モルガン・スタンレー・ホールディングスの企業研究

今回ご紹介するのは、ニューヨーク拠点の世界的金融機関グループであるモルガン・スタンレーの日本法人、モルガン・スタンレー・ホールディングス。

この記事を読んでいる方の中には、モルガン・スタンレー・ホールディングスへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。
ここでは、モルガン・スタンレー・ホールディングスの経営理念や同じ投資銀行業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある投資銀行会社の中で、なぜモルガン・スタンレー・ホールディングスなのか？」という質問への対策を考えましょう。

モルガン・スタンレー・ホールディングスについて深く知るために、まずはモルガン・スタンレー・ホールディングスの経営理念を確認しましょう。そこからモルガン・スタンレー・ホールディングスが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

モルガン・スタンレー・ホールディングスの企業理念は、以下の通り。
『お客様の立場を第一に考え、個々のニーズを深く理解する』
（モルガン・スタンレー「マネジメントからのメッセージ」より引用）
また、企業指針では『一流のビジネスを、一流のやり方で』という理念を掲げています。
（モルガン・スタンレー「2015年度アニュアル・レポート」より引用）

ここからわかるポイントは、いかなる市場環境においても、国内外の多くの顧客へ価値ある金融ソリューションと商品を届けようという志です。求める人物像として考えられるのは、個人の能力はもとより「チームワーク」「強い精神力」を備えた人。「入社後新しいことを吸収し、柔軟に対応できるかどうか」という資質が重視されると思われます。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・モルガン・スタンレーを通して実現したい、価値ある金融ソリューションについて
・新たな領域に果敢に挑戦し、身につけた経験
・リーダーシップを発揮して、チームをまとめていった経験
・困難な状況に打ち勝ち、何かを達成した経験


次に、投資銀行業界における競合会社と比較してみましょう。
今回は、モルガン・スタンレーと同様、ニューヨーク拠点の名門投資銀行のひとつであるゴールドマン・サックスと比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

はじめに、それぞれのグループ全体の財務状況を見ていきましょう。
モルガン・スタンレーの平成27年度実績は、売上高が351億ドル、純利益が62億ドル、総資産は7,874億ドルとなっています。総資産は平成25年から減少傾向にありますが、売上高、純利益はともに平成25年から年を追うごとに増加しています。
対してゴールドマン・サックスの平成27年度の実績は、売上高が338億ドル、純利益が60億ドルとなり、平成28年初頭にかけ財務状況が悪化しています。

続いて、事業構造を見ていきましょう。
モルガン・スタンレーは、投資銀行、セールス＆トレーディング、リサーチ、資産運用業務を展開し、グローバル市場における財務アドバイスと、質の高い金融サービスを提供しています。クライアントとなるのは、政府や事業法人をはじめ、機関投資家や個人投資家など。日本市場では2010年に三菱UFJフィナンシャル・グループとの証券合併事業を開始しており、さらなる業務の拡大が図られています。
対するゴールドマン・サックスは、昭和49年に東京駐在員事務所を開設して以来、多様化する金融ニーズに合わせて業務の拡充を積極的に進めています。現在は、投資銀行業務、セールス＆トレーディング業務を中心に、投資業務、資産運用、不動産業務を展開。業界トップを独走するリーディング・カンパニーとして高いプライドを持っていますが、近年の財務状況の悪化から大幅な人員削減を実施しています。
モルガン・スタンレーは、ゴールドマン・サックスと比較するとやや保守的な印象もありますが、三菱UFJの資本補強を得るなど安定した基盤を強みに、今後さらなる進化が期待されています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
国内の金融業界を見てみると、平成25年から26年の業界規模は49兆4,890億円となり、平成21年から25年にかけ増加傾向となっています。リーマンショック直後の業界は、大手の外資系金融も厳しい状況が続きましたが、株高による活発な売買を背景に打ち勝ち、アベノミクス以降は回復傾向。銀行、証券、損保各分野にて堅調に推移し、より安定性を高めるためM&Aを検討する企業も増加しています。
しかしながら投資銀行業界全体としては市場成長の鈍化が見受けられ、コスト効率性の向上や高品質な商品開拓の強化、さらにはコアのファンに響くような独創的な商品の強化が求められています。また、海外に展開する各拠点においても、独自に採算が取れるようなビジネスモデルが求められています。

ここまでモルガン・スタンレーについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょ