今回お話を伺ったあの• •

伊藤 匠平(いとう・しょうへい)
自然電力株式会社/風力事業部

北海道大学卒。2020年4月に自然電力株式会社に新卒入社。入社後は風力事業部でプロジェクトマネージャーとして風力発電所の企画から交渉、設置工事までの一連に携わる。

キャッチャーはまるで“中間管理職”。野球一筋だった学生時代

 
 
―現在の伊藤さんのご活躍を紐解くために、まずはルーツについて教えてください。
 
小学校から高校まではキャッチャーとして野球一筋の生活を送っていました。

小学校のころはレギュラーメンバーとして試合にもよく出場していたのですが、中学の野球部では周りのレベルが想像以上に高く、公式戦にはほとんど出られないまま3年間を終えました。

もちろん悔しい気持ちはあったのですが、試合で貢献できないなら他のところでチームに貢献しようと思い、上手なレギュラーメンバーよりもまじめに練習に取り組みました。
結果その努力が監督やメンバーに認められ、2年生に上がると副キャプテンに選ばれました。試合に出られなくても努力が認められたことはすごく嬉しかったです。
キャッチャーは監督に近いポジションなので、ときには監督とメンバーの間で板挟みになるといういわば“中間管理職”のような苦しみもありましたが(苦笑)、精神的にも鍛えられたいい経験でしたね。

野球に取り組む一方で、当時はパイロットになりたいという夢を持っていたので、勉強にも力を注いでいました。

高校は地元の進学校に進んだのですが、ここでは勉強の面で周りのレベルの高さに驚きました。
自由な校風だったので先生からうるさく勉強をしろと言われることはなかったのですが、周りの友人たちは自主的に勉強に励んでいました。

野球に関しても同じようにストイックに頑張るメンバーに囲まれていたので、勉強も野球も周りに引き上げてもらって頑張れたところが大きかったです。

大学受験期になってもパイロットになりたいという夢は変わっていなかったので、機械工学について学ぶために北海道大学の機械知能工学科へ進学しました。
 

自分たちだけでなく、周りの人を巻き込んで楽しむ。YOSAKOIソーランの魅力にハマった

 
 
―大学生活について教えてください。
 
大学では新しいことを始めたいと思っていたので、野球をやめてYOSAKOIソーランのサークルに入りました。

誘われたときは何をやっているサークルなのかよくわかっていなかったのですが(笑)、この個性的な人たちとなら何かしら面白いことが経験できるのではないかと思い、興味をひかれました。
また、“自分たちだけでなく周りを巻き込んで楽しむ”ということがサークルの目的であって、YOSAKOIソーランはその目標を叶えるためのツールの一つであるという考え方にも共感を覚え、入会を決めました。

大学からはじめたYOSAKOIソーラン

入会後は想像していたよりもサークル活動にどっぷりとハマり、正直なところ勉強は二の次になってしまうほどでした。
踊りの練習はもちろんのこと、お祭りを盛り上げるために地元の人たちと仲良くなり、良い関係性を作った上でYOSAKOIソーランの面白さを伝えていく…ということをさまざまな地域で行いました。

最初は「よくわからない大学生集団だな」という目で見られても、地域の人のお仕事や祭り会場の設営を手伝ったりすることで、徐々に関係を深めていきました。

年次が上がるにつれて「副代表ぐらいになれればいいかな」とぼんやり考えていたのですが、ある人から「一番上のリーダーにしか見えない景色がある。本気でチームを支えたいなら代表になれ」と言われたことで奮起し、代表を務めることになりました。

結果的にサークル運営に力を注ぎすぎて大学は2留してしまいましたが(苦笑)、それでも後悔はしていません。
それぐらいすべてを注ぎこめた大学生活でした。

YOSAKOIソーランの仲間と

 

“人生を終えるまでに社会課題を一つ解決したい”。その想いの延長線上で、自然電力に出会った

 
 
―就職活動について教えてください。

サークルで周りを巻き込んで何かを行うことの面白さを知ったので、パイロットとは違う選択肢について考えるようになりました。
また日ごろから環境やエネルギー工学についても学んでいたこともあり、“人生を終えるまでに社会課題を一つ解決したい”という想いも芽生えていました。
その中で出会ったのが、再生可能エネルギー発電施設の開発・事業運営を行なっている自然電力でした。
 
 
―自然電力のどのようなところに魅力を感じましたか。
 
 
選考を受ける中でいろいろな社員の方と面談をさせていただいたのですが、本当に一人一人が社会課題について熱い想いを持っているところに惹かれました。
「再生可能エネルギーによって地球環境を守りたい」という言葉だけでは綺麗事を言っているように聞こえるかもしれませんが、みなさんの話ぶりや表情から真剣にそれを実現しようとしている想いが伝わってきました。

