今回お話を伺ったあの• •

広島大学 総合科学部総合科学科 大熊隆喜さん(2022年卒)
学生時代から地方の就活生への情報発信に興味を持ち、事業立ち上げ運営を行う。
就活時代にはツイッターでのマーケティングを行い、フォロワー数千名を抱える就活アカウントを運営。現在では有名企業を分析して発信するYouTubeチャンネルを開設し、50社以上の有名企業を分析し発信している。日系大手や急成長中のベンチャーコンサルなどの難関企業からの内定実績を持ち、2022年春からは大手通信会社に入社。

先輩からのアドバイスをきっかけに、大学2年生から就活を開始

 
 
●就活をはじめた時期、きっかけ
 
大学3年生の6月から21卒として就活していたのですが、地方と東京での就活格差を目の当たりにしたことで「この格差を解消したい」と思うようになり、事業を立ち上げるために1年間の休学を決めました。ちょうどその頃からコロナが流行しはじめていたので、仮に企業が倒れてしまっても自分で生きていける力を身につけたいという想いも同時に持っていました。

事業を立ち上げてから1年後には収益化の見込みが立ちはじめていたので、このまま就職しなくてもいいかもしれないと考えるようになっていたとき、ある人材系の企業からスカウトをもらったんです。その人材系企業の面接がとてもためになったという話を先輩から聞いたことがあったため興味を持ち、サマーインターンに参加しました。

それをきっかけにその企業の理念や事業に深く共感するようになり、「ここに入りたい!」という想いで本選考に参加しました。「どこかに就職したい」というよりも、「ここに入りたい!」という気持ちから就活をはじめたので、他の人とはそもそものスタートが異なっていたように思います。
 

エントリー社数は4社。それでも不安や迷いはまったくなかった

 
 
●就活の時期別にやっていたこと
 
22卒として2020年の春に就活をはじめてからは、基本的に自己分析と企業分析に力を注いでいました。自己分析はTwitterで知り合った就活生や人事の方とオンラインで対話しながら自己理解を深めていくという方法をとっていました。

企業分析はその企業の選考を受けると決めた日から、毎日ホームページやIR、中期経営計画などを読みこみ、どんな人材を必要としているのか?自分の能力や強みはそこと合致しているのか?ということを仮説立てしながら分析を進めていきました。企業ホームページにあるボタンはすべてクリックするぐらい調べていましたし(笑)、1社につき5名以上のOB・OG訪問をしていたので、自信を持って選考に参加することができました。
 
 
●本選考のエントリーをした企業数
 
本当に入りたいと思った企業のみ本選考を受けようと思っていたので、大学3年生のときにエントリーした企業は先ほど話した人材系企業を含めて4社のみでした。

そのときも人材系企業が第一志望だという気持ちに変わりはなく、「ここまで目指す方向性が同じなのであれば、絶対に受かる!」という自信があったので、4社しか受けていないことに対する不安はありませんでした。

その後、大学3年生の秋からはその人材系企業の新規事業開発室で長期インターンとして働きはじめ、冬には内定をいただきました。本当はそこで就活を終えるはず…だったのですが、結果的にその人材系企業の内定は辞退し、大学4年生の春に内定をいただいた大手通信会社に入社しました。
 

今振り返ってみても、100%後悔のない選択ができた

 
 
●第一志望だった人材系企業の内定を辞退した理由
 
将来的な希望としては、その人材系企業でマーケティングの経験を積み、数年以内には企業の中で新規事業の立ち上げに携わりたいと思っていました。

しかし新規事業開発室でインターンをしているうちに、実際にこの企業の中で事業を立ち上げるには高い壁があるのではないかと感じるようになり…。別の選択肢を探しはじめた中で、社内起業による事業作りができると感じた大手通信会社に出会い、そちらに入社を決めました。

もともとこの企業には保守的なイメージを持っていたのですが、OB・OG訪問を重ねる中で新しいことにチャレンジできる風土があることを知り、最終的にはこの企業で事業づくりを目指したいと思うようになりました。

ここに至るまでには紆余曲折ありましたが、最終的に納得のいく選択ができて良かったです。
 
 
●就活を振り返ってうまくいったこと、苦戦したこと
 
就活を振り返って「もっとこうしておけば良かった」という後悔はないので、自分としては100%うまくいったと思っています。

そう思えるのは、色々な人の力を借りながら自分と向き合い続けたからではないでしょうか。私の場合、自分との向き合い方は過去を内省するのではなく、未来志向で考えるということでした。

「将来何がやりたいのか」「理想の自分と今の自分にはどのようなギャップがあるのか」を考え続けることによって、本当にやりたいことを見つけることができ、心から納得できる結論が出せたのだと思います。
 

本気になれないなら、ショックを受けそうな環境に飛び込んでみて

 
 
●就活生に向けたメッセージ
 
これは過去の自分に向けたメッセージでもあるのですが、人生を左右する就活に対してもっと本気で取り組める人が増えたらいいなと思います。

私自身1回目の就活では本気で向き合うことができておらず、やりたいことも自分の強みもわからないまま就職しようとしていました。そんな中で地方と東京の就活格差を知り、強いショックを受けたことで本気になれるものを見つけられたのはラッキーだったと思います。なんとなく選んだ仕事に対して本気になれないのは本人にとっても日本全体にとってももったいないことですよね。

もしも本気になれるものがまだ見つからない、というときには強いショックを受けそうな環境の中に飛び込んでみるのも一つの手です。その中から、自分でも知らなかった自分の“本気”に出会えるかもしれません。
 
 

 
 

インタビュアー:アイルーツ+(プラス)編集部 小笠原寛

1999年上智大学 経済学部 経営学科 卒業。
新卒採用責任者他、様々なHR事業経験を積む中で、本音の大切さを実感。
2012年にirootsに参画し、「学生と企業の本音フィッティング」に従事する。
横浜市生まれ、現在は岐阜県関市に在住し、自然と人との対話に耳を傾ける日々。
 

文・編集:アイルーツ+(プラス)編集部 西村恵

2015年にエン・ジャパンの子会社である人材系ベンチャーに中途入社。
2018年にエン・ジャパンに転籍後、新卒スカウトサービス「iroots」の企画として、
ミートアップやメディアの運営、記事のライティング・編集に携わる。
趣味は映画鑑賞・美術館めぐり。