
企業完全審査制の新卒スカウトサービス「iroots」が、就活生におすすめしたい企業と若手活躍社員にフォーカスするインタビュー企画。今回は株式会社JTBで、仕入商品事業部と法人営業部門を経て、データインテリジェンスチームへキャリアチェンジした中島さんの成長とキャリアに迫ります。
Interviewee’s Profile
業界:旅行・観光 従業員数:19,376名(2025年3月末現在)
旅行業界のリーディングカンパニーとして、国内外の旅行や訪日観光、地域づくり、イベント運営など幅広い事業を展開。JTBグループでは、世界36ヶ国81都市152拠点のネットワークを生かし、価値創造の源泉である「つなぐ・つくる・つなげる」の思想に基づいた交流創造事業を事業ドメインとし、ツーリズム事業、エリアソリューション事業、ビジネスソリューション事業を展開している。
中島 彩良 データインテリジェンスチーム
東京都出身。東京外国語大学言語文化学部卒。大学では弓道部に所属し、文化祭実行委員も務める。2020年にJTBへ新卒入社し、仕入商品事業部、法人営業部門を経て、2024年にデータインテリジェンスチームへ異動。現在は業務効率化ツールの開発などに取り組む。
- 法人営業からデータインテリジェンスチームへ。経験ゼロからの挑戦を後押しした上司のひと言
- 学生時代の経験が紡いだ3つの軸。誰かのきっかけをつくる仕事への共感が決め手に
- データの活用で旅にさらなる感動を。先輩の背中を追う6年目の挑戦
TOPICS
法人営業からデータインテリジェンスチームへ。経験ゼロからの挑戦を後押しした上司のひと言
Q1.入社後から現在に至るまでのお仕事内容について教えてください。
2020年の入社後は、当時の海外仕入商品事業部に配属となりました。主に手がけていたのは、ミクロネシア方面における海外ツアー内の航空券の手配や在庫調整です。当時はコロナ感染拡大の影響が大きい時期で、日本国内全体で海外旅行が停止し、手配業務もなくなってしまいました。入社1年目の出来事だったので、現状への焦りや将来への不安が大きかったのをよく覚えています。ですがその間に周りと情報交換をしながら資格試験の勉強等に励んだことは、現在にもつながっている経験だと思います。
入社2年目から4年目まではビジネスソリューション事業本部に所属し、法人営業として企業の団体旅行や業務渡航のアレンジ、イベントの企画・運営を行なっていました。社内総会で使う会場や宿泊施設などの手配や世界各国への業務渡航の手配・サポートを行ったり、企業視察の受け入れ交渉から調整までを行なったりと、業務の幅は広かったです。複数の案件を同時に進行することも多かったので、はじめはスムーズに仕事を進めるのに苦戦しましたが、先輩たちが手厚くサポートしてくれたおかげで、経験を重ねるにつれてマルチタスクにも対応できる力を身につけることができました。
5年目には、社内公募制度を活用してデータインテリジェンスチームへ異動しました。もともとはデータやデジタル技術に関する知識はほとんどなかったのですが、興味と意欲は強くあったので上司に異動について相談してみたんです。すると「前向きな思いがあるなら、全力で挑戦してみたらいいと思うよ」と背中を押してくれて。その一言がきっかけで、大きな一歩を踏み出せました。今でも当時の上司には感謝しています。
Q2.現在のお仕事内容と、大変ながらもやりがいを感じる場面を教えてください。
私たちのミッションは「データに基づいた経営の実現」です。JTBと聞くと旅行のイメージが強く、データインテリジェンスの仕事はあまり知られていないのですが、主には社内外にある膨大なデータとAI等の技術活用を掛け合わせることでJTB全体の業務効率化や更なる価値創出に取り組んでいます。他にも、データ・AI活用文化の醸成やDX人材の採用育成も行っています。
