株式会社ニトリ/情報システム改革室/デジタルコマースチーム
北海道大学教育学部卒。“いくつになっても趣味を楽しめる暮らしを提供したい”という想いで、2019年にニトリへ入社。IT未経験ながら新卒で情報システム改革室に所属し、現在はデジタルコマースチームでニトリネットやニトリアプリの開発、運用保守に携わる。
- 努力すればするほど後ろ指をさされる環境がつらかった
- 「何故同じ教育現場なのにこうも違うのだろう?」という疑問から、教育心理学の道へ
- “いくつになっても趣味を楽しめる暮らしを提供したい”という想いで、ニトリへ入社
- まったくのIT未経験から、入社後すぐに情報システム改革室へ
- 新しいチャレンジに不安はつきもの。できない理由ではなく、できる理由を探してみて
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―現在の佐子さんのご活躍を紐解くために、まずはルーツについて教えてください。
幼い頃から絵や歌、ダンスなど表現することが好きで、担任の先生からは「感情が高ぶると歌や踊りで気持ちを表現する面白い子ですね」と言われていたそうです(笑)。
小学校までは好きなアイドルや歌手について友達と盛り上がったり、踊りをマネしたりしたりと比較的のびのび過ごしていたのですが、中学に入ってからは自分のライフスタイルをがらっと変えて、勉強一筋の生活を送るようになりました。
というのも、ある高校の学園祭に遊びに行ったときに、その学校のダンス部の演技にすごく感動して。「私も絶対このダンス部に入る!」と決心し、進学校であるその高校に入るために部活にも入らず猛勉強しました。
一方、同級生からは「勉強ばかりして先生に媚びてる」など後ろ指をさされることが多く、正直つらかったです。
その結果、目標としていた高校に無事合格し、報われたと嬉しかったばかりか、高校はとても過ごしやすかったです。
中学では努力すればするほど馬鹿にされるような雰囲気があったのですが、高校はみんなが当たり前にお互いの努力を認め合っていて、環境が変わればこうも世界が変わるのかと驚きました。
憧れのダンス部にも入り、普段は口に出して言えないことを体で表現し、チーム一体となってダンスを作り上げていく面白さに夢中になりました。ダンス未経験での入部だったこともあり、残念ながら私自身は大会出場メンバーの選抜に落ちてしまったのですが、3年にあがり大会の指導メンバーに選ばれたときは嬉しかったです。
私が直接指導した年には、後輩たちの全国大会出場は叶いませんでしたが、その翌年に後輩たちがリベンジを果たし、全国大会に出場してくれたときには自分のことのように嬉しかったです。
―将来についてはどのように考えていましたか。
漠然と教育に携わる仕事がしたいと思っていました。
高校がすごく好きだったので、好きなことを仕事にしたいという気持ちと、苦しかった中学時代と比べて「何故同じ教育現場なのにこうも違うのだろう?」という疑問から、先生になるというよりは教育現場自体を変えられるような仕事がしたいなと。
その結果、地元でもある北海道大学の教育学部に進学しました。
―大学生活について教えてください。
すごく楽しかったです。私は教育学部で心理学を専攻していたのですが、担当教授が研究テーマを自由に選ばせてくれたので、好きなことを思い切り学ぶことができました。
私が研究していたテーマは「アイドルを応援するファンの心理」というもので、身近でうつ病になった人がアイドルを応援することで行動範囲が広がっていった様子を見て、ファン心理に興味を持ったのがテーマ選びのきっかけでした。昔から自分が好きだったアイドルと専攻の心理学をかけあわせて研究することができたのは、とても有意義な経験でした。
また、とにかく様々な年齢や価値観の人と関わりたいという気持ちが強かったので、アルバイトは幼児から高校生まで幅広い年代の人が通えるフリースクールで講師やお客さんの年齢層が広いアイスクリーム屋さんなど、人とのつながりを感じられる環境を選ぶようにしていました。
―就職活動について教えてください。
就活については大学3年生の頭ぐらいから考えはじめました。教育分野への興味が薄れたわけではなかったのですが、大学生活を経て学校だけが人を育てる場所じゃないと感じるようになっていたので、教育にこだわる必要はないのかなと思いました。
しかし、そうなると選択肢が広すぎて具体的にどんな仕事を選べば良いのかわからなくなってしまって…。
そこで自分の研究テーマを振り返ってみたときに、アイドルを応援するファンがいきいきとしているように、大人になっても好きなことや趣味を諦める必要はない。むしろそれこそが人生を豊かにする要素なのではないかと考え、人の生活や暮らしを豊かにする仕事とは何か、ということを考えるようになりました。
