
脱・ゆるブラック。「仕事はラクだが、力がつかない」「自分の市場価値に自信が持てない」…そんな悩みを抱えるのではなく、“ラクではないが力がついた”と胸を張れる人になりたい。そんな想いを胸に、ラクではないが力がつく環境=「若手ホワイト企業」で奮闘する若手社員の経験にフォーカスし、自分の力でキャリアを切り拓くためのエッセンスを紐解く。
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Interviewee’s Profile
設立:2004年5月 従業員数:641名(2025年3月現在)
犬・猫を中心としたペット保険事業を展開し、ペットと飼い主の「安心」を支える企業。主力商品「うちの子」シリーズをはじめ、幅広いニーズに応える商品を提供。全国の動物病院とのネットワークを活かし、スムーズな保険利用を実現。第一生命グループの安定基盤を持ちながら、ペット市場の拡大とともに成長を続けている。社員が挑戦できる環境や働きやすさにも注力し、多様なバックグラウンドや専門性を持つ人材が活躍している。
髙橋 謙介(たかはし けんすけ) 収益管理部 シニアスタッフ
東北大学大学院 工学研究科を修了後、2018年にアイペット損害保険株式会社に新卒入社。半年間の研修の後、東日本営業部にて代理店営業を担う。入社当初から裁量と責任のある仕事を希望し、新卒2年目から静岡に駐在。3年目には、自らの意志と提案で静岡営業所を設立し、同営業所長に就任。翌年、静岡支店に昇格し同支店長を担う。5年目に本社経営企画部 組織グループに異動し、商品・保険数理業務などを担当。現在は本社収益管理部にて予算・KPIの統括管理や、中期経営計画の達成に向けた管理を担う。
- 自営業の家系で育まれた「まず、やってみる」の精神。意志をカタチにするための挑戦が、自身のキャリアの原点になった
- 成長の最短距離は、多様なプロが集う変革期の会社にあった。多角的な視点を武器に、自らの手でチャンスを掴み取る
- 会社の未来を動かす経験が、自分の夢を加速させる。挑戦の先に描く、事業家としてのネクストステージ
TOPICS
自営業の家系で育まれた「まず、やってみる」の精神。意志をカタチにするための挑戦が、自身のキャリアの原点になった
―最初に、アイペット損害保険に入社を決めるまでの経緯について教えてください。就活をはじめたときには、どのような軸で企業選びをおこなっていましたか。
僕のキャリア観の根っこには、育った環境が大きく影響しています。父は自営業、母が自宅でピアノ教室を開いていて、幼い頃から自分の力で事業を立て、生計を立てる姿を間近で見てきました。会社員として働く人のイメージがあまりなかったこともあり、ごく自然に「いつかは自分も事業をやりたい」と考えるようになったんです。
その想いを具体的な行動に移したのが、大学院時代の友人との起業でした。移動販売で台湾かき氷屋を始めたんです。ただ「事業をやりたい」と口にするだけでなく、まずは経験してみよう、手を動かさないと何も始まらない、という気持ちが強かったですね。
しかし、事業はそう甘くありませんでした。自己資金で始めたものの、その年の夏、僕が住んでいた仙台は記録的な冷夏に見舞われ、計画は頓挫。この失敗から学んだのは、見切り発車のリスクと物事を進める上での準備の重要性です。勢いだけで突っ走るのではなく、先人に話を聞いたり、しかるべき手続きを踏んだり、考えうるリスクを減らした上で事を進める大切さを痛感しました。
この経験が、僕の就職活動の軸を明確にしてくれました。つまり、将来の起業という目標のために、自分に足りないものを学べる環境があることを重視するようになりました。具体的には、リスク管理や事業を堅実に進める知見など、経営に欠かせない多角的な視点や経験が得られる企業を選ぼうと思うようになりましたね。
―その中で、アイペット損害保険に興味を持ったきっかけを教えてください。
就活当初、実は金融業界を熱心に見ていたわけではありませんでした。自分の成長軸に合うのは、若いうちから裁量権を持って働ける急成長中のベンチャー企業や、多様な業界の課題解決に携われるコンサルティングファームだろうと考えていました。
