今回お話を伺ったあの• •

2022年卒・くろえもん(仮名)さん
海外2ヶ国で長期インターンを経験し、日本人1人の中プロジェクトリーダーを担う。大学の体育会では副主将としてチーム運営。自身の就職活動の傍ら、100人規模の就活コミュニティを立ち上げる。超人気メガベンチャー、外資コンサル、総合商社など難関企業14社から内定を獲得し、2022年春にメガベンチャーへ入社。

先輩からのアドバイスをきっかけに、大学2年生から就活を開始

 
 
●就活をはじめた時期、きっかけ
 
就活をはじめたのは大学2年生の3月です。コロナの影響で部活が中止になり、授業もオンライン化したことで時間的余裕が生まれました。そのときに部活の先輩から「早めに就活をはじめた方がいいよ」というアドバイスをもらい、スカウトサービスに登録したのがきっかけでした。
 
 
●志望していた業界・企業
 
自分が憧れていた部活のコーチが総合商社で働いていたことを理由に、大学1年生の夏から総合商社に行きたいと思っていました。知り合いに勧められて参加したシンガポールのインターンでも駐在員の方にお世話になり、余計にその想いが強くなりました。

しかし大学3年生になりさまざまな企業の選考に参加するようになってからは、徐々にベンチャーの魅力に惹かれていきました。私はいつか自分で事業を作りたいという想いを持っており、その観点から見たときに総合商社よりもメガベンチャーの方が早くそれが実現できるのではないかと思ったからです。なので、大学3年生の春以降はメガベンチャーを第一志望として就活をおこなっていました。
 
 
●利用していた就活サービス
 
スカウトサービスとナビサイト、あとは社会人の方に出会えるサービスを利用していました。全部で4つぐらいなので、そんなにたくさんは使っていなかった方だと思います。私が目指していた企業群には自大学のOB・OGが少なかったので、社会人の方に出会えるサービスは頻繁に活用していました。
 

自分とは真逆の価値観を持つ人と話すことで、自己理解を深めていった

 
 
●就活の時期別にやっていたこと
 
大学2年生の3月にあるベンチャー企業からインターンのお誘いをいただき、参加したのが最初でした。するとそこで出会った学生のレベルが本当に高くて…。このままではまずいと思い、そこから自己分析をはじめました。

はじめに前田裕二さんの『メモの魔力』を読んで自己分析1000問に答えてみたのですが、結局自分はなにがやりたいのかよくわからず…(苦笑)。自分は「内」ではなく「外」に向き合う方が合っているのではないかと思い、インターンで知り合った仲間と壁打ちをしながら自己理解を深めていきました。

そのときに心がけていたのは、自分と真逆の価値観を持つ人と話すこと。自分と同じ体育会系の人と話をしても、結局価値観が似ているので新しい発見がないんですよね。自分では当たり前だと思っていることに対して、「なんでそう思うの?」と聞かれることで自分の内面を深掘りし、言語化していくことができました。

あとはサマーインターンの選考に備えて、ケース問題をひたすら解いていましたね。最初はどんなふうに勉強していいかわからなかったので、外資系コンサルを目指しているような就活仲間に「どんな本読んでるの?」「どうやって勉強してるの?」と聞きまくっていました(笑)。

大学3年生の春からは20社ほどのサマーインターンに応募し、合格した企業の中からIT系メガベンチャーと人材系の3社に絞って参加しました。最初からあまり多くのインターンに参加するつもりはなかったのですが、本選考を見据えて選考に慣れておくために応募していました。

サマーインターンに参加して感じたことは、自分がどんな社会課題を解決したいのか見えていないということと、事業を作るにあたっての能力が圧倒的に足りていないということ。そのため、将来やりたいテーマが決まったときにすぐ挑戦できるような実力を身につけられる企業へ行こうと思いました。
 

外資系コンサル、総合商社、ITメガベンチャーなど14社に内定。意識していたことは…

 
 
●本選考のエントリー数、選考において心がけていたこと
 
本選考にエントリーしたのは総合商社、外資系コンサル、GAFAを含めたIT系と人材系ベンチャーの16社です。

選考において心がけていたのは、IRや中期経営計画などを読んでそれぞれの企業が求めている人物像を仮説立てすることです。もちろん基本としてOB・OG訪問で社員の方のコンピテンシーを知ることも重要ですが、企業が「これから先」に求める人物像を理解し、そこに訴求していくことも必要だと考えていました。

