実は、先週まで癌でした…(笑)
――以下、山口もも子氏
よろしくお願いします~。
実はなんですけど、1週間前まで入院してて。去年の12月に舌癌という癌になって、リンパに転移してしまって。手術したばっかりで首が動かないのと、笑うと口の片側だけあがっちゃって顔が「企んでる」みたいになっちゃうんですけど(笑)
いたって元気なので、あんまり気にせずに、進められればなと思ってます。
まずざっくり私を紹介しますと…今日は自分らしくチャラめのパワポを用意しました(笑)
中央大学を卒業した後に、ネットで結婚式場を探せる口コミサイトを運営しているウエディングパークに入社して、営業として東京、茨城、千葉、東北全部を担当してました。
1年目の時に昨年度の売上を大幅アップさせて…ふふふ(会場笑)新人賞を受賞しました。
それから、2015年4月に個人事業主として働きはじめて、現在は株式会社ブループリント(電通とドコモのジョイント・ベンチャーのゲーム事業がスピンアウトした会社)で広報やりながら、副業でirootsのPRのお手伝いとか、COMPLExxxというスマホ特化型タレント輩出の事務所でタレントやっています。
実はもっといろいろ副業やっていて…(笑)これがざっと私の経歴です。
今日は、何故、副業し始めたのかとかや、今の働き方のどこが魅力なのか?をテーマにお話していきたいと思います。
キーワードは「プリンセス」「ドリーマー」「パリピ」
今日はirootsということで、自分のルーツがこちら
(会場笑)やばい、超チャラいかもしれない(笑)プリンセス時代と、ドリーマー時代とパリピ時代の3部構成ですね。
1個ずつ噛み砕いて説明していきます(笑)
幼少期は、とにかく自分のことしか考えていませんでした。実家が酒屋さんをやっていて、それはそれはプリンセス扱いをされてたので、勘違いしていたんですね。
当時は、習い事も8つ同時並行していて、特にダンスに力をいれてました。ダンスだけでも7ジャンルもやっていたんですけど(笑)。
今考えると一生懸命やっていたからかもしれないんですが、色んなことがトントン拍子に進んでいて。モダンダンスでは日本一になって、小6のときにはサルサダンスでキューバとの親善大使になって…(会場どよめき)。
それでまたちやほやされて、鼻が凄い高かった時代でした。
ただ、プリンセス時代も終わりを迎える訳でして…(笑)
きっかけは中学校3年生の水泳合宿でした。私がいっている中学校では、全校生徒で千葉まで行って7日間遠泳合宿をするという行事があったんですよね。中1~中2は実技中心で、中3は下級生の指導員的な役割を担うという行事だったんですけど、今までプリンセス時代には、人から教えられて、それをパフォーマンスするということをずっとやってきたので、人に何かを教える立場になったことがはじめてで。
その時に、私がたまたま担当したのが水泳が大の苦手な方だったんですね。同学年だったんですけど、中1中2の時は遠泳(3km)を泳ぎきることができなくて、ずっと居残りをさせられてて。なので、いろいろ工夫しながら、なんとか一緒に頑張って教えていたら、最後のテストで3キロ泳ぎきったんですよ。
その時に、「教えてくれてありがとう。また一緒に泳ぎたい」言ってもらえて。それが、もの凄く嬉しかったんです。家に帰ってから、なんでそんなに自分も頑張れたのかな-と、振り返ってみると、「泳ぎきった後の、その子の笑顔がみたいな」というのがモチベーションになっていたことに気づいて。
「誰かを笑顔にするためなら、自分は頑張れるのでは?」そんな風に想い始めたのが、ドリーマ時代の幕開けでした。
その合宿は卒業生が運営をしている行事だったので、高校生~大学2年生までは運営側として関わっていました。
実は、コーチへ給与の支払とか、生徒のグループ分けとか、全部卒業生の運営側がやっていて結構大変なんです。60年以上伝統のある行事で、運営には高校生~上は80代の方までかかわっているんですけど、色んな年代の方からアドバイスをいただき、時には傷つきながら(笑)、頑張って運営していました。
このときなりたかった職業がCA。人を笑顔にする=サービス業=サービス業のトップレベル=CAと当時は思ってたんですよね、まさにドリーマー時代(笑)
だから、英語を話せるようにならないと!と思ってアメリカにも留学にいきました。そして帰国後、就活に突入していきます。
会社説明会は全部アポなし。30社中30社で選考通過
就活が始まって、航空会社のインターンを受けてみよう。と思ってエントリーをし始めるんですけど。インターンシップの内容が、実務経験を積めるような内容ではなくてちょっと期待はずれだったんですね。
