【企業概要】株式会社タイミー
「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスポットワークサービス「タイミー」を運営。リリースからわずか数年でワーカー1,200万人・導入事業者20万社(※2025年10月末時点)を超える働くインフラへと急成長。2024年には東証グロース市場へ上場を果たし、今後は既存事業で得たアセットを元に「はたらく」にまつわるあらゆる社会課題の解決を目指す。
【インタビュイー プロフィール】株式会社タイミー 代表取締役 小川 嶺氏
2017年、20歳でアパレル関連事業の株式会社レコレを創業。翌年事業転換を決意し、2018年8月にスポットワークサービス「タイミー」をローンチ。社会のニーズを的確にとらえ早期にPMFを実現し、会社を大きく成長させる。2024年7月には創業7年・27歳3ヶ月にして、東証グロース市場へ最年少ユニコーン上場(※独立の企業として)を果たす。自身の原体験を基に、「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンの実現に向けて事業を推進している。
「人生の時間は有限」―祖父の死と日雇いバイトの原体験が、社会を変える着想を生んだ
――まず、小川代表がタイミーを創業されるに至った経緯について教えていただけますか。
私自身、18歳までは本当に起業のきの字も知らず、起業家になるなんてことは考えずに、小中高とサッカーだけをやってきた人生でした。
そんな中、高校3年生の時に大好きだった祖父が亡くなったことが、自分の人生を見つめ直す大きなきっかけになりました。3歳の頃から将棋を教えてもらうなど、まさにおじいちゃん子だったのですが、祖父の死に際に立ち会えなかったことが本当に悔いが残ったんです。その時、「人生の時間は有限だ。自分もいつ死ぬか分からない」ということを強く意識しました。
そしてもう一つ、祖父の生い立ちを調べていく中で、私の家系が「小川乳業」という牧場を営んでいたことを知りました。しかし、その事業はうまくいかずに会社をたたんでいて、祖父はその話をほとんどしてくれませんでした。この「人生の時間は有限である」という気づきと、「小川家を復活させたい」という想い。この二つが自分の中で強い原動力となり、起業家として世の中のためにこの時間を費やしていきたいと考えるようになったんです。
――そこからすぐにタイミーの着想を得たのでしょうか?
いえ、大学に入ってからは様々なインターンをしたり、学生団体を立ち上げたりしながら、ビジネスコンテストに出場しました。そこで優勝したのが、アパレル系の事業プランです。1年ほど頑張りましたがなかなかうまくいかず、事業を継続するかたたむかの二択に迫られました。
その時、自分が人生をかけてやりたいことは何かと考え直したんです。世の中に代替手段があるものではなく、「自分にしかできないもの、自分が作らないといけないもの」でなければ、起業する意味がない。そう思い、その会社はたたむという意思決定をしました。
当時は本当にお金がなかったので、物流倉庫やコンビニなど、様々な場所で日雇いバイトをしていました。今でこそタイミーがありますが、約8年前は、日雇いの仕事をするためだけに面接に行き、履歴書を書き、給料がもらえる日もまちまちでした。実際に働いてみて、「働きたい時にすぐに働けて、すぐにお金がもらえるサービスは絶対にあるべきだ」と、まさに自分が欲しいと思った。これが、タイミーというサービスを立ち上げた直接のきっかけです。
若く、泥臭く、優秀であれ。タイミーの急成長を支える抜擢文化と経営人材戦略
――個人の強い想いから始まったサービスは、今や社会に欠かせない存在となりました。
はい。人手不足や働き方改革といった時代の後押しもあり、タイミーは今や1,200万人以上の方にご利用いただき、20万社を超える企業様に導入いただく、まさに働くインフラと呼べるサービスに成長することができました。この急成長の原動力は何か。それは、タイミーのDNAともいえる組織文化と、そこに集まる人材です。
私たちは「日本で最も若く優秀なメンバーが集まる会社」を作れているという自負があります。私自身も若いですし、経営ボードも上場企業の中では明らかに若い。普通の会社なら自分より20歳も上の人が上層部を占めているかもしれませんが、タイミーでは年齢に関係なく、実力のあるメンバーをどんどん引き上げていく抜擢文化が根付いています。だからこそ、自分より優秀な年が近い上司がいる、そんな刺激的な環境が当たり前にあるのです。
そして何より、私たちは泥臭さと現場主義を大事にしています。私自身も、現場に行き、働く人々が何に困っているのかを肌で感じ、それをどう解決できるかを考えることに最もエネルギーが湧いてきます。新規事業は机の上で生まれるものではありません。
――そのカルチャーの中で、新卒の皆さんにはどのような役割を期待していますか?
私たちが新卒採用に力を入れるのは、彼らがこの会社の未来の経営人材であり、カルチャーの中心を担う存在だと確信しているからです。
私たちは「厳選した仲間に、本当に経営人材としての挑戦の機会を渡したい」と考えています。その証拠に、半年に一度の評価では私自らが新卒一人ひとりの活躍を直接チェックしますし、現場で考えたアイデアを役員に直接プレゼンできる「ミッション認定委員会」という制度も毎月設けています。会社の未来を創る経営人材として、主体性を何よりも重視しているのです。

安定は、挑戦のために。第2創業期からグローバルへ、働くの可能性を広げる未来
――そうした強い組織を持つタイミーは、今後どこへ向かうのでしょうか。
タイミーは今、まさに第2創業期に突入しています。2024年の上場までは、タイミーという一つのプロダクトで走り続け、巨大なデータベースという基盤を築きました。これからは、その安定した基盤とアセットを活かして、次の事業の柱を創っていく挑戦のフェーズです。会社の熱量が全く違うのは、これが多くの事業の中の一つではなく、第2の柱を全社一丸となって創りに行く初めての挑戦だからです。
私たちのビジョンは「一人ひとりの時間を豊かに」すること。そして、その実現のためのミッションが「『はたらく』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」ことです。以前、私自身もタイミーで働いた物流倉庫で、キャリアの広がりに悩むポテンシャルの高い若者に出会いました。タイミーが、このような方々の働く可能性を広げたい。資格取得を後押ししたり、新たなキャリアを提案したりすることで、その人の力だけでは辿り着けない場所へ伴走したいのです。
この挑戦は、日本に留まりません。将来的には、日本で得たノウハウをグローバルに広げ、世界トップの会社を目指します。
これからの日本を元気にできるかは、私たち若い世代にかかっています。同じ船に乗り、大きな旅をしながら、この国を少しでも良くしていく。そんなワクワクする挑戦に、皆さんの力を貸していただけたら嬉しいです。

