
企業完全審査制の新卒スカウトサービス「iroots」が、就活生におすすめしたい企業と若手活躍社員にフォーカスするインタビュー企画。今回は、繊維機械、自動車、産業車両、エレクトロニクスなどの製造・販売を行う株式会社豊田自動織機で、トヨタL&Fカンパニー(以下、L&F)海外営業部にて活躍する金森さんの成長とキャリアに迫ります。
Interviewee’s Profile
業界:メーカー 従業員数:77,824名(2024年3月31日現在)
繊維機械、自動車、産業車両、エレクトロニクスなどの製造・販売を行うメーカー。フォークリフト、カーエアコン用コンプレッサー、エアジェット織機の3つが世界トップクラスシェアを誇り、2023年度末の関係会社数は277社とグローバルに事業を展開。2023年度の売上高は3兆円超を達成している。
金森 彩花 L&Fカンパニー 海外営業部 TMHI企画室 企画2G
早稲田大学卒。幼少期から大学まで海外8ヶ国に住み、アメリカ、タイ、オーストリア、タンザニア、スリランカ、セネガル、フィリピン、フランス(留学)などさまざまな国・文化・言語と触れていた。大学卒業後は、2022年に株式会社豊田自動織機に新卒入社し、L&F海外営業部にて活躍している。3歳の頃から始めたバイオリンは今も続けており、愛知県内のオーケストラ2団体に所属。
- 入社1年目から、アルゼンチンなど海外販売子会社の経営サポートに従事
- 海外での生活経験から、日本と海外の懸け橋になりたいと考えるように
- 社員の人柄の良さと、若いうちからどんどん挑戦させてもらえるところが魅力
TOPICS
入社1年目から、アルゼンチンなど海外販売子会社の経営サポートに従事
Q1.入社後から現在に至るまでのお仕事内容について教えてください。
2022年4月に新卒入社し、最初の半年は研修期間でした。会社の歴史や製品について学んだり、工場実習の研修を受けたりしながら現場理解を深めました。その後配属面談があり、海外での生活が長かった私はグローバルに活躍できる部署を希望したんです。加えて、財務などの専門性を身につけられる仕事がしたいと伝えていたところ、希望が叶ってL&F海外営業部・TMHI企画室への配属となりました。
海外営業と聞くと、多くの方は海外各国を飛び回る仕事をイメージするかもしれません。しかし、私が在籍しているTMHI(Toyota Material Handling International)企画室の仕事はそのイメージとは異なります。
豊田自動織機では、フォークリフトをグローバルに販売していくにあたり、世界各国に販売子会社を展開しています。こうした販売子会社への情報提供や財務管理、経営判断などのサポートを行っていくのがTMHI企画室の役割。俯瞰的な視点で、売上や顧客満足度の最大化を実現するというミッションを担っています。
TMHI企画室では幅広い業務を行っていますが、1年目にメインで行ったのは海外販売子会社の財務管理です。私はアルゼンチンやブラジル、中国の子会社を担当し、各販売子会社の負債が資産より多くなっていないか、キャッシュが枯渇する心配がないかなどの財務状況を月次で管理する仕事をしていました。
海外販売子会社の状況は、子会社ごとに大きく異なります。例えばフォークリフト販売のみ行っているところもあれば、フォークリフト販売はもちろん、レンタル・中古車加修販売、ラック等周辺機器の提案までできている販売子会社もあります。また、政治や経済の環境もそれぞれ異なり、販売店が直面する課題も異なるわけです。そんな世界各国から日々さまざまな情報やデータが私たちのもとに集まってくる中で、どんな情報を発信すべきか、どんなサポートをすべきかを考えて実行するのが難しいながら勉強になりました。悩んだ末に実施した施策について、販売子会社の方々から良いリアクションをもらえたときは嬉しかったです。
その他にも印象に残っているのが、販売子会社経営陣の来日対応です。弊社北米拠点の経営役員、北米最大販売店の社長らが1週間ほど日本に来る機会があった際、全体スケジュールの作成から海外と日本の関係者との調整、ホテルや視察箇所の手配、会議資料や通訳台本の作成まであらゆる準備を担当しました。
入社1年目からこんな責任ある仕事を任せてもらえるんだと驚きましたし、やりがいを感じましたね。北米トップの方々からは「あなたの対応は非常に良かった!ぜひうちの会社で働いてほしい!」なんてお褒めの言葉もいただき、誇らしい気持ちになりました。
Q2.現在のお仕事内容と、大変ながらもやりがいを感じる場面を教えてください。
L&F海外営業部では、1年目から幅広い業務に挑戦させてもらっています。2年目の途中まで働いた企画1Gでは子会社の財務管理や北米トップの来日対応を担当したほか、2025年1月から異動した企画2Gでは毎年開催している「TMHI代表者会議」の事務局業務を担当しています。
