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Interviewee’s Profile

Honda(本田技研工業株式会社)
設立:1948年9月、従業員数:19万4,173名(2025年3月31日現在 ※連結)
創業以来の「人や社会の役に立ちたい」「人々の生活の可能性を拡げたい」という想いのもと、2030年ビジョンとして「すべての人に生活の可能性が拡がる喜びを提供する」という目標を掲げて事業を展開。二輪事業、四輪事業、パワープロダクツ事業、航空機事業および航空機エンジン事業の既存の事業領域にとどまらず、エネルギー、サービス、コミュニケーションなど、より拡がりのある領域への展開に積極的にチャレンジしている。

渡邉 真生(わたなべ まお)人事部 人材開発課 新卒採用グループ
教育学部を卒業後、2023年4月にHondaに新卒入社。教育学部では英文学科を専攻し、教師になることも考えていた。しかし、民間企業への就職を決意。より多くの人の役に立ちたいという想いから同社への入社を決めた。若手ながら早い段階から大きな活躍を見せ、年下からも年上からも頼りにされる存在へと成長している。

自分の仕事によって、世界中の人に影響を及ぼせる会社で働きたかった

―最初に、Hondaに入社を決めるまでの経緯について教えてください。就活をはじめたときには、どのような軸で企業選びをおこなっていましたか。

大学で教育学部に進学したのは、将来は世のため人のために働きたいと思っていたから。自分が考えて行動をして、相手に貢献をして、感謝してもらえて、というサイクルを仕事にしたいと考えていました。そう考えると教師の仕事は、目の前に生徒がいて、良し悪しに関わらずダイレクトに影響を与えることができ、結果がすぐフィードバックとして返ってくる点が魅力的だと感じていました。そこで大学時代は塾講師のアルバイトもするなど、目の前の相手にダイレクトに喜んでもらえる仕事に就きたいと考えていました。

しかし大学3年生になる前、就活をはじめる頃に考え方が少し変わったんです。目の前の身近な人に喜んでもらえるのも魅力だけど、もう少し大きな規模で考え、自分のやった仕事が巡り巡って世界中の多くの人に役立ったという実感を得られないだろうかと。新卒での就活も一度きりですから、せっかくなら大きなスケールでやりがいを感じられる会社を探そうと、いろいろな企業にエントリーしてみることにしました。

企業を探す際は、特にこだわりはなく幅広い業界を見ていました。ただ、自分のやったことがダイレクトに相手に伝わり、その成果をダイレクトに感じられる仕事を探していました。加えて規模の大きさで言えば、世界中の人に影響を及ぼしたいなと。そういった基準で見ていくと、自然と大手企業が中心にはなっていました。

またいろいろな企業を見ていくうちに、明確な製品を持っていて、それを手に取るお客様が見えるほうがいいなと考えるようになりました。その製品が日本で開発されたものならさらに良いなと考えていたので、日本が世界に対して強い影響を持つ業界であり、自分の興味がある業界ということから、最終的には自動車メーカーと食品メーカーに絞られていきました。あとはもともと教育業界に興味を持っていましたから、いずれ社会にインパクトを与えていくような教育業界のベンチャー企業も見ていました。

―その中で、Hondaに興味を持ったきっかけを教えてください。

もともと知っている会社でしたが、興味を持ったきっかけはさまざまな企業のWeb記事や会社説明動画を見ていたときです。たまたまHondaの会社説明動画を見たところ、「世のため人のため」というキーワードから会社説明がはじまっていて気になりました。最初は就活の企業説明ではどの会社も話すような社会貢献の内容かと思っていたのですが、しっかり説明を聞いていくうちにそうではないと感じました。

例えば世のため人のためを考えるからこそ、利益だけを重視するのではなく、二輪や四輪、パワープロダクツ、航空機関連などさまざまな領域に進出していること。従業員一人ひとりの想いを大事にしてきたことから、世界初、日本初といった製品が生まれてきたこと。2050年にカーボンニュートラルや交通事故死者ゼロを実現しようと取り組んでいること。こうした説明を聞くうちに自分の中で腑に落ちた感覚があり、もっともっと会社のことを知りたいと思うようになり、インターンシップに応募してみようと考えました。