ただ、訴求するといっても選考の中で自分を偽ったり取り繕ったりしたことはないです。自分の方向性に合うと思った企業しか選考を受けなかったため無理に取り繕う必要がなかったですし、逆にOB・OG訪問で「ここは自分と合わなさそうだな」と思ったところはすべて受けませんでした。
 
 
●内定をもらった企業群
 
本選考にエントリーした16社中14社から内定をいただき、その中から最終的にメガベンチャーへの入社を決めました。

このことに関しては、周りの人から「なんでこの企業群の中からそこを選んだの?」とよく聞かれるのですが、一言で言うとその企業に惚れたからです。

事業を作りたいという想いに向き合ってくれた社員の人柄、既存事業を堅調に伸ばしながら新規事業にどんどん乗り出していく姿勢とそのスピード感、自分が成長することにより、社会の課題を解決できると考えている社員の方々…。この企業から内定をもらったあとも悔いが残らないように就活を続けていたのですが、最終的には「やっぱりこの会社しかない!」と思って内定承諾をしました。

今入社して1ヶ月が経ちましたが、やはりこの会社を選んでよかったと心から思っています。
 

ボコボコにされるのは、自分のレベルを知るうえですごく大事なこと

 
 
●就活を振り返ってうまくいったこと、苦戦したこと
 
よかったなと思うことは、大学2年生のときにインターンに参加したことで早めに自分のレベルを知れたことです。周りの優秀な参加者を見て「こういう人が難関企業に行くんだ」と思った一方で、自分は事業を作りたいという想いがあるだけでなんのスキルも能力もないことに気づくことができました。

私は就活生の相談に載ることも多いのですが、「自分の中で完璧にしてからじゃないと挑戦したくない」という人が就活に苦戦している印象です。いくら自分の中で完璧な準備ができたとしても、実際に経験してみると穴があったという場合がほとんどです。そうなるとそれまでにかけていた時間がすごくもったいないことになるので、「できるまで動かない」のではなく、「できていないことを知るために動く」ことをおすすめします。

周りのレベルが高いところに飛び込んでいくのは怖いかもしれませんが、ボコボコにされるのは自分のレベルを知るうえですごく大事なことなので。

振り返って後悔していることはありませんが、苦労したのは先輩からの情報を集めることです。先ほども触れたように志望企業に自大学のOB・OGがあまりいなかったので、早くから動いていなければ十分な情報を得られないまま選考を受けることになっただろうなと思います。
 

「失敗しそうだから行動しない」はもったいない。“積極的な失敗”こそが自分を成長させてくれる

 
 
●就活生のみなさんへのメッセージ
 
先ほどの話と重なりますが、まずはレベルの高い環境に飛び込み、そこから自分の課題を見つけていくことをおすすめします。失敗したくないから行動しないというのはすごく時間がもったいないので、むしろ早めに失敗しにいくぐらいの感覚でいいと思います。

私もサマーインターンは当たって砕ける、秋以降は失敗をもとに作戦を立てる、そして本選考で最終体制をとって最難関に飛び込んでいく…というふうに行動しました。実際、内定承諾した企業のサマーインターンには一次選考で落ちましたからね(苦笑)。

でもその失敗からいろいろなことを学び、最終的には内定をいただくことができました。今から就活をはじめる人は、積極的に失敗しに行ってください。

そしてもう一つお伝えしたいことは、自分で自分のキャリアを狭めないこと。「自分の学歴では無理だから」と最初から諦めてしまうのはすごくもったいないことです。学歴や能力、企業の知名度に惑わされず、ぜひ自分のやりたいことに本質的に向き合ってみてください。
 
 

 
 

インタビュアー:アイルーツ+(プラス)編集部 小笠原寛

1999年上智大学 経済学部 経営学科 卒業。
新卒採用責任者他、様々なHR事業経験を積む中で、本音の大切さを実感。
2012年にirootsに参画し、「学生と企業の本音フィッティング」に従事する。
横浜市生まれ、現在は岐阜県関市に在住し、自然と人との対話に耳を傾ける日々。
 

文・編集:アイルーツ+(プラス)編集部 西村恵

2015年にエン・ジャパンの子会社である人材系ベンチャーに中途入社。
2018年にエン・ジャパンに転籍後、新卒スカウトサービス「iroots」の企画として、
ミートアップやメディアの運営、記事のライティング・編集に携わる。
趣味は映画鑑賞・美術館めぐり。