今回お話を伺ったあの• •

東京理科大学 理学部 応用数学科 ミモザ(仮名)さん
2023年卒業予定。大学2年生の10月から就活開始し、外資系大手を含めたIT系企業6社から内定を得た。就活と長期インターンに取り組む傍ら、自身の考えや就活体験などを綴ったブログも精力的に更新し、自ら目標として掲げた500日連続更新記録を達成した。

コロナ禍での就活に不安を感じ、大学2年生から就活を開始

 
 
●就活をはじめた時期、きっかけ
 
就活をはじめたのは大学2年生の10月です。就活をはじめたきっかけは、授業のオンライン化によって時間的余裕が生まれたことです。

コロナの影響で当時私が受けていた授業のほとんどがオンデマンド形式になり、自由にスケジュールを組めるようになったことから早めに就活準備をはじめました。

私は一浪しているため22卒の友人が多かったのですが、友人たちからコロナの影響によって就活が混乱している様子を聞いていたので、準備しておくに越したことはないだろうと思っていました。
 
 
●志望していた業界・企業
 

 
 
 
 
もともと教師になることも視野に入れていたので、就活をはじめた当初は教育や人材系の企業を志望していました。しかし就活が進むにつれて、教育に関わるのであればビジネスではなくやはり教師になりたいと感じるようになり…。

そこからは広く業界を見るようになり、最終的にはインターンを通じて出会ったインターネット広告系の企業や業務効率化を図るSaaS系企業を志望するようになりました。

私は仕事を通じて人の選択肢と可能性を広げたいと思っていたので、インターネット広告を通じた偶発的な出会いの創造や、業務効率化支援を通じて人の仕事をクリエイティブにすることに魅力を感じたというのがその理由でした。
 
 
●利用していた就活サービス
 
就活をはじめたときは情報収集とエントリーの手段としてナビサイトへ登録しました。あまりたくさん登録しても情報過多になってしまうと思ったので、メインで使っていたのは2社だけでした。

大学2年生の終わりには2つのスカウトサービスに登録し、スカウトされた企業の選考にも参加しました。受け取ったスカウトはDMのようなものから個別感のあるものまでさまざまでしたが、やはり私個人にフォーカスをあてたスカウトをもらったときは嬉しかったですね。
 

広く業界を見たからといって、広く受かるわけではない

 
 
●就活の時期別にやっていたこと
 

 
 
 
 
就活をはじめた大学2年生の秋から年明けまでは、就活の基礎準備に時間を使っていました。具体的には自己分析や業界研究、WebテストやGD対策、ESの書き方について知るなどですね。それと並行しながら、12月からは選考なしの1dayのインターンにも参加するようになり、だんだんそっちに比重を置くようになりました。

結果的には20社ほどの1dayインターンに参加したのですが、途中で志望業界が変わったこともあり、あとから考えるとそんなにたくさん参加する必要はなかったのかなと思います。インターンは3年生になってからでも参加できるので、もう少し準備に時間をかけても良かったかもしれません。
 
大学3年生の4月からはサマーインターンの選考を受けはじめ、7月からは20社のサマーインターンに参加しました。この頃はまだ幅広く業界を見ていたので80社ほどのサマーインターンに応募しましたが、結果的に受かった業界は限られていました。広く業界を見ているからといって、広く受かるわけではないのだなと痛感しましたね。

でも、このときにIT系企業のインターンに多く参加したことがきっかけで、先ほどお話ししたような業界の魅力を知ることができました。最初はそこまで興味を持っていなくても、選考に受かったからこそ広がる世界もあるのだと思います。
 

自分を偽るのではなく、どんな面を相手に知ってほしいのか考える

 
 
●満足度の高かったインターンの特徴
 

 
 
 
 
個別でフィードバックをもらえるインターンはとてもありがたかったですね。厳しいことを言われることもありましたが、社員の方が自分たちの成長にコミットしてくれていることが伝わってきたので納得感がありました。  
 
私は新規事業立案系のインターンに参加することが多かったのですが、ベンチャー企業の中にはいいアイデアがあれば事業化するというところもあり、実現可能性を考慮したうえでいただけるフィードバックも貴重でした。

