この会社で、自分はどんな未来を描けるだろう?――。ファーストキャリアという重要な選択を前に、そんな期待を抱える就活生へ。「Vision Talks」は、企業の未来を創り、その舵を取るリーダーたちが自らの言葉で、会社の未来像、そしてこれから仲間になる若手への想いを語る企画です。今回は株式会社レスメッドの井上 真さんにお話を伺いました。

Interviewee’s Profile

株式会社レスメッド
設立:2011年
レオン都市開発グループの一員として、医療事業を展開。「医師人材紹介」と「医療コンサルティング」を二つの柱とし、医師紹介では単なるマッチングに留まらない質の高い支援を提供。コンサルティング事業では、特に在宅医療クリニックの開業から運営までを一貫してサポートすることで、地方の医療過疎という社会課題の解決に貢献。「世の中から必要とされる事業会社」というビジョンのもと、医療の未来を創造し続けている。

井上 真/株式会社レスメッド 代表取締役
新卒で入社した企業を経て、27歳で現在のグループ会社であるレオン都市開発の創業に参画。以来、20年以上にわたりグループ全体の経営に携わる。株式会社レスメッドでは、医療業界が直面する課題解決と、会社の未来を担う人材育成に取り組んでいる。

株式会社レスメッド企業詳細

医療の大きな転換期に、社会課題と向き合う。レスメッドが描く事業の未来

Q1. 株式会社レスメッドが描く将来像やビジョンについて教えてください。

私たちのビジョンは、事業を通じて医療業界が抱える構造的な課題を解決し、「世の中から必要とされる事業会社」であり続けることです。そのために、私たちは「医師の転職支援」と「在宅診療クリニックの運営サポート」という二つの事業を柱としています。

まず「医師の転職支援」について。今、国の医療政策は大きな転換期を迎えています。医療費を抑制するため、救急病院の数は今後淘汰され、半分ほどに減少するとも言われています。これは、医師の働き方が根底から変わることを意味します。これまでのように、大きな病院に勤務し続けるというキャリアが当たり前ではなくなり、自ら開業したり、より専門性を高めて病院から「選ばれる」存在になったりする必要がある。しかし、不思議なことに、当事者である医師の9割がこの変化に気づいていません。

医師紹介会社の中には、応募してきた医師の精査をせずに、病院へ紹介するところも少なくありません。しかし私たちは、そのやり方とは明確に一線を画しています。必ず医師と直接面談し、その質を徹底的に見極める。なぜなら、私たちの仕事は、単なるマッチングではないからです。「自分の親をその先生に診てもらいたいか?」――私たちは常にその視点を忘れません。質の高い医療を地域に提供し、病院の経営にも貢献する。その責任を全うすることこそ、私たちの存在価値だと考えています。

そして、もう一つの柱である「在宅診療クリニックの運営サポート」。これは、日本の未来に直結する事業です。2045年に向けて高齢化が進む一方、地方では若者が流出し、医療インフラが脆弱になっています。その結果、親の介護のために仕事を辞めざるを得ない「介護離職」が深刻な社会問題となっている。介護離職は世帯収入の減少に直結し、さらなる不幸の連鎖を生み出しかねません。

私たちは、この問題の根幹にアプローチします。医療過疎地域に在宅診療クリニックを誘致し、医療と介護のネットワークを構築する。そうすれば、人々は仕事を辞めることなく、安心して親のケアを専門家に任せられるようになります。

さらに、この取り組みは日本の食文化を守ることにも繋がります。日本の美味しい食材を生産しているのは、地方で暮らす高齢の方々です。彼らが安心して医療を受けられなければ、生産活動は滞り、日本の魅力の一つが失われてしまう。私たちは、医療インフラを整えることを通じて、日本の社会や文化そのものを支えていきたい。その大きな使命感を持って、この事業に取り組んでいます。

Q2. そのビジョン実現に向けて、現在注力していることは何ですか?

壮大なビジョンも、それを実現する「人」がいなければ絵に描いた餅で終わってしまいます。だからこそ私たちは今、二つの事業領域において「人材の採用と育成」に最も注力しています。

医師紹介事業は、結局のところ「人が人を探す」というアナログな側面が非常に重要です。だからこそ、私たちの理念に共感し、責任感を持って仕事に取り組める「いい社員」を育て、集めていく必要があります。

また、クリニックの運営サポート事業においては、医療経営のプロフェッショナルを育成することが急務です。驚くかもしれませんが、日本の医療機関の7〜8割は赤字経営だと言われています。経営者である医師の多くは経営学を学んだ経験がなく、どうすれば黒字化できるかを知らないのです。私たちは、社内で医療経営のノウハウを体系的に教育し、赤字のクリニックを立て直せる人材を育成する仕組みを強化しています。

どちらの事業においても、未来を創る鍵は「人」にあります。だからこそ、優秀な人材が私たちの仲間となり、その能力を最大限に発揮できる環境を整えることに全力を注いでいます。

 

「前例なき挑戦」を、新卒1年目に。失敗を許容する文化が、若手を本物へと育てる

Q3. 若手社員が成長するために、最も大切だとお考えのことは何ですか?