ちなみにHondaに興味を持ったのは、事業規模も大きな要因です。全世界に約2,800万人のお客様がいるなど、世界でもトップクラスのモビリティメーカー。プロダクトの大小はありますが、これだけ多くのお客様に製品が届いた喜びを提供している会社は日本でも少ないだろうと。こうした背景から興味を持ち、人と密接に関わるという点から人事のインターンに参加してみることにしました。

「人間尊重」の基本理念の通り、一人ひとりを大切にしてくれる会社だと感じた

―選考を経て、Hondaに入社を決めた理由を教えてください。

選考過程で強く印象に残ったのは、人事職のインターンに参加したときです。それまでにもさまざまな企業のインターンに参加していましたが、Hondaは明らかに違うポイントがありました。それが自社のPRや魅力訴求を目的としているのではなく、学生一人ひとりの今後のキャリア選択に活きそうな内容だったこと。仕事を体験できることに加え、社会人としてのキャリアを歩んでいく上で重要なことを学べる内容だったんです。

そんな点から興味を持ちましたが、入社の決め手となったのは大きく二点です。一点目は、就活生と向き合ってくれる会社だと感じたこと。私は面接などでも「世のため人のためになる仕事がしたい」と話していましたが、あるとき面接官から「どの企業でも世のため人のためと言っているからこそ、あなたがなぜそう考えているのか自分自身のコアの部分を深掘りしないと、よく分からないままに就活が終わってしまうよ」とアドバイスがありました。そこから自問自答を繰り返した結果、「たとえ間接的でも、自分のやったことが世界中の人々の喜びになる仕事がしたい」と明確な軸を持つことができました。いち学生である自分に対してズバッと指摘をしてくれたのはありがたかったし嬉しかったですね。

続いて二点目が、心の底から自分を知ろうとしてくれていると感じたことです。最終面接の際、面接官の手元を見たとき、私が提出したエントリーシートにびっしりメモが記載されているのが目に入りました。かなり高い職位の方が、自分という人間を知ろうとシートをしっかり読み込んでくれていることに感激しました。Hondaの基本理念に「人間尊重」という言葉がありますが、まさに面接でそれを感じたんです。

最終的には他社からも内定をいただいていましたが、一度きりの人生、これだけ大きなスケールの会社で仕事ができるチャンスはあまりないだろうと考え、入社を決めました。

―2023年にご入社されてから、今までどのような業務に携わられましたか。

入社後、通常は数ヶ月ほど研修期間があるのですが、私たちの代はコロナ禍が明けたばかりという特殊なタイミングだったため、入社1ヶ月後には新卒採用グループへの配属となりました。新卒採用の中でも主に技術系採用担当として、インターンの企画や運営を担当しました。現在も同じ部署に在籍していますが、3年目からはグローバル採用担当として海外の優秀人材の採用にも携わっています。

働いてみての感想としては、若手やベテランに関係なくどんどん任される環境だということ。入社して最初の会議で、「渡邉君はどう思う?」といきなり聞かれ、少し面食らったのを覚えています。会社説明会のとき、「若手やベテランは関係ない。差ではなく違いがあるだけ。どちらの意見も尊重される文化」といった話を聞いていましたが、まさにその通りだなと。その会議では上司から、「新卒採用グループでは、渡邉君が一番学生に近く、一番最近まで就活をしていた存在。その視点を活かしてどんどん発信してね」と言ってもらいました。それもあって、1年目から臆することなく思いきって発言できるようになりました。

Hondaの技術系採用と聞くと、機械系をイメージするかもしれませんがそれだけではありません。モビリティメーカーとして新たな領域へ積極的に展開している中で、電気情報系の学生の採用も増えています。制御系のシステム開発、半導体の研究開発、生産技術など活躍のフィールドも広がっています。こうした事実を技術系の学生に知ってもらえるよう、いろいろ工夫をしていこうと取り組んでいます。

Hondaは大手企業で、また伝統的な企業ですから、入社前には年功序列の部分もあるかなと考えていました。若手にいきなりチャンスはないのかなと。実際はそんなこともなく、実力主義の風土です。やりたいと手を挙げれば任せてもらえますし、上司から指示されたことに取り組むだけでなく、自分の想いを込めて取り組める仕事もたくさんあります。大手企業のリソースを活用しつつ、風土はベンチャー企業という感じでしょうか。チャレンジ精神のある若手にとっては、ピッタリの環境です。大手企業とベンチャー企業のそれぞれの良さを活かしながら活躍できる環境が整っています。

