていたところで。大学時代に学んでいたアルミニウムにももちろん魅力はあるのですが、鉄の強度やコスト面などに魅力を感じていて、鋼板メーカーである当社にも興味を持った頃でした。
決め手になったのは、腰を据えて仕事に打ち込める環境が整っていたこと。技術職は名古屋の製造所で働くことが決まっていたので、就活の軸でもあった「地元である岐阜県もしくは名古屋で働くこと」が叶えられますし、転勤がないのも大きな理由の1つでした。社員寮も9000円で入れますし、食事は1食400円と、支出が抑えられるのも魅力に感じたポイントです。
安心して生活を送れる環境があるからこそ、仕事に一生懸命になれる。そんな風に思えたからこそ、当社への入社を決めました。
安心して仕事に臨める環境と、頼りになる先輩たちが魅力
Q6.中部鋼鈑株式会社の好きなところを教えてください。
一緒に働く人たちの温かさが、好きなところの1つですね。大学で学んでいたことと、実際に手がける仕事が全く違っていたのですが、早めに基礎を身に着けることができたのは先輩のおかげです。初めての設備更新となったポンプの導入プロジェクトでも、先輩が付きっきりでアドバイスやサポートをしてくれました。少しの不安もなく、プロジェクトの進め方を学べたのも、先輩がいたからこそだと思っています。
また、いい意味で学校みたいな雰囲気も好きです。厳しい上下関係があるわけではないですし、休憩中もフランクな話で盛り上がることも珍しくありません。雨が降っている日は「仕方ないなぁ、乗せていってあげるよ(笑)」なんて言いながら、寮まで車で送ってくれるんです。仕事中だけじゃなくって、プライベートのことまで気にかけてくれるので、すごく頼りにさせてもらっています。
先輩たちの役に立ちたいという思いが、大きな仕事のモチベーションになっています。僕もそんな風に思ってもらえるように後輩に寄り添いますし、困ったことがあったら気軽に頼ってほしいですね。
Q7.中部鋼鈑株式会社について、就活生に自信を持ってすすめられるところを教えてください。
先輩たちの面倒見の良さは当然ですが、安心して働ける環境が整っていることは自信を持って伝えられます。1950年の創業から国内のインフラ構築を支えてきた会社なので、安定感は抜群。時代に合わせて、製造方法もカーボンニュートラルに対応していますし、利益が出やすい状況が続いています。だからこそ賞与は6.9ケ月分ほどありますし、生活の不安は感じたことがありません。
私はもともと技術職を希望していたので、知識や技術を磨ける環境があることに魅力を感じていました。中部鋼鈑は安定した会社だと思いますが、常に事業は成長していますし、社員のチャレンジを応援してくれる会社でもあります。安心感がありながらも、成長を目指したい。そんな人にピッタリの会社です。
Q8.最後に、就活生へのエール・メッセージをお願いします。
私自身、大学での学びが今の仕事に直結しているわけではありませんが、知識を得ようとしたり、わからないことを究明しようとしたりする姿勢は今も活きています。そんな経験があるからこそ、「大学で学んだことを活かせる仕事じゃないとダメ」と、無理に視野を狭めなくていいと思うんです。むしろ、どんどん視野や興味がある分野を広げて、挑戦したいと思える仕事を増やしてほしいですね。そうすれば活躍できる場所や機会も増えていくと思います。
また、今のうちに学問以外のことにもチャレンジしてほしいです。例えばアルバイト先で「お金を稼ぐとはどういうことか」を知るのもいいですし、いろんな人と関わることで挨拶や感謝の重要性を知るのもいいと思います。どんな仕事においてもコミュニケーション能力は輝きますから、磨いておくと必ず活きる場面がくるはずです。
何より、学ぶ楽しさをたくさん感じてください。社会人になっても学ぶことは尽きません。知識を増やし、自分の能力を伸ばしていく楽しさを知れば、どんな仕事も前向きに取り組めると思います。