その中でも、私は生成AIをはじめとしたAIを活用したプロダクトやソリューションの開発に取り組んでいます。例えば、これまで手作業で行なっていたデータ集計・分析を自動化するツールや、お客様対応をサポートし満足度向上に繋がるようなソリューションの開発に挑戦しています。
文系出身で、入社後もプログラミングやデータ分析の経験がほとんどなかった私にとって、データインテリジェンスの仕事は日々チャレンジの連続です。特に、専門用語や技術的な知識が追いつかず、何度も壁にぶつかり心が折れそうになった瞬間もあります。今も私自身の課題を感じる場面は多いのですが、上司の支えや生成AIの活用によって少しずつできることが増えてきました。今まで自分の中になかった知識や技術を生かして、社内外の課題を解決できるプロダクトやツールを開発できることは、とても大きなやりがいになっています。また、手配や営業部門の時にお世話になった方々の力になれるようなプロダクトを作ることが、今の大きな目標の一つです。
学生時代の経験が紡いだ3つの軸。誰かのきっかけをつくる仕事への共感が決め手に
Q3.学生時代を振り返って、今の自分に影響を与えた経験を教えてください。
小学生4年生のころ、親の仕事の都合で香港のインターナショナルスクールに留学することになったのですが、英語が全く話せない状態からのスタートでした。周りの人とコミュニケーションが取れなくて辛い日々が続きましたが、少しずつ英語が話せるようになると世界が広がったような気がして嬉しかったのをよく覚えています。新しい環境に飛び込む勇気や、できることを広げるために努力する力は当時の経験が基になっていると思います。
1つの物事に没頭する時もあるのですが、どちらかと言うと自分の世界を広げることが好きなタイプなので、大学では弓道部と文化祭の実行委員を掛け持ちし、アルバイトもしていました。日によってやることが違うのは楽しいもので、日を重ねるごとに経験が積み重なる感覚も心地よかったです。経験のないことにも積極的に挑戦する姿勢は、今の仕事にも通じるところがありますね。
Q4.就活時代の軸を教えてください。
軸は「人と人、人と地域をつなげられる仕事ができる」「日本と海外の双方に価値を届けられる仕事ができる」「様々な業務を経験して成長できる環境がある」という3つでした。自分の人生を振り返ったときに、海外での暮らしや大学での学びが生かせる仕事がしたいと思ったんです。また、長い仕事人生の中で様々な経験を通じて成長し続けたいと思い、3つの軸が形成されました。
主に見ていたのは、旅行・観光業界と航空などのインフラ業界です。文系出身で当時からデータやAIなどと関わりはなかったのに、様々なキャリアを経て今はデータインテリジェンスチームにいると思うと不思議です。3つの部署や業務を経験したからこそ身についた知識や経験がたくさんあるので、「様々な業務を通じて成長できる環境がある」という軸を持っていて良かったなと強く感じています。
Q5.株式会社JTBに出会ったきっかけと、入社の決め手になったことを教えてください。
もともとJTBという社名は知っていて、興味のある企業の1つでした。当社以外にも旅行・観光業界とインフラ業界の企業を見ていましたが、私の就活の軸と最も一致していたのがJTBでした。
よく覚えているのが、就活イベントで当社の話を聞いたときのことです。登壇している社員の方が「自分たちの仕事を通して、たくさんの人の“きっかけ”を創りたい」と話しているのを聞いて強く共感し、「JTBなら自分の理想とする仕事ができるかもしれない」と思いました。また、旅にとどまらず、交流や地域創生にも力を入れている点にも魅力を感じていました。窓口を持たずWebで海外旅行ツアーなどを申し込めるオンライントラベルエージェントが台頭する中で、旅を中心に「交流」に重きを置き様々な事業を手がけるJTBなら飛び込んでみたいと思ったんです。
選考を通じて出会った方々も魅力的で、みんな「誰かのためになる仕事がしたい」という熱意を持って仕事に臨んでいるのが印象的でした。私もこんな風に仕事に一生懸命になりたいと思い、入社を決めました。