入社1年目の秋に、全社を巻き込む1000名規模の冬インターンの責任者に

―入社してから今までの間に「ラクではないが力がついた」と思う経験を教えてください。

入社1年目の秋ごろ、技術系のインターンを任せてもらったときです。技術系の新卒採用では夏と冬に大規模なインターンを実施していて、選考スケジュールでも重要なイベントと位置づけています。そんなイベントを任せてもらい、大変でしたが力がつきました。

新卒採用の冬インターンは、採用担当が実施するのではなく、各部署の社員が学生を現場に受け入れます。参加する学生も数百名ほどで、協力する社員も1000人規模。その中で採用担当の役割は、インターンを通じて学生に伝えたいメッセージを考えるなど全体像を企画し、それを各部署の社員に伝え、実行してもらうことです。現場社員も通常業務をしながら学生を受け入れるので、負担は小さくありません。そんな中でもインターンの意義を伝え、例えば「従業員でもなかなか入れない場所を学生に見学させてほしい」といったお願いをしながら、インターンをより良くしていくことが採用担当には求められます。

企画を進めていく過程では、入社1年目の自分がお願いしてやってもらえるだろうかという不安もありました。しかし私は、Hondaのインターンに参加したことで貴重な学びを得たからこそ、Hondaへの入社を決意しました。このインターンの良さを、できるだけ多くの学生に知ってほしい。そんな想いを大切にしながら、どういったメッセージを学生に伝えたいのかを整理し、現場社員にお願いしました。

冬インターンの最終日、栃木の事業所にて、満足そうな表情で帰路につく学生たちを見てとても充実感を覚えました。この経験で学んだのは、仕事に自分の意思を入れていくことの重要性。指示されたことをうまくやろうとするのではなく、自分なりの想いを乗せ、粘り強く周囲を巻き込んでいくこと。そうやったからこそ、最終的に大きなやりがいを感じられたのだと思っています。

Hondaには「4割任用」という考え方があり、完璧にできなくても、4割ほどできそうならどんどん任せていく風土があります。最初はできなくても、経験を通じて成長していけばいいと。任されてから最初のほうは大変ですが、自分にとってもこの経験を通じて大きく成長できたと感じています。

―得られた経験をもとに、渡邊さんは今後どのようなキャリアを歩んでいきたいですか。

モビリティ業界は、大変革期を迎えています。モビリティそのものの形状や存在意義が、これまでと180度変わろうとしている時代に私たちは生きています。そんな状況はピンチとも言えますが、Hondaはピンチとも言える状況をポジティブに捉えているのが印象的だと感じています。

実際にこれまでの歴史でも、Hondaはピンチの時期を多く迎えてきました。しかしそのたびに、これまで世の中になかった革新的なアイデアを生み出し、ピンチをチャンスに変えてきました。だからこそモビリティ業界が大変革期と言われている今も、Hondaにとってはさらなる飛躍を遂げる大きなチャンス。そう思って私も入社していますし、周りにも同じ想いの社員が多いと感じています。

こうした変革期において、新卒採用を担当する私の役割は、未来のHondaをつくる人材を採用していくこと。自分の影響でHondaへの入社を決めてくれた社員が活躍することで、Hondaの新たな未来がつくられていくわけです。そこにロマンを感じますし、就活時に思い描いていたイメージに近い仕事ができています。これからもっと成長することで、より大きなインパクトを与えられるようになっていきたいですね。

「人間尊重」を基本理念に掲げるHondaには、若手を尊重し、責任ある仕事をどんどん任せていく風土があります。実力主義でどんどんチャレンジできますので、意欲的な方とぜひ一緒に働きたいです。私も人事として、より柔軟で、より多様な施策を実施することで、世界中で活躍する従業員をサポートしていきたいです。それが、Honda、ひいては社会のさらなる発展への貢献につながることを夢見ています。

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《check!》Honda(本田技研工業株式会社)の「若手ホワイト企業」環境

・入社1年目から大規模プロジェクトを牽引する「若手抜擢環境」

・経験を通じて成長を促す「4割任用」で、早期に力がつく「20代の成長環境」

・大手のリソースを活かし、ベンチャー気質で挑戦できる「20代の活躍環境」