ドリームインキュベータの企業研究

今回ご紹介するのは、数少ない日系の戦略コンサルティング会社で、ベンチャーキャピタル業務や自らの事業会社運営で有名な、ドリームインキュベータ。

この記事を読んでいる方の中には、ドリームインキュベータ（以下DI）への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか 」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、DIの経営理念や同じコンサルティング業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数あるコンサルティング会社の中で、なぜDIなのか」という質問への対策を考えましょう。

DIについて深く知るために、まずはDIの経営理念を確認しましょう。そこからDIが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

DIの経営理念は、以下のとおり。
『一、人々の役に立つ(事業に存在理由がある)
二、利益を創出する(事業が付加価値を生む)
三、成長する(事業が社会的影響を持つ)
四、分かち合う(事業が社会に調和する)』（DI企業情報　社是より引用）

求められる人物像は、「人間力」「構想・戦略策定力」「社内外ドライブ力」「他人に無い "何か"」 の4点。（DI採用情報　「求める人物像」より引用）

DIのミッションは、世の中に大きなインパクトを与えるような事業を創造していくこと。従って、優れた構想を紡ぎ出すだけでなく、実現のためにリソースを集め、先頭に立って周りをドライブしていくことが必要です。"明日の日本を創る"ことを他人事と思わないマインドセットを持つこともDIのビジネスプロデューサーとして活躍するために求められているでしょう。

ですから、経営理念や求める人材像に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の2点です。
・自分が中心となって周りを巻き込み、インパクトを与えた経験
・問題に立ち向かい、それを解決するような策を生み出した経験


次に、コンサルティング業界の中でDIと競合会社とを比較してみましょう。
DIは、外資のようで実は部類としては国内コンサルに当たるのですが、実質競合するのは外資コンサルのボストンコンサルティンググループ（以下BCG）等。
実はBCGの日本代表であった堀紘一氏が同社の精鋭幹部を引き連れ、平成12年に創立した企業がDIです。同社は、成長に関わるテーマを中心に、企業に対するコンサルティングや事業・産業プロデュース等のプロフェッショナルサービスを提供しています。他にも、リバースサプライチェーンや知的財産権への投資、コンテンツマネジメント等の事業をグループ会社で行っています。
DIのコンサルティングの特徴としては、戦略コンサルティングをベースとしつつも、ビジネス環境の変化を捉え、産業を越えた視野・発想で企業や政府と連携しながら事業、産業の創出を目指すビジネスプロデュース、産業プロデュースという点があります。
また、強みとしては、経験豊富なコンサルタントが引っ張っている企業であることが挙げられています。先述したように、堀氏がBCGの精鋭を連れて設立した企業と言うこともあり、優秀な社員が多く存在しているようです。また、そのような優秀な社員をまとめているのが、共通理念であり、そういった点も強みであると言えるでしょう。
対するBCGは、昭和38年に設立されたアメリカ・ボストンに本社を置くコンサルティング会社。日本においては50余年の歴史を誇りますが、それもそのはず、ボストンに次ぐ拠点として早々に東京進出を果たしていたからです。近年は名古屋にもオフィスを新設し、日本の存在を重視していることが伺えます。
そんな同社の特長は、グローバルネットワークで築いた産業や経営機能の豊富な知識に加え、ローカライズに対応する柔軟性でしょう。特に日本においては広く深い経験を積んでおり、外資系の中でもその順応性の高さから、多くの日本企業の信頼を勝ち得ているようです。

続いて、両社の財務状況を見てみましょう。
平成28年3月期の売上高はDIが 連結126億9,100万円となっており、同社の事業の柱であるコンサルティング事業が過去最高の売上高を記録。また、もう1つの柱のインキュベーション事業においては2社IPOしたものの、そのうち1社が翌期に持ち越したため業績には含まれていません。また、同事業の保険セグメントも堅調に推移しているようです。
翌年度の見通しも明るいようで、コンサルティング事業は継続成長が予測されており、IPOについても複数社を見込んでいるとのこと。
一方、BCGについては本社の売上高のみ公表されており、平成27年度は50億ドルとなっています。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
コンサルティングファームの大半は、アメリカやヨーロッパを拠点にグローバルな展開をしてきています。ただし各ファームのローカライゼーションも徐々に進み、現在は単に欧米の経営知識やコンセプトを輸入するだけでなく、より日本のクライアントが抱える悩みに密着した経営コンサルティングを手がけています。
以前は、大企業の経営者相手に綿密な分析と提案をプレゼンするといった業務が主なイメージでしたが、現在は提案するだけでなく、クライアントの中に入り込んで戦略の実行面までサポートするために、現場に赴くような面も多いようです。
何よりここ数十年の間に戦略ファーム自身が、時々刻々と変わる"クライアントの求めること＝マネジメントが抱える様々な経営課題の解決"を通じて自分自身を成長させ、対応できる力を身につけてきたことが、実行面まで担保できるようになった大きな要因だと考えられます。

ここまでDIについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考フロー