freee株式会社/カスタマーサクセス企画
大学で企業分析を中心としたマーケティングを学んだ後、1年間の内定者インターンを経て2020年にfreeeへ入社。サポートチームのオペレーション構築、チャットボットの改良責任者を担当後、2022年7月からは、プロジェクトマネージャーとしてfreee会計ソフトのコア機能の顧客体験向上のプロジェクトに参画予定。
- 過酷な部活を乗り越えたことで、「自分ならきっとできるはず」と思えるようになった
- 学歴コンプレックスを克服するために、あえて超過酷なゼミに飛び込んだ
- 1%の大企業に入るよりも、99%の中小企業を支援したいという思いからfreeeを選んだ
- 内定者インターンでは、あえてマーケティングではなく顧客折衝を選んだ
- 「やるべき」ではなく、「やりたい」と思えるものを純粋に追求して
TOPICS
―現在の嶋野さんのご活躍を紐解くために、まずはルーツについて教えてください。
小学校の頃は毎年リレーの選手に選ばれるぐらい運動が好きで、基本的には外で遊ぶことが多かったです。
中学に入ってからは塾に通っていたのですが、教えるのがとても上手な先生のおかげで、勉強が大好きになっていきました。
その後、推薦で入った都立高校は制服や髪型などの校則が一切なく、とても自由な校風だったのですが、所属していた女子ハンドボール部の顧問がとても厳しい人だったので結局あまり自由には過ごせませんでした。
それだけならまだよかったのですが、その方が組む練習内容はかなりハードで…。「来週には辞めよう」「次の試合が終わったら辞めよう」と毎回思うぐらい、過酷な日々でした。
それでも辞めなかったのは、入部当初に掲げた「スタメンに入る」という目標を諦めたくなかったからです。周りには運動経験者が多く、運動未経験だった私にはハードルの高い目標だったのですが、負けず嫌いな性格もあり、途中で諦めたくないという気持ちだけでなんとか頑張っていました。
すると徐々に練習の成果があらわれ始め、3年生に上がる頃にはスタメンとして試合に出場できるようになっていたのですが、なんと引退直前に疲労骨折をしてしまい…。
顧問には自己管理が出来ていないと指摘され、結果後輩にスタメンをゆずることになってしまい、本当につらかったです。
でも「ここで辞めてしまうとつらかった3年間の意味がなくなってしまう」という気持ちで自分を奮い立たせ、懸命にリハビリを続けた結果、最終的には別のポジションでスタメンを獲得し、引退試合にもフル出場することができました。
この経験を通じて「一度決めたことは諦めない」という自分の価値観が培われましたし、困難な場面に遭遇しても「あんなにつらいときでも頑張れたのだから、自分ならきっとできるはず」と思えるようになりました。
部活を引退後は、オープンキャンパスで興味を持ったマーケティングを学ぶため、都内私立大のマーケティング学科に入学しました。
―大学生活はいかがでしたか。
正直、入学当初はとても憂鬱でした。というのも、その大学にはやむをえず入ったという気持ちの方が強く、学歴コンプレックスを抱いていたからです。
だからこそ就活では自分が行きたい企業に行けるよう、大学2年生からはじまるゼミではあえて難易度の高い研究室を選びました。そこは他のゼミと比べてもかなり過酷で、平日は終電まで、土日も図書館に通い詰めて勉強していました(苦笑)。
大変ではあったものの、企業分析のプレゼンやディベートを通じて「なぜこの企業が成功しているのか?」という発表をおこなう機会がたくさんあったので物事を端的に説明する力がつきましたし、それは就活のときにもかなり役立ちました。
忙しいゼミの合間をぬって希望していた留学に半年間行くこともでき、外国人の友人をたくさん作ることができたので、最終的には充実した大学生活を送ることができました。
―就職活動について教えてください。
大学3年生になってから形式的に就活をはじめたものの、なかなかおもしろいと思える企業に出会えず…。
働くことへの意欲をなくしてしまい、外国の大学院でもう少しマーケティングの勉強をしようかなと思ったこともあったのですが、両親から「働く経験をしてから考えてみれば?」と言われたことをきっかけに、長期インターンをはじめました。
いくつかのインターンを経験後、大学3年生の秋からはじめたSaaS系ベンチャーのインターンで裁量権を持たせてもらえたことをきっかけに働くことが面白いと思えるようになり、再び就活をはじめたときに出会ったのがfreeeでした。
特に会計に興味があったわけではないのですが、もともと個人経営のカフェやオンラインで手作りのものを販売しているショップが好きだったので、freeeが掲げている“スモールビジネスを、世界の主役に。”というミッションにとても共感したんです。