そして人の暮らしにダイレクトに関わる企業を見ている中で、ニトリに出会いました。
―選考の中で印象に残っていることはありますか。
担当リクルーターが、『ニトリのロマンは「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」とあるが、住まいの豊かさは人それぞれ。だからこそ、さまざまなアプローチでの豊かさを提供している』と言っていたのが印象的でした。
そこから自分にとっての住まいの豊かさとは何だろう?と考えた結果、仕事から帰ってきても趣味を楽しめるような暮らしを提供していきたいと思ったことからニトリを志望し、内定をいただきました。
―佐子さんはIT人材枠で入社されたと伺いましたが、もともと志望されていたのでしょうか。
いえ、実はIT領域はまったくの未経験で…。もともとは通常の採用コースで選考を受けていたため、数年間は全国を転勤しながら、店舗で働くことになるのだろうとイメージをしていました。
しかし、家庭の事情で北海道から離れることが難しい状況だったため、最終面接でその旨を相談させていただいたところ、比較的異動の少ないIT部門への配属を提案していただきました。
家庭の事情で入社を諦めなければいけないかもと思っていたので、人事の方から「人の暮らしに寄り添う会社だからこそ、社員の暮らしにも寄り添いたい」とおっしゃっていただいたときには、ありがたい気持ちでいっぱいでした。
ITに関する専門知識や経験はまったくなかったのでもちろん不安もあったのですが、これから新しい価値を作っていくという点でIT領域に無限大の可能性を感じ、チャレンジしてみようと思いました。IT部門への配属が決まってからは自分なりにITの勉強を始めたので、入社する頃には不安よりも楽しみな気持ちの方が大きかったです。
―入社後はどのような業務に携わられているのですか。
現在は札幌本社にある情報システム改革室に所属し、デジタルコマースチームの一員としてニトリネットやニトリアプリの開発や保守運用に携わっています。
入社してすぐの頃は店舗で実際の業務を経験し、そこで不便に感じたことを情報システム改革室に持ち帰るというミッションを与えられていたのですが、同期と一緒に提案した改善提案が採用され、システム考案を任されたときにはそのスピード感と柔軟さに驚きました。また、年齢や経験に関わらず、若手にも平等にチャンスが与えられる風土はすごく素敵だなと思いました。
情報システム改革室では企画・設計だけでなく作り手側であるプログラミング経験も大切にしていますので、私も未経験からプログラミングにチャレンジさせてもらっています。実際、試行錯誤を重ねて端末上でプログラムが動いたときにはとても感動しました。
これからもっと経験を積み、顧客視点で機能の改善提案から実装までを担当できるようになりたいです。
―今後佐子さんはどのようなキャリアを歩みたいとお考えですか。
まずはデジタルコマースチームで色んなことを学んでいきたいですが、もっと長い目で見ると、インフラエンジニアや商品企画、会計など、幅広い領域での仕事を経験してみたいです。
ニトリは社員一人一人のキャリア開発に力を注いでいる会社なので、この環境を活かしてさまざまなことにチャレンジし、広い視点を得たいです。その中で、自分が本当にやりたいことを見つけられればいいなと思っています。
―最後に、これからキャリアを考える人に向けたメッセージをお願いします。
これから就職先を選ぶ上で、「絶対に間違っちゃいけない」と思う必要はないと思います。私も就活をしているときには「この選択を間違えたら自分のキャリアは失敗してしまう」と不安を感じたこともありましたが、一つの会社に決めたからそれで終わりではなく、入社してからも多様な選択肢が広がっています。
自分が何をしたいかわからないという人は、入社したあとに夢を見つけられる場所を選んでみてもいいのではないでしょうか。
一番もったいないのは、「不安だから」と諦めてしまうこと。新しいチャレンジに不安はつきものなので、できない理由ではなくできる理由を探すようにキャリアを考えてほしいです。
新卒採用責任者他、様々なHR事業経験を積む中で、本音の大切さを実感。
2012年にirootsに参画し、「学生と企業の本音フィッティング」に従事する。
横浜市生まれ、現在は岐阜県関市に在住し、自然と人との対話に耳を傾ける日々。
2018年にエン・ジャパンに転籍後、新卒スカウトサービス「iroots」の企画として、
ミートアップやメディアの運営、記事のライティング・編集に携わる。
趣味は映画鑑賞・美術館めぐり。