今回お話を伺ったあの• •

2024卒・佐助(仮名)さん
地方国公立大学に通う文系学生。大学ではまちづくりについて学びながら、スポンサー付きの学生団体を立ち上げ、代表を務める。大学2年生の終わり(2022年3月)から就活をはじめ、70社以上からのスカウトを通じて日系大手ITベンダーに内々定。

地方と都市圏には“情報格差”がある?

 
●就活をはじめた時期、きっかけ
 
就活をはじめたのは大学2年生の3月です。先輩から「地方と都市圏では就活の情報量に格差があるよ」と聞き、早めに情報を取りにいこうと思ったことがきっかけでした。

私の通う大学は公務員を志望する人が約半数で、民間就職を志望している人たちも大学3年生の春以降から動きはじめるので、同期の中ではかなり早くから動きはじめた方でしたね。それに加えて、気になる企業のOB・OGが私の大学にはほぼいないという状況でした。
 
●就活の時期別にやっていたこと
 
まずいろいろな就活サービスに登録し、各社のサマーインターンの予定をチェックしたうえで、そこから逆算して自己分析やES対策をおこなっていきました。

サマーインターンは数時間のものから2〜3daysのものも含めて約30社参加しました。大学で観光について学んでいたことから、当初は建築や不動産業界を見ていたのですが、さまざまな業界を知るうちにIT技術を活用したスマートシティの実現や観光地の混雑解消に興味を持つようになり、最終的にはIT・Web業界を志望するようになりました。

その後、サマーインターン経由で大手・メガベンチャーなど8社から早期選考の案内をいただき、大学3年生の2月末に大手ITベンダーに内々定の承諾をしました。
 

大手企業から急成長中ベンチャーまで、70社以上のスカウトをもらった

 
●irootsに登録した理由
 
他のサービスに比べてスカウトの質が高いらしいという口コミを聞いたからです。プロフィールの記入量は多かったですが、自由に書けるので苦にはなりませんでした。

自分のルーツや経験に基づいた価値観・強みについて書いてみたところ、知名度のある大手企業から急成長中のベンチャーまで、70社以上のスカウトをいただき、かなり視野が広がりました。内々定を頂いた大手ITベンダーも当初は志望企業に入っていなかったのですが、irootsのスカウトをきっかけにインターンに参加し、その魅力について知ることができました。

その他の就活サービスとしては、ナビサイトや口コミサイトを利用していました。地方の大学だとOB実績があまりないので、Twitterを活用して社会人の方に面談を依頼したり、就活仲間を作ったりすることで、なるべく“情報格差”を埋めるようにしていました。
 
●選考時に心がけていたこと
 
基本姿勢として大切にしていたのは、謙虚、笑顔、感謝を忘れないことと、自分で努力しつつも他者を頼ることです。

あとはプラスアルファとして、“人を笑わせるのが好き”という自分のキャラクターを知ってもらうために率先して場を盛り上げるようにしたり、オンラインの背景を自己紹介にしてみたり…あえて『優秀でまじめな就活生です』というふうにはしていませんでした

実際、人事の方や就活仲間から面白がってもらえることが多く、インターンや選考で落ちることはほとんどありませんでした。
 

「なにがやりたいのか」の詰めが甘いと、すぐに見抜かれる

 
●選考を振り返ってみてうまくいったこと・苦戦したこと
 
先ほどあげたように、自分のキャラクターを確立できたのはよかったなと思います。メガベンチャーなどの選考では都内の学生ばかりでしたが、そこで気弱になることなく“地方から来たなんか面白いやつ”というキャラクターを押しだしたことで、自分の存在を印象づけることができたのではないかと思っています。

苦戦したのは、「なぜこの企業で働きたいのか」という志望理由の伝え方です。最終選考で落ちてしまったところは、そこがうまく伝えられず、志望度が低いと判断されたのではないかと思っています。まず自分の実現したいビジョンがあり、そのための手段としてこの企業に入りたいんだという意志が伝えきれなかったのかなと。

「なにがやりたいのか」「なぜそれをやりたいと思ったのか」という問いに対し、詰めが甘いとすぐに見抜かれてしまうんだなと実感した経験でした。
 

「大手かベンチャーか」ではなく「やりたいこと」を追求してほしい

 
●内定承諾の決め手
 
国内最先端のビッグテック企業であること、社員のほとんどがフルリモートで自由に働いていること、社員のみなさんの人柄という3つが決め手でした。ベンチャー・大手という括りにこだわりはなかったのですが、これら3つの条件に合う企業はなかなかないだろうと思い、他の選考をすべて辞退して入社を決めました。

入社して数年は東京で働く予定ですが、そのあとは地元を含むさまざまな地域で自由に働ければと考えています。
 
●就活生のみなさんへのメッセージ
 
みなさんにおすすめしたいことは3つで、ひとつは早くから動き出すこと。就活には時間的制約があり、私の場合は早期選考でもインターンシップ参加から内々定までに約半年かかりました。そういった時間的コストを考えると早くはじめておいて損はないですし、時間の余裕は心の余裕を生んでくれます。

2つめは100点満点の企業を探そうとしないこと。私も希望はいろいろありましたが、福利厚生や給料、勤務地、職種など、条件をあげはじめたらキリがないなと気づきました。最後にあれこれ迷わないためにも、先に「ここは譲れない」という軸を決めておくことをおすすめします。

そして3つめはたくさんの社会人に会うこと。世の中にどんな仕事や生き方があるのかを知らないと「なにがやりたいのか」「なぜそれをやりたいと思ったのか」という問いに対して答えが出せず、「大手かベンチャーか」というような本質的ではない観点で企業選びをしてしまう可能性もあります。

仮に時間がかかったとしても、まずは自分のやりたいことを探すところからはじめてみてほしいです。
 
 

インタビュアー:アイルーツ+(プラス)編集部 小笠原寛

1999年上智大学 経済学部 経営学科 卒業。
新卒採用責任者他、様々なHR事業経験を積む中で、本音の大切さを実感。
2012年にirootsに参画し、「学生と企業の本音フィッティング」に従事する。
横浜市生まれ、現在は岐阜県関市に在住し、自然と人との対話に耳を傾ける日々。
 

文・編集:アイルーツ+(プラス)編集部 西村恵

2015年にエン・ジャパンの子会社である人材系ベンチャーに中途入社。
2018年にエン・ジャパンに転籍後、新卒スカウトサービス「iroots」の企画として、
ミートアップやメディアの運営、記事のライティング・編集に携わる。
趣味は映画鑑賞・美術館めぐり。