今回お話を伺ったあの• •

高橋 智香(たかはし・ともか)
株式会社ニューズピックス ブランドデザイン(広告事業)エディター

早稲田大学政治経済学部卒。大学3年生から株式会社ニューズピックスで長期インターンを始め、NewsPicks編集部にて取材、執筆、編集を経験。2020年に同社へ新卒として入社後は、ブランドデザインエディターとしてスポンサード広告の編集を担当。

小学2年生から塾通い。中学受験を経て、見知らぬ土地で寮生活をスタート

 
―現在の高橋さんのご活躍を紐解くために、まずはルーツについて教えてください。

実家では家族と祖父母、そして2人の叔母と暮らしていたので、大人に囲まれた生活をしていました。
その影響もあったのか、幼少期は元気で活発だった反面、周りの空気を読んで行動するようなところもありました。

当時通っていた小学校はクラスの全員が中学受験をするような学校だったので、自分も小学校2年生から塾に通っていました。
小学校が終わると塾へ行き、夜まで勉強をして晩御飯を食べるのは23時ごろ…という生活でした。今思うと、あまり子どもらしくない生活ですよね。

周りの友達の中には受験のプレッシャーからストレスを抱えている子もいましたが、私は比較的平気なほうでした。
当時からタフだったんだと思います。

小学校までは東京に住んでいたのですが、中学校は大阪にある寮が併設された学校へ進学しました。
実家を離れて独立した生活をしてみたかったのと、「寮に入れば毎日が修学旅行みたいで楽しいかも!」という単純な発想で選びました(笑)。
冒険心が強かったので、親元を離れることに対する不安はまったくなかったです。

ゲーム、漫画、SNS…人生で初めて“コンテンツ”に漬かる日々

 
―寮での暮らしはどうでしたか。

私たちが寮の一期生だったので、特に厳しいルールもなく、自由で楽しい生活でした。

同じ部屋に住んでいた友達がコンテンツに詳しい子だったので、彼女から漫画やゲームについて色々と教えてもらい、そこから私もどっぷりと“コンテンツ漬け”の生活を送るようになりました。

アメブロやTwitterなどのSNSと出会ったのもその頃です。人間観察が好きだった私にとって、SNSは非常に楽しい場所でした。
中学生でありながら、Twitterのアカウントを5つ使い分けるほどSNSにハマっていました。

また、中学3年生からは音楽に目覚め、友達と軽音部に入って活動していました。
私はメロディーよりも歌詞を好きになることが多かったので、好きなバンドの歌詞を読んでは「言葉ってこんなにも力を持っているものなのだな」と思いました。

漫画、ゲーム、SNS、軽音楽…コンテンツ漬けの日々を送っていた中学時代

―メディア業界に興味を持たれたのはいつ頃でしたか。

はっきりと意識したのは、高校2年生ぐらいの頃だったと思います。
色んな人と話すのが好きで、興味の対象も広い自分はメディア業界に向いているのではないかと思うようになりました。
裏を返すと、飽きっぽい性格ということなんですが(笑)。

物事に対する選り好みがないからこそ、客観的な立場に立って情報を伝えられるのはないかと思ったんです。
そのため、大学の推薦枠も「一番メディア業界に近そう」という理由で、早稲田の政治経済学部を選びました。

メディアは結論を出せない。でも、一緒に考え続けることはできる

 
―大学生活はいかがでしたか。

最初の感想は「頭のいい人がたくさんいるなぁ」でした(笑)。
推薦入学だったこともあり、自分はここに運良く紛れこんだだけだという思いが強かったですね。

授業も面白かったですし、放送研究会、バンドサークル、ボランティアサークルと3つのサークルを掛け持ちして、充実した大学生活を送っていました。

ボランティアサークルではベトナムに行き、現地の人たちとの交流イベントなどを企画しました。
昔から海外旅行は好きでしたが、旅行とは違った視点でその国を見るのは新鮮な経験でした。
この経験を通じて、国ごとの文化の違いや貧困問題をありのまま伝えていくメディアの仕事により深く興味を持つようになりました。

交流イベントの企画経験は、今でも役立っているという
このような社会課題に対して、メディアは結論を出すことはできません。
しかし、報道することで一緒に考え続けることはできるのではないか
と思いました。
アクティビストとして社会課題に向き合うよりも、そこで活動している人の姿を伝えるほうが自分には合っている、と。

NewsPicksと出会い、メディア業界に飛び込む

 
―就職活動はどのように始められたのですか。

就職活動について何もわかっていないと自覚していたので、Webメディア系の会社でSEOライターやWebディレクションのインターンを一年ほど行いました。
Web業界を知るにはいい経験だったのですが、Webページの順位付けが行われるアルゴリズムに囚われることなく、もっと世の中の人にダイレクトに情報を伝えたいという気持ちが強くなりました。