だから、「誰かの笑顔をみるためなら頑張れる」という自分のモチベーションが体現できるところはどこだろう?と考えて、ウエディング系を探し始めました。そこで出会ったのが、サイバーエージェントグループのウエディングパークだったんです。
インターンに取り組む中で、人事の方に「お客さんに直接会って、サービスをして笑顔になってもらうというやり方もあるかもしれないけど、インターネットを通じて笑顔にできる人を無限に広げることができるかもしれないよ」というお話をいただいて。
それがとても腑に落ちて。自分の「誰かを笑顔にしたい」というコンセプトを体現できるのが、この会社かなと思って入社を決めました。
ただ、納得して就活を終えたいという気持ちもあったので、内定を貰った後にもOGOB訪問を100人以上しましたし、30社ほど選考受けて、30社全部選考通過しました(笑)途中で辞退しちゃったんですけど。
説明会って、定員数があるから抽選になっちゃったりするじゃないですか。だから行きたい会社の説明会は全部アポなしで参加して(笑)説明会に行ったら、人事の方を捕まえて色々質問して。
面接中でも「自分が社会に出て何ができるかわからないけど、人を笑顔にするためだったら、自分の身体や心を動かすことが出来る。それを実現するためだった頑張れる自信がある」ということは揺るがずに伝えていました。「私は●●が強みです!」っていう取り繕った面接をしても大人は見抜くので。分からないことは正直に分からないっていってましたね。
ウエディングパークでは2年間営業として頑張ったんですけど、会社に入って自分に与えられた仕事をするっていうのがだんだん違和感を感じて来てしまって。「こういう風にしたい」と思ったことも、会社の色や文化にそぐわないと、会社にとっては迷惑なことになっちゃうんですよね。
「自分らしく働けているのかな?」という違和感を感じはじめてからは、とにかく色んな人と飲みに行って「個人事業主になりたい!」というのを言いふらして、相談してました。
それがパリピっていわれる所以なんですけど(笑)多分週7くらいで飲んでたんじゃないかな。色んな人に話しを聞いていく中で、お仕事の声をかけてくらる人も増えて、これなら個人事業主でもやっていけるな、と思って独立しました。
独立して感じた自分の「未熟さ」
独立して始めたのは、企業のPRのサポートとメディア運営。企業って、ミッションやビジョンがあるじゃないですか。
それを本気で考えてビジネスに落とし込んだ結果が、サービスや商品になっていると思うんですけど、消費者に「届ける」部分(=PR)がちゃんと出来ていないと、本当に良いサービスでも、誰かに笑顔を届けることができなかったりするんですよね。
だから、そこのサポートをやりたいな、と思って始めたんです。
ただ、ここで事件が起きまして(笑)女性の方は気をつけたほうがよいと思うんですが、女性で個人事業主だと舐められることがあるんですよね。
私のキャラクターにも関係してる部分もあると思うんですけど、当時、お仕事でお手伝いしていた方が、ストーカーみたくなってしまって…1日400件くらい電話がかかってきたり(苦笑)
ちょっと危険を感じて、お仕事断ろうと試みた結果が、辞めさせたくなかったらしくプロポーズまでされてしまって(会場驚愕)最終的には、弁護士さんとかに協力してもらって解決しました。
この経験で「自分は未熟だ」って痛感しました。リスクヘッジとかきちんと出来てないし、もう一度会社に入ろうと思いました。会社に入れば、自分の失敗だけでなく、他の人の失敗も自分の財産にできるから。
でも、入社を決めるまでに「自分らしく働けるかな」…って悩んで。またパリピになるわけです(笑)
実は、今いろんな人から「プロパリピ」と呼ばれていて。(会場笑)パリピってチャラいイメージじゃないですか。最近になって「パリピ」の本当の意味を知りました。自分は1人で悩んでいるよりも色んな人に会って相談するほうが性にあっていて。この時期も週7で呑みにいってて、最大1日8件くらいハシゴしてました。いわるゆる港区女子みたいな感じですね(笑)
ウェイウェイしているのは「プロパリピ」ではない
ウェイウェイしているのはウェイ族でパリピではないんですよね。パリピはその場に来ている人たちを楽しませることのできる人。
で、そのさらに上にいくプロパリピは1つ1つのご縁を凄く大切にするんです。確かにはたからみたら、チャラチャラ遊んでるようにみえるんですけど、誰かと知り合ったら、そのご縁をつないでいこう、という配慮があるんですよね。実は結構スキルがいることで(笑)