時代は変わりましたが、成長の原理原則は同じです。それは、20代のうちに「がむしゃらに仕事に打ち込む」経験をすること。私自身の話をすると、新卒で入社した会社では、とにかく仕事ができる人間になりたかった。だから、居心地のいい環境にあえて身を置かないようにしていました。常に自分より仕事のできる先輩と一緒にいて、その思考や行動を少しでも盗もうと必死でしたね。

その経験が本当に活きたのは、27歳で今のグループ会社を仲間とゼロから立ち上げた時です。会社の信用も実績も何もない。それでも事業が軌道に乗ったのは、間違いなく前職で培った「人間力」や「くじけない精神」という揺るぎない土台があったからです。

もちろん、当時は「何でこんなに大変なんだ」としか思えませんでした(笑)。でも、後になって、あの時の苦しみが自分を創ってくれたと心から感謝できるようになった。若いうちに、自分の限界を超えるほどの熱量で何かに没頭する経験は、必ず未来のあなたを支える財産になります。

Q4. 株式会社レスメッドには、どのような若手社員の成長環境がありますか?

私たちは、若手に「失敗を恐れず、どんどんチャレンジしてほしい」と本気で考えています。なぜなら、若いうちにたくさん失敗しておくことが、将来の大きな失敗を防ぐ一番のワクチンになるからです。チャレンジも失敗もせずに歳を重ねてしまうと、いざという時に取り返しのつかないミスを犯してしまう。だから私たちは、若手が安心して挑戦できる環境を整えています。

もちろん、何でもやらせるわけではありません。会社の事業に関連する領域で、「この子ならできそうだ」と見込んだ若手には、新しい部門やプロジェクトをどんどん任せていきます。失敗を許容する文化があるからこそ、若手は思い切ってバッターボックスに立ち、フルスイングすることができるのです。

Q5. これまで若手社員に任せた仕事で、印象的なプロジェクトがあれば教えてください。

まさに、私たちの育成方針を象徴する事例があります。今年、新卒1年目の女性社員に、前例のない新規事業である「子ども食堂」の運営を任せました。

彼女は国立大学出身で、非常に優秀かつ意欲的でした。そこで、会社として挑戦してみたかった子ども食堂のプロジェクトを彼女に託したのです。前例のない、責任の重い仕事だと思います。しかし、この挑戦は必ず彼女を大きく成長させると確信していますし、年次に関係なく、会社の未来を創る当事者になれる。それがレスメッドのリアルです。

自らの意志でキャリアを切り拓く。レスメッドが次世代に託す想いと、後悔しない選択のためのヒント

Q6. 株式会社レスメッドを志望する若手社員に、どのようなことを期待していますか?

今の日本が置かれている状況を、まず直視してほしいと思っています。残念ながら、かつて世界をリードした日本の経済は、今や弱体化してしまっている。この現状を自覚した上で、「もう一度、自分たちの手で世界を引っ張っていく日本を創るんだ」というくらいの、高い志と意気込みを持つ方と一緒に働きたいですね。

私たちの仕事は、単に医師やクリニックをサポートすることに留まりません。その先にある、日本の医療、社会、そして経済の未来にまで繋がっています。その大きな視座を持ち、社会に貢献したいという熱い想いを持った方の挑戦を、私たちは心から歓迎します。

Q7. 最後に、就職活動に励む学生へメッセージ・エールをお願いします。

後悔のないキャリアを選ぶために、皆さんには「自分だけの、曲げられない一本の柱」を持って就職活動に臨んでほしいと思います。

私自身は、当時「稼げる人間になる」ということにこだわっていました。だから、それを軸に会社を選んだ。皆さんも、給与でも、やりがいでも、社会貢献でも、何でもいい。周りの意見や流行に流されるのではなく、「自分はこれだけは譲れない」という信念を一つ決めてください。

そして、自分で決めたからには、その決断に責任を持つこと。それが社会人になるということです。もし「この業態で頑張る」と決めたなら、最低でも10年はやり抜く覚悟を持つ。そのくらい強い意志を持って選んだ道なら、どんな困難があっても乗り越えられますし、必ず大きな成長に繋がります。皆さんが、自分自身の決断に誇りを持てるような、そんなキャリアの第一歩を踏み出せることを、心から願っています。

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