それを聞いて自分もこのメンバーの一員になりたいと強く思い、結局自然電力以外の会社は見ないまま入社を決めました。
 
 
―入社後はどのような業務に携わられていますか。
 
 
自然電力では太陽光、水力、バイオマス、風力という4つの領域で再生可能エネルギーの開発を行なっているのですが、私は入社して以来風力発電所の設置に取り組んでいます。

風力発電所を作るためには、まず設置に適した場所を探し、土地の地権者の方とその周りにお住まいの方、加えて行政への説明や交渉を行い、了承を得られたらその後設置に向けた調査や工事に移るというのが大まかな流れです。

基本的には一つのプロジェクトにつき2〜3人のチームで対応することになっており、プロジェクトに関わる予算は数十億にものぼります。
そのような大きな案件に入社1年目からプロジェクトマネージャーとして関われるのはすごくやりがいを感じますし、ベンチャーならではの面白さだと思います。
 

すべての人に賛同してもらえなくても、“考える”きっかけを作っていきたい

 
 
―仕事を行う上での楽しさ、難しさはどのようなところにありますか。
 
 
再生可能エネルギーに関しては人によってさまざまな考え方があるので、地域の方から反対意見をいただいたときはやはりつらい気持ちになります。
また風力発電所は企画から完成まで平均で5〜6年はかかるので、「まだ先の話でしょ」とあまり真剣に聞いていただけないこともあり、そのときも長期プロジェクトならではの難しさを感じます。

こちらとしても、さまざまな価値観がある中ですべての人に賛同してもらう必要はないと思っています。
ただ、“よくわからない”という理由だけで理解を得られないのは残念なので、まずは再生可能エネルギーについて知ってもらい、みなさんが自然環境について考えるきっかけづくりができればいいなと思っています。
最初は理解が得られなくても自然環境を良くしたいという気持ちはみなさん同じなので、話し合う上でお互いの価値観をすり合わせることができたときはやはり嬉しいです。

何度も足を運んで地域の方と対話を重ねてプロジェクトを進めていく、というのはYOSAKOIソーランサークルでの活動に通じる部分があるかもしれません。
 
 
―企画から完成までに5〜6年かかるということでしたが、長期間でのプロジェクトに対して伊藤さんはどのようにモチベーションを保たれているのですか。
 
 
確かに企画から完成までというスパンで捉えると長く感じますが、その間にはフェーズごとに進めなければいけないことが細かくあるので、途方もなく長く感じるということは特にないです。
マイルストーンに沿って一歩一歩進んでいる実感はあるので、そこが日々のモチベーションになっています。それでも長期間のプロジェクトではあるので、完成したときの喜びはひとしおだと思います。
 
現在は熊本と鳥取を拠点に風力発電のプロジェクトに取り組んでいる
 

大事なのは、自分をさらけ出すこと。ありのままの自分を受け止めてくれる場所を見つけよう

 
―今後伊藤さんはどのようなキャリアを歩みたいとお考えですか。

関わる人が増えないと再生可能エネルギーも大きくならないので、自分の周りから自然環境や再生可能エネルギーについて考える人の輪を広げていきたいです。
私が再生可能エネルギー事業を通じて温暖化という課題に向き合っているのも、「老後に暑くて外を歩けなくなったら嫌だな」というシンプルな気持ちからです。

「自然環境について考えよう」と言われると敷居が高く感じてしまうかもしれませんが、みんなが自然環境についてもっと身近に考えられるようになればいいなと思います。
私が自然電力で働いているという話を家族や友人に話すだけでもそれを考えるきっかけになると思うので、今後も徐々にその輪を広げていきたいです。
 
 
―最後に、これからキャリアを考える人に向けたメッセージをお願いします。
 
 
学生生活においても就活においても、自分をさらけ出すことを大事にしてほしいなと思います。

私はもともと自分をさらけ出すのが得意ではなかったのですが、サークルのメンバーがありのままでぶつかってきてくれたので、いつしか自分も自己を出していくことができました。
自然電力を選んだ理由も、こんなに熱い想いをぶつけてくれる人たちなら、同じく自分の想いもそのまま受け止めてくれるだろうと思ったからです。

自分のいいところだけを見せようとするのではなく、「この人たちはありのままの自分を受け止めてくれるだろうか?」という目線で自分がのびのびと活躍できる場所を探してみてください。
 
 
 

インタビュアー:アイルーツ+(プラス)編集部 小笠原寛

1999年上智大学 経済学部 経営学科 卒業。
新卒採用責任者他、様々なHR事業経験を積む中で、本音の大切さを実感。
2012年にirootsに参画し、「学生と企業の本音フィッティング」に従事する。
横浜市生まれ、現在は岐阜県関市に在住し、自然と人との対話に耳を傾ける日々。
 

文・編集:アイルーツ+(プラス)編集部 西村恵

2015年にエン・ジャパンの子会社である人材系ベンチャーに中途入社。
2018年にエン・ジャパンに転籍後、新卒スカウトサービス「iroots」の企画として、
ミートアップやメディアの運営、記事のライティング・編集に携わる。
趣味は映画鑑賞・美術館めぐり。