ヤンセンファーマの企業研究

今回ご紹介するのは、ジョンソン・エンド・ジョンソングループ（医薬品部門）の日本法人、ヤンセンファーマ。

この記事を読んでいる方の中には、ヤンセンファーマへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、ヤンセンファーマの経営理念や同じ製薬業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある製薬会社の中で、なぜヤンセンファーマなのか？」という質問への対策を考えましょう。

ヤンセンファーマについて深く知るために、まずはヤンセンファーマの経営理念を確認しましょう。そこからヤンセンファーマが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

ヤンセンファーマの経営理念は、ホームページ上の「ミッションとビジョン」に表現されており、以下に抜粋します。

『私たちの使命は、一人ひとりの生活を変容させ、疾患に対する管理、解釈、予防の方法を根底から変えることです。ヤンセンでは、何かを変えるにはそれに正面から取り組むのが良策であると考えています。そのため、毎日150カ国以上で、先端科学と業界有数の創造的な頭脳とを結集し、異なった観点から疾患の検討を行っているのです。ヤンセンは、革新を生み出すだけではなく、人々が情報に基づいた意思決定を下し、自分たちの健康にとって良い成果を得るために必要な手段の提供も目指しています。 情報に基づき積極的に判断を下せる患者さんによって医療界が改革されてゆく未来を私たちは見据えています。手頃な価格で得られる良い治療法である医薬品にアクセスしやすくなる変化の波を起こそうと私たちは努力しています。人々が必要としている効果的で手頃な価格の医薬品とそれに関連する医療サービスへのアクセス提供に私たちが努めているのは、そのためです。』（ヤンセンファーマ「ヤンセンのストーリー」より引用）

ここからわかるポイントは、医療用医薬品部門を担う会社として医療界にイノベーションをもたらし、患者さんの未来のために治療法や医薬品に変化の波を起こそうという志です。そのため、ヤンセンファーマは求める人物像として、「自ら考え、悩み、行動し、変化に対応できる人」「チャレンジングな目標を持ち、それに向かって努力できる方」「これまでの常識にとらわれず、新しいアイデアを積極的に発信できる方」というキーワードを掲げています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。
・ヤンセンファーマを通して実現したいイノベーションについて
・環境や状況の変化に対応しながら、主体的に行動した経験
・既存の状況に満足することなく、新たな領域にチャレンジした経験


次に、製薬業界における競合会社と比較してみましょう。
今回は、外資系製薬会社であるバイエルと比較してみたいと思います。
それぞれの事業にはどのような特徴があるのでしょうか。 はじめにヤンセンファーマは、世界最大のトータルヘルスケアカンパニー、ジョンソン・エンド・ジョンソングループに属します。日本ではグループの医薬品部門を担っており、手掛けるのは「循環器・代謝疾患」「免疫疾患」「感染症およびワクチン」「精神・神経疾患」「がん」の5領域。中でも中枢神経系に強く、心疾患やHIV、アルツハイマー型認知症や抗がん剤など、日本において積極的に新薬投入を働きかけています。また新薬開発には惜しみない投資を行うことで知られており、この背景にあるのは世界60カ国以上に275以上のグループ企業を有するジョンソン・エンド・ジョンソングループ。ヤンセンファーマの財務状況は非公開ですが、グループの非常に安定した経営基盤を持つことがわかります。
対するバイエルは、医療用医薬品、コンシューマーヘルス、動物用薬品の3事業から成り、医療用医薬品分野では、「循環器」「腫瘍・血液」「ウィメンズヘルスケア」「眼科」「画像診断」の5領域を展開しています。中でも循環器領域に強く、脳卒中発症を抑制する経口凝固剤をはじめ循環器疾患治療薬、多発性硬化症など難病への治療薬も手掛けます。ヤンセンファーマと同様に豊富な資金力を持ち、積極的な新薬開発および幅広いラインナップが特徴です。平成27年度決算では、2,393億円の売上高を計上しています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
主要企業73社の売上高による平成25年から26年の国内製薬業界の規模は10兆2,509億円となっており、平成24年から平成25年は増加傾向にあります。これまで国内の製薬会社は再編、統合、買収を繰り返しており、この背景には売上高3兆円を超える海外企業との競争の激化があります。海外企業に対抗するためには莫大な資金力と規模が必要であり、近年では業界首位の武田薬品工業が、米国バイオ医薬品会社、スイスの医薬品会社、米国URLファーマとその子会社19社を買収しています。承認審査の厳格化や技術革新の停滞の影響を受け、新薬の創出が難しくなっている現在、今後もこのような再編、統合、買収は加速するものと予想されています。
一方、外資系製薬会社の中には日本市場を重要拠点として強化する企業が多く存在します。潤沢な資金を武器に着実に日本国内市場に根付いており、新薬の品目数では日本勢を圧倒する勢いとなっています。

ここまでヤンセンファーマについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。