「TMHI代表者会議」は、年に一度、欧州・北米・日本を除く約100ヶ国の販売店のトップ、関係商社担当役員など約150名を日本に招き、本会議や展示ブース、表彰式・懇親会、現場見学、グループディスカッション、フェアウェルディナーなど2日間にわたるプログラムを実行するというもの。各販売子会社のさまざまな取り組みについて好事例を共有するほか、表彰式・懇親会やフェアウェルディナーなど交流の場を設けることで、さらなる一体感を醸成することを目的としています。そんな大規模かつ重要な会議の事務局員として、上司と二人三脚で準備を進めているところです。
事務局業務では、役員層からメンバーまで幅広い年次の方々の取りまとめや、旅行会社やホテル、各業者との密なコミュニケーションなど、参加者が会議に集中できるよう対応を進めています。初めてのことばかりで手探りの部分も多いですが、一つのゴールに向かってみんなで一丸となって進んでいけるのは大きなやりがいです。まだ会議当日を迎えていませんが、自分にできることが増えていくことで成長も実感しています。
他に成長を感じている点で言えば、海外販売子会社の財務管理を通じて、財務の専門性はかなり身につきました。私は経済学部でもなく、例えば財務諸表やキャッシュフローなど、配属当時は全く分からない状態からのスタートでした。しかし、同じグループの先輩からつきっきりで教えてもらい、子会社の財務管理を基礎から学んでいきました。職場先輩とのワンオンワン制度などもあったりして、着実に専門性を身につけていけたと感じています。
その中でも大変ながら成長できたのは、アルゼンチンの販売子会社を管理した経験です。アルゼンチンは、インフレーション率が年間100%を超える、経済環境がかなり不安定な国です。その中であるとき、国の外貨準備高が危機的な水準まで下がってしまい、輸入が全て規制されてしまったことがあったんです。そうなると販売子会社が日本からフォークリフトを仕入れられず、事業を行うことができません。このままでは安定経営を継続していくことが難しいと、日本からさまざまなサポートを行うことになりました。
例えば輸入規制が続くと会社にどういった影響があるかをさまざまな条件でシミュレーションし、情報共有をする。フォークリフトを輸入できず販売ができない状況に対し、レンタル・部品の販売といった現地の対応状況の自社経営陣への報告、各事業の収益性を確認する。こうした連携によって、最終的に輸入規制が解除されるまで販売子会社を後方支援していました。大変な経験でしたが、自分も大きく成長できた経験になりました。
海外での生活経験から、日本と海外の懸け橋になりたいと考えるように
Q3.学生時代を振り返って、今の自分に影響を与えた経験を教えてください。
今の自分に影響を与えた経験は、大きく二つあります。
一つは、海外各国で長年生活した経験です。私はアメリカで生まれ、その後もタイ、オーストリア、タンザニア、スリランカ、セネガル、フィリピンで生活し、大学ではフランスに留学しました。どの国の、どの学校でも自分とは国籍や文化も違い、言語も異なる人と日常的に関わるという生活を過ごしました。
特にセネガルで暮らしていた時のことは強く印象に残っています。現地で通っていたのは、アメリカ人宣教師がキリスト教を広めるために開校したアメリカンスクール。周りには日本人はもちろん、アジア系の生徒も全然いない状況でした。正直、最初は全然馴染めなくてかなり苦労しました。でも、バスケやハンドボール、サッカーなどのスポーツイベントがあれば積極的に参加したり、授業で分からないことがあればクラスメイトに質問したりするなど、自分から行動することで徐々に仲良くなれたんです。こうした経験の積み重ねから、積極性に加え、相手の境遇をまず理解しようとする傾聴力や、相手の立場に立って考える想像力が身についたと思います。
もう一つは、オーケストラでの経験です。幼少期からバイオリンをしていて、学生時代は4年間オーケストラに所属し、バイオリンパートとして主旋律を支えるほか、オーケストラの調整役を担っていました。具体的には、コンサートマスターと呼ばれるオーケストラのリーダーのすぐ横で、補佐的な役割を務めたんです。音楽は決まった正解がありませんから、異なる意見を持つ団員を説得するのは容易ではありません。しかし一人ひとりとコミュニケーションを取り、表現や音量など音楽的な調整ができないかを掛け合うなど、オーケストラ全体が一丸となれるよう取り組んだ経験は今の仕事にも役立っています。
Q4.就活時代の軸を教えてください。
幼少期から長く海外で生活している中で、日本の製品は品質が高く壊れにくいという話を聞く機会が多くありました。そういった称賛の声を各国で耳にしたことから、将来は自分もメーカーで働き、品質の高い製品を世界中に広めていく仕事がしたいと考えるようになりました。その中でも、自身の英語スキルや海外での経験を活かし、日本と海外をつなぐ懸け橋になれる仕事がしたいと希望していました。
