今回お話を伺ったあの• •

中尾 真夕(なかお・まゆ)
株式会社ブイキューブ/CTO室

大学卒業後、2020年エンジニア職として新卒入社。技術本部でのSE業務を経て、社内公募制度を利用してCTO室へ異動し、開発業務を担当。入社2年目で新規事業コンテストに出場し、所属チームが優勝。現在は通常担当業務における開発に並行して、優勝した新規事業関連の開発にも取り組む。

昔から“興味のあることはとことん突き詰めるタイプ”だった

 
 
―現在の中尾さんのご活躍を紐解くために、まずはルーツについて教えてください。
 
 
幼い頃は運動が苦手で、インドアで大人しい子どもでした。ただ、負けず嫌いな一面もあり、得意科目の算数ではライバルの男の子といつも競い合っていましたね。

小学校までは狭く深い友人付き合いをしていましたが、中学校からは部活や塾に通い始めたこともあり、友人関係の幅も広がりました。

興味のあることはとことん突きつめる(ただある程度すると冷める)タイプだったので、吹奏楽部への入部をきっかけにはじめたパーカッションは、コンテストで入賞するほどの腕前になりました。

高校でも吹奏楽部に入ろうかと思ったのですが、また別の新しいことがやりたくなり、生物や理科の実験が好きだったこともあり、科学部にも入りたくて…。最終的には科学部、SSC(スーパーサイエンスクラブ)、そして吹奏楽部の代わりに軽音楽部という3つの部活をかけ持ちすることにしました。

生物の中でも寄生虫が好きという少し変わったタイプだったのですが(笑)、科学部やSSCではそういった実験に思いっきり取り組むことができて楽しかったですね。

科学部では農業や子どもとおこなうワークショップなど、幅広い体験ができたという

将来のことはあまり具体的に決めていなかったので、「好きな理系の勉強がなんでもできそうなところにいこう」という考えで東京電機大学の理工学部へ進学しました。
 
 
―大学生活はいかがでしたか。
 
 
学ぶ領域は生物系から情報系へと変わりましたが、これはこれで面白いなと思いました。

大学に入るまではプログラミングをまったくやったことがなかったので、最初の授業では苦戦したものの、もともと理数系が好きだったこともあり、徐々に面白いと思えるようになりました。

その流れでパソコンゲームにハマり、毎日夜遅くまで友人とプレイするうちに「もっといいパソコンがほしい」と思うようになり、自分でパーツを組み立てて作ったこともありました。

ゲームでは刺激的なことが次々と起こるので、新しいもの好きで飽きっぽい性格の私でもずっと楽しめることができ、おそらく当時ゲームに費やした時間は2000時間を超えていると思います(苦笑)。

その新しいもの好きの性格がこうじて、大学3年生からは「新しい技術に触れられそう」という単純な理由でAI領域を選びました。その中でも私は分析系の領域が好きだったので、ネットワーク構造に関する分析研究をおこなって論文を書きました。
 

テレワークが一般的ではなかった時代に、ブイキューブの働き方に感銘を受けた

 
 
―就職活動について教えてください。
 
 
先輩からエンジニア系に特化した説明会やインターンがあると教えてもらい、大学3年生の夏ごろからは複数のインターンに参加していました。エンジニア系ではないインターンにも参加しましたが、やはり自分は開発系のことをやりたい、そしてその中でも手を上げればどんどん仕事を任せてもらえるベンチャーがいいなと思うようになりました。

ちょうどそのころにAI・機械学習系のイベントでブイキューブと出会い、がっつりAI系の会社ではないものの、さまざまなサービスを提供する中で今後はAIの領域にも進出する可能性があることや、「誰もが境遇に左右されず、機会を平等に得られる世界をつくりたい」というミッションに共感を覚え、興味を持ちました。

当時は就活のために時間をかけて都心へ出てくることに苦労していたので、ソリューションを通じて「誰もが機会を平等に得られる世界をつくる」というメッセージを自分ごととして捉えることができたんです。