日本企業の中で1%の大企業に入るよりも、私たちの日常を支え、彩りを与えてくれている99%の中小企業を支援したいという想いから、最終的にはfreeeを選びました。他にも内定をいただいた企業はあったのですが、社員一人一人はすごくいい人でも、集団になったときに同じ方向を向いていないように感じる企業もあり…。その点でいうと、freeeの社員は個性を持ちつつも全員がミッションにすごく共感していることが面接を通じて伝わってきました。
それぞれが持つバックボーンやエピソードはバラバラでも全員が同じ方向を向いている組織というのはすごく素敵だなと思いました。入社してからもそこにギャップを感じたことはありません。
―入社後はどのような業務に携わられていますか。
新卒で入社したのは2020年ですが、大学4年生の頃から1年間内定者インターンとしてCS(カスタマーサクセス)の部署で働いていました。
将来的にはマーケティングを希望していたのですが、本質的なマーケティングをするためには顧客や現場を知る必要があると考えていたので、内定者インターンではあえて顧客折衝をする部署を希望しました。
CSでは、すでにfreeeを導入いただいているお客様に会計ソフトの使い方をカスタマイズしてご提案するというコンサルに近い業務を担当していました。その中でfreeeのお客様がどんなことを考えていて、どんなことに課題を感じているのか知ることができたので、先にCSを経験できてとてもよかったなと思います。
CSとして働きながら他のチームの業務を知っていくうちに、企画やオペレーションの仕組みを作る業務も面白そうだなと思うようになり、入社前の配属希望面談ではマーケティングではなくそちらの部署を希望しました。SaaS系ベンチャーで長期インターンをしているときもSFAを活用した業務効率化のプロジェクトに携わっており、もともと興味を持っていた分野だったというのもあります。
結果として新卒で配属されたのはカスタマーサポートの部署だったのですが、その中でベテランの社員の方と一緒に企画やオペレーションを整える業務を任されました。
配属がサポートと聞かされたときは希望していた部署と違ったことに正直もやもやしていたのですが、ちゃんと私の希望を汲んでいただいていたんだな、と後になって理解しました。
そのプロジェクトに携わったあとはチャットボットの改良責任者を1年半ほど担当し、来月からはfreee会計のコア機能の顧客体験向上プロジェクトに、プロジェクトマネージャーとして参画する予定です。
―今後嶋野さんはどのようなキャリアを歩みたいとお考えですか。
実を言うと、今まさに迷っている途中です(苦笑)。今までは企画畑を歩いてきましたが、デザイナーやエンジニアのように自分の手でプロダクトを作りたいという気持ちもあります。
一方で、次に担当するプロジェクトマネージャーのように全体を見渡して進めていくという業務にも興味があり、選択肢が散らばっているような状態です。
やりたいと思っていることのすべてをfreeeで叶えられるかはわかりませんが、本当にやりたいと思うものが見つかれば、周りの人に相談しながら少しでも近づけるように頑張りたいです。
―最後に、これからキャリアを考える人に向けたメッセージをお願いします。
やるべきことではなく、やりたいことを見つけてほしいなと思います。私が一つだけ後悔しているのは、最初は「やりたい!」ではじめたマーケティングの勉強が、いつの間にか「ここまで勉強してきたんだから」という、「やるべき」になってしまったことです。
学生時代は時間的にも環境的にもいろいろなことにチャレンジできる時間なので、「やるべきことはこれだけど、やりたいことは?」と自分に問いかけてみてほしいです。
もしかしたらこの記事を読んでくれている人の中には、やるべきこともやりたいこともわからない、就活もうまくいかない…という人がいるかもしれませんが、やっているうちに必ず道は開きます。
人生はいい意味でなるようになるので、自分を大切にしながら心にビビッとくるものを探してください。
新卒採用責任者他、様々なHR事業経験を積む中で、本音の大切さを実感。
2012年にirootsに参画し、「学生と企業の本音フィッティング」に従事する。
横浜市生まれ、現在は岐阜県関市に在住し、自然と人との対話に耳を傾ける日々。
2018年にエン・ジャパンに転籍後、新卒スカウトサービス「iroots」の企画として、
ミートアップやメディアの運営、記事のライティング・編集に携わる。
その傍らで現在は芸大に通い、芸術史やデザインについても学び中。