日本イーライリリーの企業研究

今回ご紹介するのは、米国インディアナポリスを本拠地とし、世界125ヵ国以上に医薬品を提供するグローバルな製薬企業の日本法人で有名な日本イーライリリー。

この記事を読んでいる方の中には、日本イーライリリーへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、日本イーライリリーの経営理念や同じ製薬業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある製薬会社の中で、なぜ日本イーライリリーなのか 」という質問への対策を考えましょう。

日本イーライリリーについて深く知るために、まずは日本イーライリリーの経営理念を確認しましょう。そこから日本イーライリリーが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

日本イーライリリーの経営理念は、以下の通り。
『日本イーライリリーは、情熱と意欲に満ちた社員が提供する、革新的医薬品と意義あるソリューションを通じて、個々の患者さんの治療効果を向上し、顧客にとって最も価値ある信頼されるパートナーになることをめざします。』（日本イーライリリー　経営理念ページより引用）

ここからわかるポイントは、革新的な医薬品と意義あるソリューションを通じて、人々の人生に違いをもたらそうという同社の志です。そのため、日本イーライリリーでは、「信頼と期待をベースに常に成長を目指し続ける人」「仕事を通じた大きな達成感を得たいと考えている人」「常に勇気を持って、凛々しく生きる人」を求めています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。
・日本イーライリリーを通して、世の中に成し遂げたいこと
・周囲からの信頼と期待に応え、リーダーシップを発揮した経験
・勇気を持って新たな領域に挑戦し、革新的な成果を得た経験


次に、製薬業界における競合会社と比較してみましょう。
今回は、同じく外資系製薬会社のトップを走るノバルティス　ファーマ（スイス）と比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

日本イーライリリーは、世界125ヵ国以上で事業展開する医薬品のリーディングカンパニーである、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの子会社。人々が健康的に長生きし、充実した生活を送ることができる革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を行っています。
同社は「研究開発こそ企業の魂である」というイーライリリー・アンド・カンパニー創業以来の理念を元に、他社に先駆けて、社外の研究機関や大学等との協力による創薬を目指すオープン・イノベーションを実践し、日本国内での研究開発に注力する等、その独自の開発力を強みとしています。
また、同社はGPTW（Great Place to Work）ジャパンが主催する「働きがいのある会社」の調査において、平成28年度までに10年連続で上位にランクイン。同社は「最高の顧客経験を生み出すものは、社員の情熱と意欲」という考え方を持っており、社員が働きがいを持って仕事に打ち込める職場環境に配慮しています。中でもダイバーシティを推進しており、特に女性がリーダーとなって活躍ができる組織作りに取り組んでいます。
対するノバルティスは、スイス・バーゼル市に本拠を構え、世界180ヵ国で事業展開するヘルスケアのグローバル企業。日本のノバルティスファーマは、ノバルティス医薬品部門の日本法人として、医薬品の開発から輸入、製造、販売を行っています。
ノバルティスは、製薬業界でも最も強力な開発パイプラインの1つを擁し、専門家達からも常に高い評価を受けています。革新的な新薬を生み出すことを目指して多額の研究開発費を投じており、現在、開発パイプラインには約140を数えるプロジェクトがあるとか。日本では約30のプロジェクトが進行しているそうです。

続いて両社の財務状況を見ていきましょう。
日本イーライリリーの売上高は2,276億7,000万円（平成27年度）であるのに対し、ノバルティスファーマーは2,915億円（平成26年12月期）という結果に。
一方で本社の業績は、イーライリリー・アンド・カンパニーが196億1,560万米ドル（平成26年度）のところ、ノバルティスファーマーは494億米ドル（平成27年度）で倍以上の売上高となっており、日本で互角の戦いをしている日本イーライリリーの健闘ぶりが伺えます。
当期の日本イーライリリーは既存製品が堅調に推移し、対前年比売上13％増で製薬業界3 位以内の成長率を6 年連続で達成。各国で展開するイーライリリーの中でも、日本市場は米国に次ぐ売上を誇っており、世界の中でも重要な位置を占めています。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
新薬開発のハードルが上がる中、上市にこぎつけても大きな売り上げが期待できなくなっている等、日系製薬企業の展望は長期的に厳しい状況となることが予測されているようです。
今後は、今までのビジネス延長線上を超えた業態変革が必要になると見られており、自社の強みにより集中した医薬品を治療プロトコル全体で医療技術として供給することや、研究領域内におけるオープンイノベーションを前提とした他社とのグループ形成をはじめ、製造領域の高度医療製品供給ができる企業を他社と共に設立する等の取り組みが求められていくと見られています。 ここまで日本イーライリリーについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。