また、私が就活をしていた2019年はまだテレワークが一般的ではなかったのですが、ブイキューブではすでに多くの社員がテレワーク制度を利用して働いていたところにも惹かれました。

面接もすべてオンラインだったのですが、移動がないのはやっぱり楽だなと思いましたし、地方在住の社員の方とオンラインでお話しする中で、「こんな働き方もあるんだ」と驚きました。

エンジニアの方ともお話ししましたが、みなさんお話ししやすく、どの人に会っても「なんかいいな」という感覚を覚えたので、内定をいただいたときには迷いなく承諾しました。
 

入社2年目で社内のビジコンに優勝、新規事業立ち上げへ

 
 
―入社後はどのような業務に携わられているのですか。
 
 
最初は技術本部に配属され、既存サービスのSE業務をおこなっていました。希望通りの配属ですごく嬉しかったですし、女性が多い環境で先輩方にもすごく良くしていただき、働きやすかったです。

しかしだんだんと開発をやってみたいという想いが強くなり、昨年6月に社内公募で手を挙げて、サービス開発をおこなうCTO室へ異動しました。

異動希望を出した時点ではプログラミングのスキルが足りていないことを自覚していましたが、それでもやりたいという熱意を上司に伝えたところ、それが認められて異動することができました。

プログラミングのブランクもあったので最初は不安でしたが、勉強期間を経て、現在はバーチャル株主総会のシステム開発を担当しています。

また、去年には『Next ATARIMAE Challenge』という社内のビジネスコンテストにチームで応募し、AIを活用した人事系サービスの提案をしたところ、なんと優勝することができました。

現在はCTO室の業務と並行しながら事業化に向けてサービス開発を進めています。新規事業を進めていくのはもちろんはじめての経験なので戸惑うことも多いですし、CTO室の業務との両立に悩むこともありますが、周りのサポートを得ながら日々奮闘しています。

手を上げればチャレンジできるとは聞いていましたが、CTO室への異動や新規事業など、まさかここまでだとは思っていませんでした。自分がやりたいことと会社の方向性が一致しているのはすごく恵まれていることだなと実感しています。
 

「とりあえずYES」ではじめたことが、その後の自分を作ってくれるかも

 
 
―今後中尾さんはどのようなキャリアを歩みたいとお考えですか。
 
 
詳細設計や実装を中心とした開発活動と、プロジェクトマネジメントという二つの業務を、今はどちらも同時に経験できている状態なので、それぞれの業務を通じて何が自分に向いているのかをしっかりと見極めていければいいなと思っています。

あとは結婚や出産というライフイベントがあってもテレワークが出来るという環境を活かして、柔軟に働き続けていきたいですね。
 
 
―最後に、これからキャリアを考える人に向けたメッセージをお願いします。
 
 
大学生だからこそできることはたくさんあると思うので、やりたいことは今のうちに全部やっておくことをおすすめします。

私は学生時代にもっとやっておけば良かったと思うことがあったので、社会人になってからはすべてのお誘いに「YES」というようにしています。新規事業も同期に誘われたときは何も決まっておらず不安だったのですが、とりあえず「YES」と言ったことが今につながっています。

あとは、新しいものに出会ったときには「なんかいいな」という感覚を大切にしてほしいですね。
 
 
 

インタビュアー:アイルーツ+(プラス)編集部 小笠原寛

1999年上智大学 経済学部 経営学科 卒業。
新卒採用責任者他、様々なHR事業経験を積む中で、本音の大切さを実感。
2012年にirootsに参画し、「学生と企業の本音フィッティング」に従事する。
横浜市生まれ、現在は岐阜県関市に在住し、自然と人との対話に耳を傾ける日々。
 

文・編集:アイルーツ+(プラス)編集部 西村恵

2015年にエン・ジャパンの子会社である人材系ベンチャーに中途入社。
2018年にエン・ジャパンに転籍後、新卒スカウトサービス「iroots」の企画として、
ミートアップやメディアの運営、記事のライティング・編集に携わる。
その傍らで現在は芸大に通い、芸術史やデザインについても学び中。