アイペット損害保険との出会いは、利用していたエージェントの方に「おもしろい会社ないですか?」と尋ねたのがきっかけです。「ペット保険の会社があるよ」と紹介されたときは、正直驚きました。ペットを飼った経験もなかったので、「そんな保険があるんだ」と。社名や「ハートのペット保険」というキャッチコピーから、少し可愛らしい、柔らかな印象を受けたのを覚えています。
ただ、僕には来るもの拒まず、まずは話を聞いてみようというスタンスがありました。これは起業に挑戦したときと同じマインドです。最初から業界やイメージで選択肢を狭めるのではなく、面白そうだと感じたら、まずは自分の目で確かめてみたい。特にアイペット損害保険は、ペット保険というニッチな市場で独自のポジションを築いている点に興味を惹かれました。まだ誰も正解を知らないこの市場で事業を創っていくプロセスには、僕が求めていた経営のリアルな学びや、多角的な視点を養う機会があるのではないかと感じたんです。面白そうという直感と、まずは知ることから始めようという行動が、アイペット損害保険に近づく一歩でした。
成長の最短距離は、多様なプロが集う変革期の会社にあった。多角的な視点を武器に、自らの手でチャンスを掴み取る
―選考を経て、アイペット損害保険に入社を決めた理由を教えてください。
最終的に入社を決めた理由は、大きく二つあります。一つはペット保険業界の成長性、もう一つは人材の多様性です。
僕自身、就職活動で出会うまでその存在を知らなかったくらい、当時はまだペット保険の市場が確立されていませんでした。まさにこれから市場が本格的に立ち上がっていく、そんなフェーズだったんです。市場は今も成長を続けていますが、加入者は2割ほどで8割が未開拓領域とまだまだ発展の途中。業界のスタンダードが確立されているわけではありません。だからこそ、自分たちの手で市場そのものを創り、会社の成長と共に業界の変革をリードしていける。このダイナミズムは、当時も今も変わらない、この業界で働く大きな魅力だと感じています。
そして、それ以上に心を掴まれたのが、社内にいる「人」です。選考過程で多くの社員の方とお会いする中で、この会社が多様な専門性を持つプロフェッショナルの集団であることを知りました。親会社であった戦略コンサルティングファーム出身の経営層、ペットの専門家である獣医師、保険数理のプロ、金融業界のベテラン、公認会計士など、一つの会社にいながら、これほど多様なバックグラウンドを持つ人々と働ける環境は他にないと感じました。
学生時代の僕は、起業の失敗から自分一人でできることの限界を痛感していました。だからこそ、様々な分野のプロから直接学び、その知見を吸収できるこの環境は、将来事業を創る上で最高の学びの場であり、成長への最短距離だと確信したのです。一つの会社で、コンサルティング、事業開発、専門知識、財務戦略といった複数の視点を同時に学べる。これは、僕が漠然と描いていたキャリアパスを、より解像度高く、そして力強く実現させてくれる最高のプラットフォームだと感じ、入社を決意しました。
―2018年にご入社されてから、今までどのような業務に携わられましたか。
入社後は、まさに多角的な視点を養うためのキャリアを歩んできました。これは当社の経営幹部候補を育成するためのジョブローテーションの一環でもあります。
最初の配属は東日本営業部で、ペットショップなどの代理店様に対して、保険の販売促進や体制構築を支援する営業職からスタートしました。現場でお客様や代理店様と直接向き合うことで、事業の根幹を肌で感じることができました。
入社当初から、上司との面談では「より早く、幅広い経験が積める環境に身を置きたい」と繰り返し伝えていました。生意気だと思われていたかもしれませんが、その分全力で仕事に臨む意志は強かったです。そんな僕の意志と実績を会社が汲み取り、東日本営業部の次のキャリアとして提示してくれたのが、まだ拠点もなかった静岡エリアへの単独赴任という挑戦でした。ほぼゼロからのスタートでしたが、在宅勤務でエリアを開拓し、実績が認められて営業所を設立。後輩も加わり、最終的には支店へと昇格させることができました。この経験を通じて、営業スキルだけでなく、拠点運営というマネジメントの視点も身につきました。