そこでサブスク型のメディアであるNewsPicksに興味を持ち、サマーインターンに応募しました。
その際に当時のNewsPicks編集部の編集長と話す機会があり、自分のやりたいことを伝えたところ、NewsPicks編集部の長期インターンとして働いてみないかと声をかけていただきました。

―NewsPicks編集部ではどのような役割を担っていたのですか。

先輩記者に同行しながら、取材、執筆、編集など幅広いことを経験させてもらいました。
NewsPicksは社員とインターンに区切りがない会社だったので、学業との調整はしつつも、何でもやらせてもらえました。

インターン時代に編集に携わった雑誌たち(※現在は刊行されておりません)

就職活動ではWebサービスやエンタメなどの業界も見ていましたが、NewsPicksと出会い、改めてメディアの仕事をやりたいと思いました。
そしてありがたいことに、長期インターンの経験を買われ、そのままNewsPicksに入社することができました。

「新卒だから」が通用しない環境だからこそ、日々成長できる

 
―入社2年目となる現在はどのようなことに携わっているのですか。

ブランドデザイン(広告事業)のエディターとして、企業のスポンサード広告を作っています。
通常の記事とは違い、読み手とスポンサー企業の両者にとって良い記事を作る必要があるので、そのバランスには非常に気を配っています。

「iroots」のスポンサード広告も手がけた

とはいえまだ2年目なので、企画の作り方や記事の書き方については反省することも多いです。
識者への取材で、「あの時、こういう質問をすれば良かった…」と後になって落ち込むこともたくさんあります(苦笑)。

先ほどもお話ししたように、NewsPicksにはインターン、新卒、ベテランの区切りがありません。
だからこそ厳しい部分もありますが、色々なことに挑戦させてもらえるこの環境は、私にとってとてもありがたいです。

この先どのようなキャリアを歩んでいくのかはまだわかりませんが、なんらかの形でメディアには関わっていきたいと思っています。
一つの情報を知っているか知らないかで大きく人生が変わる世の中だからこそ、そこで自分の介在価値を発揮していきたいです。

うまく「言語化」できなくてもいい。まずは“行動”を起こしてみて

 
―最後に、これからのキャリアを考える人に向けたメッセージをお願いします。

とにかく“行動すること”をおすすめします。
同じ一時間の使い方でも、企業のHPを眺めるだけで終わるのと、そこで働いている人に会いにいくのとでは、得られる情報の量が何倍、何十倍も変わってきます。事前準備の時間を含めると、得られるものはもっと大きいはずです。

私は自分が怠け者だと自覚しているので(苦笑)、プレッシャーをかけるためにあえて有料のコーチングやスクールに申し込んでいます。
お金を払って参加する以上、事前準備もちゃんとしなければと思いますからね(笑)。

「いざ人と会っても、うまく話せるかわからない」という人もいるかもしれませんが、そんなにかっこよくスラスラと話す必要はないと思います。
大学生になると急に「言語化」という言葉が使われ始め、かっこいいことを言わなくちゃいけないような風潮が生まれますよね。
でも私はうまく「言語化」できないことよりも、その言葉に囚われるあまり、自分の意思を伝えられなくなるほうが問題だと思います。

私は「バタフライ・エフェクト(※)」という考え方が好きで、実際、小さな行動が自分の未来を大きく変えることはたくさんあると思っています。
うまく「言語化」できなくても、まずは行動を起こしてみてください。思いもよらない出会いが、その後の人生を変えてくれるかもしれません。

(※)…ほんの些細なことがさまざまな要因を引き起こした後、非常に大きな事象の引き金に繋がることがあるという考え方のこと。
 
 
 

インタビュアー:アイルーツ+(プラス)編集部 小笠原寛

1999年上智大学 経済学部 経営学科 卒業。
新卒採用責任者他、様々なHR事業経験を積む中で、本音の大切さを実感。
2012年にirootsに参画し、「学生と企業の本音フィッティング」に従事する。
横浜市生まれ、現在は岐阜県関市に在住し、自然と人との対話に耳を傾ける日々。

文・編集:アイルーツ+(プラス)編集部 西村恵

2015年にエン・ジャパンの子会社である人材系ベンチャーに中途入社。
2018年にエン・ジャパンに転籍後、新卒スカウトサービス「iroots」の企画として、
ミートアップやメディアの運営、記事のライティング・編集に携わる。
趣味は映画鑑賞・美術館めぐり。