データの活用で旅にさらなる感動を。先輩の背中を追う6年目の挑戦
Q6.株式会社JTBの好きなところを教えてください。
入社する前から感じていた“一緒に働く人の温かさ”は、入社後もいい意味で全くギャップがありませんでした。どの部署の人も、困っている人がいたら必ずサポートしてくれます。データインテリジェンスチームでも相談すると具体的なアドバイスをくださる方が沢山いますし、「今一緒にやってみよう」と、寄り添っていただけます。知識も経験もゼロからのスタートだと、基本的な質問をしてもいいのだろうかなど不安になる瞬間もあるのですが、常に優しく接してくれる人たちばかりなので安心して仕事に取り組めます。
しかも、上司も先輩も本当に勉強熱心です。みなさん“どうやったら社会に価値を出せるか”を常に考えています。私よりも何倍も知識や経験がある人たちが成長し続けているからこそ、いっそう「負けていられない」「追いついて恩返ししたい」と思っています。常に親身に寄り添ってくれるだけでなく、目標となる上司や先輩がたくさんいる。それが当社の好きなところです。
また、幅広い業務領域の中で様々なキャリアを自分で描けるのも特徴的だと思います。私も活用した社内公募制度は、入社4年目以上であればJTBやグループ会社の部署・職種への異動を立候補できるものです。2024年度は約150ものポジションが公募されて、キャリアチェンジだけじゃなくキャリアアップも目指せるようになっています。社員の意欲や挑戦を応援する制度があり、1社にいながら分野の異なる仕事に挑戦できるのは嬉しいですね。
Q7.株式会社JTBについて、就活生に自信を持ってすすめられるところを教えてください。
歴史ある企業でありながら、従来のやり方にとらわれない積極性や柔軟性があるところです。当社は旅行業界でトップクラスのシェアを持ちながらも、旅行事業だけに固執せず様々な挑戦を試みています。例えば地域創生や交流事業を中心に、最近ではデータやAIを活用した取り組みも増えていて、今まで以上の成長を目指している段階です。コロナ禍という大きな困難を乗り越えてきた力と、これから先の時代も生き抜く力があるからこその安心感は、自信を持ってすすめられます。
また、JTBでデータインテリジェンスの仕事をするからこそのやりがいも、ぜひ知ってほしいです。私たちがお客様に提供する旅というものには形がなく、サービス自体の価値はお客様の体験によって大きく変わります。言い換えれば、旅に出てみないとその価値は決められませんし、人によって感じ方は異なると思います。ですが、データやデジタルの力を駆使することで旅の感動を確かなものにできると、私たちは信じて仕事に向き合っています。そんな日々を通して、今までになかった旅や交流の価値をつくっていく楽しさを味わってほしいです。
仕事の成果を実感しやすいのもすすめられるところの1つです。開発したプロダクトやツールは社内の人たちの業務効率化につながるため、人に価値や感動を届ける土台として貢献できていることがモチベーションにもつながります。人の役に立てる仕事がしたい方におすすめしたいです。
Q8.最後に、就活生へのエール・メッセージをお願いします。
就職活動は、自分自身と向き合う貴重な機会だと思います。私自身、就活を通じて、自分がどんな時に喜びを感じるのか、どんな価値観を大切にしているのかを深く考えることができました。もちろん、悩んだり焦ったりすることもあると思いますが、そんな時こそ、自分の軸としっかり向き合うことが大切です。また、興味のある業界だけでなく、幅広い業界を見てみることもおすすめです。学生という立場だからこそ、いろいろな企業の方からフラットに話を聞けるチャンスがあると思います。
最後に、就活はゴールではなく、スタート地点です。これからのキャリアを通じて、たくさんの経験を積みながら成長していけるので、肩の力を抜いて、自分らしく挑戦してください。応援しています。