日建設計の企業研究

今回ご紹介するのは、都市の政策提言から、街づくり、事業計画、建築の設計監理、インテリア・ファニチャーデザインまでワンストップで担う総合設計事務所で有名な日建設計。

この記事を読んでいる方の中には、日建設計への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、日建設計の経営理念や同じ建築設計業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある建築設計会社の中で、なぜ日建設計なのか？」という質問への対策を考えましょう。

日建設計について深く知るために、まずは日建設計の経営理念を確認しましょう。そこから日建設計が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。
日建グループの企業理念は、以下の通り。
『価値ある仕事によって社会に貢献する
それを通じて個人は成長する
会社も発展していく』

さらに日建グループのビジョンも見てみましょう。
『社会環境デザインの先端を拓く
グローバルデザインファームズ』

これは日建グループが目指す「これからの方向性」を表現するものとなっています。
加えて日建グループのMotto－行動規範－となるべきものが挙げられおり、それは「more than creative」と呼ばれています。
『more than creative

私たちは社会と顧客の要求を深く洞察し困難な課題に果敢に挑戦する
私たちは不易流行の精神に基づき新しい価値と文化を創造する

私たちは常に技術を磨きプロフェッショナルとして互いに信頼し尊重する
私たちは社会や家族の豊かな生活を求め続ける

私たちは外部資本の影響を受けず公正中立を堅持し続ける
私たちは社会環境デザインの先端を拓く専門家集団として世界で活動する』 （日建設計　企業理念ページより引用）

ここからわかるポイントは、「プロ意識」「チャレンジ精神」「社会貢献」の3点。
日建設計の社員として顧客のために尽くし、会社の目標達成のために挑戦し続ける。その結果として、社会の発展に貢献する。行動規範に基づいた自らの行動が、顧客のため、会社のため、顧客のためにもなる。日建設計は、このような大きな志を持った人物を求めているのです。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。
・日建設計通して作りたい、建築や都市、豊かな時代についての思い
・リーダーシップを発揮して、チームをまとめ何かを達成した経験
・既存の状態に満足することなく、新たな領域にチャレンジした経験


次に、建築設計業界における競合会社と比較してみましょう。
今回は、同じく組織系建築設計事務所である日本設計と比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。
初めに日建設計の事業内容について見てみましょう。
日建設計は、建築の企画・設計管理をはじめ、都市・地域計画とこれらに関する調査や企画コンサルタントを行っています。国内首位、世界でもトップクラスに君臨し第3位に位置しています。
同社は創業時より住友系企業との結びつきが強い他、国家プロジェクトレベルの大規模開発の計画や設計に携わっており、近年では東京スカイツリー等を手掛けています。また、海外展開も積極的で、ASEANやロシア等で都市再開発事業を拡大させています。
平成28年度は新しい中期経営計画の初年度となり、グローバルマーケティングセン タ－（GMC）を設置し「Global Design Firm」の実現に向けた取り組みを始めています。
対する日本設計は、建築、造園、土木と、これらに関する設備、構造、インテリア等の企画・設計・工事監理と調査鑑定をはじめ、都市・地域計画・都市再開発事業計画等を行っています。
同社は旧日本興業銀行系で、京王プラザホテルや新宿三井ビルをはじめとする超高層建築のパイオニアと言われています。1980年代以降は、環境をテーマとした建築物を多く手がけ、愛知万博や社杯国際博覧会の日本館を手がけていることでも有名です。昨今は、虎ノ門ヒルズの設計を担当して話題に。
また、海外は中国、ベトナムに法人、ジャカルタに駐在事務所を構えています。
次に財務状況を見ていきましょう。
平成年12月期の設計監理収益は、日建設計が427 億円であるのに対し、日本設計は156億3,300万円（平成26年9月期）となっており、日建設計の規模の大きさが際立っています。
当期における日建設計の設計監理収益は、再開発案件を中心とする大型プロジェクト完了や、エンジニアリング部門による技術コンサルティング業務が堅実に推移したこと等により、近年の中でも最高水準となっています。



また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成27年度の業績は、大手建築設計事務所を中心に昨年から引き続いて業績を伸ばした設計事務所が際立っているのに対して、地域密着型の中小建築設計事務所は厳しい状況となっているようです。中でも設備系の技術者不足は深刻な課題となっています。
また、最近は発注方式が多様化しており、ECI（アーリー・コントラクター・インボルブメント、施工予定者技術協議）を取り入れた発注が増加。このECI方式は、「設計者が主体となっ て施工者と協働し、品質、コスト、工期をコントロールできる」というもので、コス ト削減や工期短縮に有効として評価されています。
さらに、コスト・品質の透明性を重要なものとして注目する発注者の思いにかなっていることから、設計者と施工者の新しい連携の姿として今後も更なる導入が進んでいくと見られています。

ここまで日建設計についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考フ