企業研究をする際に、必ずといっていいほど目にする企業の「クチコミ」。気になる内容があっても、なかなか人事には聞きづらい…。そんな人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、入社前には特に実感しにくい「成長・働きがい」や「企業カルチャー」といったクチコミにフォーカスをあて、現場で働く社員の方に「これって本当ですか?」という疑問をぶつけてみました。

ユニ・チャーム株式会社
生活消費財(主に、ベビーケア・ヘルスケア・フェミニンケア・化粧パフ・ハウスホールド・マスク・ペットケア製品など)、産業資材、食品包材等の製造販売をおこなっており、世界80カ国以上の国と地域に商品を提供。アジア地域ではシェアNo.1を獲得し、全社売上に対する海外売上構成比は現在約60%を占める。(※エン人材教育財団が20代の成長環境がある企業を独自の基準で認定した「エンパワー認定」、キャリア自己選択力を20代から意図的に育成する企業を選定して表彰する「CSA賞」に認定済)

 

【疑問に答えてくれた人】

企画本部 経営企画室 池満大雅さん
2019年入社。企画本部 経営企画室所属。入社後はJapan営業統括本部九州支店にて流通向けの商品・販売戦略提案に従事。2022年4月に企画本部に異動。

Global人事総務本部 人事部 Career形成支援Group 岩田結さん
2019年入社。Global人事総務本部 人事部 Career形成支援Group所属。入社後はJapan営業統括本部九州支店にて流通向けの商品・販売戦略提案に従事。2022年1月にGlobal人事総務本部に異動。

20代の成長環境は?成長・働きがいについてのクチコミ

 
―池満さん、岩田さんどうぞよろしくお願いします。今回は「これって本当?」と気になるクチコミ(※)を2つの観点からピックアップしたので、「YES」「NO」を踏まえながらユニ・チャームについてざっくばらんに教えてください。
(※)会社クチコミプラットフォームの『ライトハウス』よりピックアップ

池満岩田:はい、よろしくお願いします。
 

①成長・働きがいについてのクチコミ
・若いうちから非常にレベルの高い営業経験をさせてくれるため、成長スピードは速くなる。キャリアに関してもキャリアビジョンを半期ごとに上司と共有し、明確なキャリアとそれに向けての取り組みをしっかり伝えていけば比較的行きたい部署へ配慮してくれる環境にはある。但し、どこの部署でもハードワークがつきものなのでしっかり日々の業務に取り組まないとキャッチアップが出来なくなる。(クチコミ投稿日:2022年)

・3年目になるとキャリアアップのための制度があり、自分の経験を活かして新たな職種への挑戦ができる良い環境。(クチコミ投稿日:2022年)

 
―クチコミを見ると、若手の成長環境がある一方で、ハードワークという意見も寄せられています。まず若手の成長環境という点では「YES」「NO」でいうとどちらでしょうか。

池満:これはYESです。私は入社三年目まで営業をしていましたが、一年目から年間数億円の取引があるお客様を任せていただけましたし、先方の上層部の方とやりとりさせていただく機会も多くありました。

当然ながら若手であっても高い営業レベルが求められるので、それに応えなければいけない大変さはありましたが、任せっぱなしではなく、周りの方がきちんとフォローしてくださったおかげで、一人で悩んだり責任を抱え込んだりせず、のびのびと成長できた実感があります。

―「ハードワーク」という意見に関してはいかがでしょうか。

池満:ハードワークかそうでないかで言うと、ハードワークです。ただ、それは量ではなく質のハードさであって、作業的な仕事に追われるということはあまりありませんでした。

当社は2030年までに不織布事業で世界No.1になることを目指しており、それを実現するためにはお客様に商品を使っていただくだけでなく、ファンになっていただく必要があります。そのため、「どうしたらお客様に喜んでいただけるか」ということに頭を使い、とことん尽くし続けていくという点においてはハードワークとも言えます。

―クチコミによると、入社三年目になるとキャリアアップ制度を活用して新たな職種にチャレンジできるとのことですが、これはどの程度運用されているのでしょうか。

岩田入社三年目以上の社員は誰でも希望職種に立候補することが可能で、私と池満もこの制度を利用して、それぞれ人事と経営企画に異動しました。また、当社にはキャリアアップを目的としたキャリアチャレンジ制度だけでなく他の部署を体験するための社内インターン制度も設けられており、他の部署の仕事を体験したうえで異動希望を出すことができます。

もちろん希望を出したからといって誰でも異動できるわけではないので、日頃から自己研鑽とキャリアの棚卸しをおこなっておく必要はありますが、「自分のキャリアは自分で決める」という当社全体の考えに沿って積極的に運用されています。

池満:私の場合はグローバルに目を向けて仕事がしたいと考えていたものの、どの部署が自分の力を発揮できるフィールドなのか納得して決断するために、リサーチ、新規ビジネスグループ、マーケティング、経営企画と4つの部署で社内インターンや社員との面談を行いました。

この4つの部署を選択した理由は、グローバルに目を向けた仕事ができると考えたためです。もちろんそれだけで業務のすべてを理解できるわけではないのですが、まずはそれぞれの部署の仕事を知り、その中でも特に興味を持った経営企画の方と面談を重ね、入社四年目で異動しました。

就活をしている頃は「内資系企業=年功序列」というイメージがあったのですが、この規模で入社4年目の営業が経営企画にチャレンジできる企業はそうそうないと思うので、経験に関係なく社員のチャレンジを応援してくれる会社だと思います。