そして入社5年目には本社経営企画部に異動。ここでは、全社を巻き込む大規模なシステム刷新プロジェクトにPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)として参加したり、保険料率の改定や中期経営計画の策定といった、より経営に近い業務に携わりました。営業の現場から経営の中枢まで、異なる立場から会社全体を俯瞰する経験を積んだことが、今の自分の礎になっています。これらの異動や抜擢は、単に希望が叶えられたわけではありません。「早く成長したい」と常に意思表示し、それに見合う成果と信頼を積み重ねてきた結果だと考えています。
会社の未来を動かす経験が、自分の夢を加速させる。挑戦の先に描く、事業家としてのネクストステージ
―入社してから今までの間に「ラクではないが力がついた」と思う経験を教えてください。
特に力がついたと感じる経験は、営業時代と経営企画時代にそれぞれあります。
当社の営業は、ペットショップやブリーダーさんなどの代理店に、保険をスムーズに販売していただくための体制づくりを支援する「代理店営業」が中心です。その中でも特に印象深いのは、静岡で担当していた大手代理店の、大型商業施設への新規出店をサポートした経験です。オープン時には100頭以上のワンちゃんネコちゃんがおり、スタッフはオープニングメンバーばかりで保険販売の資格者もいない状況。そこで僕は、販売体制の構築を一任されました。新人スタッフへの資格取得研修から、大量の帳票やシステムの準備、そしてオープン当日の現場対応まで、まさにゼロから販売できるチームと環境を作り上げる仕事です。取引先の役員の方々が見守る中でのプレッシャーは相当なものでしたが、この一大プロジェクトをやり遂げたことで、人を動かし、一つのチームとして目標を達成するためのマネジメントの難しさと重要性を学びました。また、一店舗の成功がエリア全体の業績に与えるインパクトの大きさを肌で感じ、責任を持って成果を出すことの意義を改めて実感しましたね。
経営企画部に移ってからは、取締役と共に中期経営計画を策定した経験が大きいです。僕が担当したのは、会社の10年後を見据えた財務シミュレーションの作成。自分の計算一つで会社の未来の数字が変わり、経営判断を左右する。その責任の重圧は計り知れませんでした。業界動向、競合の動き、自社の強み・弱みなど、あらゆる要素を複合的に捉え、会社の未来を数字で描いていく。この経験を通じて、経営層がどのような視座で物事を考えているのかを学び、事業家として不可欠な俯瞰的な視点を得ることができました。
どちらの経験も、決して楽な道ではありませんでした。しかし、僕が「挑戦したい」という意志を示し、それに応えるだけの成果を積み重ねてきたからこそ、会社が「髙橋になら任せられる」と判断し、与えてくれたチャンスです。意志ある者には、その成長に繋がる責任ある仕事が与えられる。それが当社の環境なのだと実感しています。
―得られた経験をもとに、髙橋さんは今後どのようなキャリアを歩んでいきたいですか。
学生時代から抱いている「自分で事業をやる」という目標は、今も全くブレていません。むしろ、アイペット損害保険での経験を通じて、その想いはより強く、具体的になっています。
営業現場で培った顧客視点、ゼロから拠点を立ち上げたマネジメント経験、そして経営企画で身につけた財務戦略や事業計画の策定能力。これら一つひとつが、将来自分の事業を立ち上げるための血肉となっていると確信しています。会社は、僕にとって自己実現のための最高の舞台です。
もちろん、今すぐ独立するというわけではありません。まずはこの会社で、任されている経営計画や予算管理といった領域でさらに専門性を高め、会社の変革と成長に貢献し続けたいと考えています。会社の重要なミッションを担うことで得られる経験は、何物にも代えがたいですから。
その上で、長期的にはペット業界に貢献できるような新しい事業を自分で創り出したいですね。そして、いつかその事業が成長した暁には、アイペット損害保険に買収してもらえるような存在になるのが理想です(笑)。会社に貢献しながら自らの力もつけ、最終的には自分の夢を叶える。そんなキャリアを実現するために、これからも挑戦を続けていきたいです。
・ 責任と裁量で成長を加速。若手でも支店長や経営企画を担える「20代の成長環境」
・意志と成果でチャンスを掴む。若手の挑戦を後押しする「実力主義の文化」
・成長市場を牽引する主要企業として、業界の未来を創る「会社の成長性・将来性」