またメーカーにおいても、日本の製品が海外でも有名だという点から、自動車メーカーや自動車部品メーカー、ゲームメーカーなどを中心に見ていました。その中から、例えば世界トップシェアの製品をつくっている、他にはない技術力を有しているなど、海外でのプレゼンスが高い会社を探していました。
将来的に海外に行けるチャンスがあるかも重視していたので、会社ホームページを見る際は海外拠点が多いかどうかなどもチェックしていましたね。
Q5.豊田自動織機に出会ったきっかけと、入社の決め手になったことを教えてください。
就職活動中に利用していた逆スカウトサイトを通じ、豊田自動織機と出会いました。スカウトを受け取るまで会社のことは知りませんでしたが、いろいろ調べていく中で、フォークリフト、カーエアコン用コンプレッサー、エアジェット織機と3つの製品で世界トップクラスのシェアを持っていることを知り興味を持ちました。
そこで説明会に参加したところ、すごく良い人が多いと感じたんです。一方でこれだけ世界でのプレゼンスを持っている会社ですから、穏やかながらも骨のある方々が多いだろうと好印象を持ったんですよ。
入社の決め手となったのは二点。一点目は、日本の世界の懸け橋になるという私が思い描いていた未来を実現できそうだと感じたこと。二点目は、社員のみなさんの人柄が本当に良く、この環境ならのびのび仕事ができそうだと感じたことです。
他にも自動車メーカーの内定をいただいていて、期限ギリギリまで本当に悩みました。最終的には自分の直観と、内定者懇親会に参加したときの印象から、より自分らしく働ける環境を選ぼうと豊田自動織機への入社を決めました。
社員の人柄の良さと、若いうちからどんどん挑戦させてもらえるところが魅力
Q6.豊田自動織機の好きなところを教えてください。
就職活動時から感じていたように、社員のみなさんの人柄の良さが会社の好きなところです。上司や先輩は家族のように気にかけてくれますし、間違ってしまったときも穏やかかつ的確に指摘してもらえます。仕事で大変なことやうまくいかないことがあったとき、同じグループで関係ない仕事をしている先輩に「ちょっといいですか」と声をかけたら、すごく親身になって相談に乗ってもらえたことがありました。話しかけにくい雰囲気は全くなく、日々いろんな人に助けてもらっていると感じています。
また仕事だけでなく、プライベートでは飲み会やゴルフなどのイベントもあり、職場のみなさんと仲良くなる機会がたくさんあります。こうした機会を通じて、人間関係も充実していると感じています。
Q7.豊田自動織機について、就活生に自信を持ってすすめられるところを教えてください。
若いうちからどんどんチャレンジさせてもらえるところです。実は入社前まで、長い歴史のある企業ゆえにしばらくは下積み期間で、入社して10年、15年経ってから大事な仕事を任せてもらえると考えていました。
しかし私自身のキャリアを見ても、入社1年目から北米トップの来日対応を担当したり、2年目にはTMHI事務局代表者会議の企画・運営に携わったりと、金額・責任ともに想像以上に大きな案件を任せてもらっています。
いわゆる日本の大企業というイメージを抱くかもしれませんが、結局のところは自分次第。自分がやりたいことをどんどん声に出す、機会があれば手を挙げるということを繰り返していれば、きっとチャンスは巡っています。そんな姿勢を自分も大切にしていきたいですし、就活性のみなさんにも意識してほしいです。
豊田自動織機は事業規模もかなり大きく、多角的に事業を展開しています。それだけ幅広く事業を行っていますから、例えば他の事業部に異動したとしたら、転職したような感覚を味わうかもしれません。さまざまな選択肢がありますから、ぜひ自分のやりたいことを見つけ、そこに辿り着いてほしいですね。いろんな可能性のある会社だと思いますので、やりたいことがある方にはチャンスの多い環境だと思います。
Q8.最後に、就活生へのエール・メッセージをお願いします。
世の中にはたくさんの企業がありますから、自分に合った企業、自分がやりたい仕事を見つけることに難しさを感じる方も多いと思います。
多くの選択肢がある中で、みなさんに大切にしてほしいのは「自分が日々楽しく働けるかどうか」ということです。就職活動中はプレッシャーもあり、どうしても視野が狭くなってしまいがちですので、まずは自己分析をしっかり行い、自分がやりたいことをはっきりさせた上で就職活動に臨んでください。irootsをはじめさまざまなサービスを活用しながら、自分に合う企業を見つけたり、「これがやりたい!」という自分の道を見つけてほしいです。
私自身も、日本と海外の懸け橋になるという目標に向かって今後も頑張っていきます。ゆくゆくは海外のコーディネーターとして、海外に駐在しながら日本と世界をつなぐ存在になりたい。そんな目標を達成できるよう、今後もさらに成長していきたいと思っています。