ぶっちゃけどんな雰囲気?企業カルチャー・組織体制についてのクチコミ

 

②企業カルチャー・組織体制についてのクチコミ
・営業が強い会社であることもあって、体育会系の文化。年齢や役職に関係なく、討議に参加できる風土がある。幹部から新入社員が直接アドバイスを受けることもできる程度に風通しは良い。(クチコミ投稿日:2022年)

・世界ナンバーワンを目指しているので志を高く持っている方が多い印象。全員で一つの目標に向かって進んでいる雰囲気を感じられる。オリジナルの語録があり、それを用いて社員同士の会話が行われる。入社時に語録を用いたスピーチなど語録を使うための研修がある。(クチコミ投稿日:2022年)

 
―企業カルチャー・組織体制については、風通しが良いという一方で体育会系の文化というクチコミも寄せられていますが、これは「YES」「NO」でいうといかがでしょうか。

岩田:体育会系の文化でいうと、YESのようなNOのような…

もちろん体育会系出身の方もいますし、説明会などでもよく「体育会系の人が多いですか」という質問をいただくのですが、特別多いというわけではありませんし、会社の文化として体力勝負、厳しい上下関係、理不尽な要求といったものはありません。

ただ、共生社会の実現や世界No.1を真剣に目指し、熱い想いを持っているという点はどの社員にも共通しているので、そのようなカルチャーが体育会系と表現されることもあると思います。

池満:私も就活生の頃は体育会系という言葉に対して少しネガティブなイメージを持っていたのですが、入社してみると多様なタイプの社員が活躍していることがわかりました。とはいえ熱い想いはどの社員にも共通しているので、その点では暑苦しいほどかもしれません。

岩田:クチコミにもある通り、日々の仕事の中で役員クラスの方と接する機会も多いですし、社員の誕生日には社長から一人ひとりに向けたメールが毎年届くというユニークな文化もあるので、風通しの良さは感じやすいと思います。

会社の規模的にトップダウンだと思われるかもしれませんが、過去に社長とのランチ会で私がある意見を伝えたところ、翌日にはそれが実行されたという経験もあるので、柔軟でフラットに個人の意見を尊重してくれるカルチャーがあります。

―クチコミにある「オリジナルの語録」とはどのようなものでしょうか。

池満:当社が世界No.1を目指すために共有している価値観を言語化してまとめているもので、各国の言葉で翻訳し、デジタル化されています。オリジナルの語録というと統一して使わなければいけないものというイメージがあるかもしれませんが、強要されているものではなく、迷ったときの拠り所になるような感覚です。

ユニ・チャームに合う人・合わない人の特徴は?

 
―ここまでのお話を踏まえて、貴社に合う人・合わないと思う人の特徴を教えてください。

池満:現場社員の目線としてお話しすると、社内には多様なタイプの人が活躍しています。その中でも共通していることは、探究心の強さでしょうか。ひとつのことだけでなく、いろいろなことに目を向けて探求し続けられる人が多いように思います。

岩田:当社には「今までのこだわりを捨て、常にアップデートし、そのときの最高のものをスピード重視で取り入れること(Best Practiceship)」「何事も“自分事”として捉え、主体的に考え・行動し、困難を突破していくこと(Ownership)」「利他の心で常に仲間との協働を重んじること(Partnership)」という“3つのDNA”(BOP-Ship)という価値観があり、活躍している社員にはそれがしっかりと浸透しています。

そのため、受け身ではなく、目標に向かって主体的かつスピード感を持って走れる方、他者と協力しながら行動できる方の方が当社には合っていると考えています。

一方、安定志向の方や、お金持ちになりたい、有名になりたいなど利他よりも利己を重視する方は合っていないと考えています。就活ではよく「ガクチカ」という言葉が使われますが、当社はみなさんの経験だけではなく、その奥にある価値観を知りたいと思っています。

どんな人になりたいのか、どんなことにわくわくするのか、どんなことがしんどいのか…などの価値観と当社の価値観がどのように交わるのかを知りたいと考えています。

―最後に、キャリアを考える学生に向けたメッセージをお願いします。

岩田「自分は何のために働くのか、そしてどんな大人になりたいのか」について考える時間を作っていただきたいと思います。これから皆さんが過ごす人生はこれまでの時間よりも遥かに長く、時折自分はなぜ働いているのだろうと悩む社会人も多いと思います。

仕事はご自身の夢を実現するための手段であると考えます。「誰のためにどんなことを成し遂げたいのか、人生を通じて実現したいことは何か、どんな人間になりたいのか」について考え、書き出すことで人生の中で迷った時に再度立ち返ることが出来るのではないかと思います。

みなさんが考えぬいた先にそれが実現できる企業が見つかるはずです。そのステージがユニ・チャームであれば我々の仲間として皆さんの夢を一緒に実現していきたいです。

池満:「やりたくないことから消去法で就職先を選ぶ」という方法があげられていることがありますが、人生において働く時間は長いので、やはり時間をかけてでもやりたいこと、挑戦したいことを探してほしいと思います。

私は大学時代に海外で犬と暮らす路上生活者の方とお話をしたときに、その方の「自分のことはいいが、犬は大切にケアしたい」という想いに感銘を受け、どんな人にも同じように高い価値を提供できる仕事をしたいと思うようになりました。

みなさんの進む道は無限に広がっていますが、学生時代の中で解決したいこと、挑戦したいことをぜひ探してみてください。