例えば、とある社長さんが、「今度こんなサービスやるんだよね、●●に困ってて」と言っていたら、「私それ解決出来る人知ってます!」ってその場で縁をつなぐんです。自分という人がいることで、誰かと誰かがつながって新しいものが生み出されるというのは素敵じゃないですか。
そんな時、ご縁があって、ブループリントという会社に出会います。そして社長と相談して、副業のOKを頂きました。その際に自分で決めたルールは「副業をしても、自社の仕事に結びつけること」です。
これはプロパリピの法則と一緒で、「いろんなことをやるからこそ、広がって、繋がって100%以上の力が出し切れる」と思っています。
今はirootsの広報のお手伝いの他にも、プロパリピの中で知り合った女性が立ち上げた、COMPLExxxという会社でスマホ特化型タレントとして活動してます。所屬しているメンバーは全員女性で副業をしていて。
こんな風に「副業しながらも頑張っている東京の女性がいる!」ということを広げたいという想いで活動しています。独立した時の経験からも感じるんですが、女性って1人でいると危険だけど、固まっていると凄く強くなるっていうのあるじゃないですか(笑)
今、凄く楽しくて、これからも自分の軸「笑顔を届けていく」というコンセプトにあった色んな仕事にチャレンジしていきたいし、そこで吸収したことを、本業であるブループリントの仕事に還元していきたいですね。
「縁」を紡いで、自分らしく生きていく
最後にみなさんに伝えたいことが1つ。最後にこれだけ渋いんですけど(笑)
今、「ご縁に囲まれて仕事しているな」と実感をしていて。これは本当に「私らしい働き方」だと思います。同世代の女性に特に伝えたいのは、1つの会社だけの世界にとらわれずに働くっていうやり方もあるんだよっってこと。
副業という働き方をしていると、仕事の分だけご縁があるし、スキルも身につくし、1人で仕事をするという生き方も学びます。そういう働き方があるっていうのを知ってもらえると嬉しいなって。
「ご縁だけは大切に生きろ」は私の父の言葉です。冒頭で癌になったこともお伝えしましたが、このメッセージに辿りたいたのはこの経験も大きくて。
癌になって、今は摘出しちゃったんで元気なんですけど、これ以上転移しないための治療法なにかないですか?ってSNSで呼びかけたんですね。
そこから「今まで、ももちゃんが繋いでくれた縁のお返しに」って、100人以上の方を紹介してもらって、いろんな情報をいただいて。免疫治療の権威の方とお話ができたり、癌を経験された方から温熱治療法を教えてもらったり。そんな周囲の人達に感謝をしていたら、不安や恐怖も感じる間もなく手術が終わってました。
ご縁が仕事につながっていくというのは勿論ですが、仕事だけではなく、自分の命にも還ってくるんだなと本当に実感しました。だからみなさんにも、ご縁を大切にして就活やビジネスに活かしていってほしいなと思います。
■編集後記
講演を聞いた参加者からも「ももちゃんさん」と愛称で呼ばれるほど、とてもオープンでフランクにお話してくださった山口さん。会場の雰囲気を柔らかくする独特な空気感がとても素敵でした。度々出てきたのが、「自分の軸」「自分のコンセプト」というキーワード。山口さんが魅力的な女性であり続けられるのは、ターニングポイントに差し掛かると「自分はどうしたい?」という原点に立ち返り、自分自身の「人生のコンセプト」を言語化し、それを実現するための選択と決断、そして行動をし続けているからではないでしょうか。
「副業」「パラレルキャリア」というと、今流行りのキーワードですが、表面的なメリットをみても本質的ではなく、この働き方を通じて「どう自分らしくあり続けるか」「周囲の人たちにどう恩返しをしていくか」ここに対して強い意思を持つことが大切ということを実感できる貴重な機会となりました。
irootsライター shima
―取材協力―
◎講演者:山口もも子氏
中央大学卒業後、新卒で株式会社ウエディングパーク(サイバーエージェント100%子会社)に入社。 営業として全国を駆け回り、新人賞を受賞。その後、「自分らしい働き方」をする為に、個人事業主として独立し、メディア運営や企業PRを行う。2015年10月より、株式会社ブループリント(D2Cグループ)に入社し広報を担当。 副業でirootsのPRや、株式会社COMPLExxxでスマホ特化型タレントとして活動している。
◎講演イベント:iroots shibuya
iroots shibuyaは、irootsが主催する学生と社会人の交流会。それぞれが自分のルーツを語りあうことで、未来をより良くするためのきっかけにして欲しい。という想いで毎週火曜日@渋谷で開催されている。ゲスト講演30分+懇親会60分の2部構成にて実施中。