私の個人的な印象ですが、優秀な学生が集まっているインターンは熱量も高く、内容の濃いものになることが多かったです。インターンをきっかけに友人もできたので、やはりどんな学生が参加しているかという観点も大事だと思います。
 
 
●本選考のエントリー数、選考において心がけていたこと
 

 
 
 
 
本選考のエントリー数は約50社で、業界は外資系を含めたIT、広告、教育系が中心でした。

私は第一印象で「真面目そう」や「冷めてる」と見られることが多かったので、自分の本質である「負けず嫌い」という一面を知ってもらえるように意識していました。

それが面接の中でうまく伝わらなかったり答えられない質問があったりしたときには、その日のうちに必ず振り返りをしていました。この小さなサイクルを回すことで、少しずつ自分を伝えられるようになっていったと思います。

また、私はいろんな企業にすぐわくわくしてしまうタイプなので(笑)、そのわくわくは大切にしつつも「何故わくわくするんだろう?」ということを言語化して考えるようにしていました。その企業のサービスや商品が好きでも、実際にそれを作る側になりたいのか?と考えてみると答えはNOだったりすることもあるので。

「なぜ?」を日頃から突きつめて考えておくと自分の価値観が明確になるので、面接でもそれを伝えやすかったですね。
 

「わくわく!」と「なぜ?」を行き来することで、納得のいく答えが出せる

 
 
●内定をもらった企業群
 
大学3年生の夏以降にIT系企業6社に内定をいただき、最終的には大学3年生の春に大手外資系SaaS企業に内定承諾しました。

最終的な内定承諾の決め手になったのは、職種が確約されていたことと、内定者懇親会でその部署のトップの方がお話ししているのを聞いて「この人のもとで働いてみたい」と思えたことでした。

内定をいただいた企業の中には、代表と話してみて「あまり共感できないな…」と感じたこともあったので、やはり誰のもとで働きたいかというのは私の中では重要な決め手でした。
 
 
●就活を振り返ってうまくいったこと、苦戦したこと
 
うまくいったことは、タスクの優先順位づけですね。大学の授業、長期インターン、就活…とやることがたくさんあったので、週単位や月単位ごとでやらなければいけないタスクを紙に書き出し、何にどのぐらい時間を割くのかを決めていました。

そうすることによってタスクが増えてもむやみに焦ることがなくなり、メリハリをつけてそれぞれのことに取り組むことができました。

苦戦したことは、自分の課題を克服することですね。私、とにかく話が長くて…(苦笑)。その課題に気づいたのは就活がはじまっていろいろな人と話すようになってからだったので、インターンや選考を通じてなるべく簡潔に相手に伝えられるように訓練しました。

先ほどもお話しした通り、面接が終わったあとに振り返りをすることで少しずつ改善していけたのかなと思います。
 
 
●就活生のみなさんへのメッセージ
 
最初から自分のやりたいことが決まっている必要はないと思っているので、スタートは「なんとなくわくわくするから」でいいと思います。わくわくのない就活は楽しくないですからね。

でもそれを「なんとなく」のままにせず、「なぜ?」と言語化し続けることがとても大切で、それをしないと自分が心の底から納得のいく結果は得られないのではないかと思います。

就活のためではなく、人生のために自己分析をするという気持ちで「わくわく!」と「なぜ?」を行き来することをおすすめしたいです。
 
 

 
 

インタビュアー:アイルーツ+(プラス)編集部 小笠原寛

1999年上智大学 経済学部 経営学科 卒業。
新卒採用責任者他、様々なHR事業経験を積む中で、本音の大切さを実感。
2012年にirootsに参画し、「学生と企業の本音フィッティング」に従事する。
横浜市生まれ、現在は岐阜県関市に在住し、自然と人との対話に耳を傾ける日々。
 

文・編集:アイルーツ+(プラス)編集部 西村恵

2015年にエン・ジャパンの子会社である人材系ベンチャーに中途入社。
2018年にエン・ジャパンに転籍後、新卒スカウトサービス「iroots」の企画として、
ミートアップやメディアの運営、記事のライティング・編集に携わる。
趣味は映画鑑賞・美術館めぐり。