ブラザー工業の企業研究

今回ご紹介するのは、「働きがいのある会社ランキング2014年度」（GREAT PLACE TO WORK調べ）、従業員1000以上部門にて13位に輝いたブラザー工業。
昨年は17位にランクインしていましたので、さらに順位をアップしています。また同ランキングへのランクインも、4年連続を記録。注目の高さがうかがえます。
※ランキングは、Great Place To Work Institute Japan「「働きがいのある会社」ランキング」。

この記事を読んでいる方の中には、ブラザー工業への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。
会社概要　「企業」を知る　「採用情報」を知る
他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、ブラザー工業の経営理念や同じ家電業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある家電会社の中で、なぜブラザー工業なのか？」という質問への対策を考えましょう。

ブラザー工業について深く知るために、まずはブラザー工業の経営理念を確認しましょう。そこからブラザー工業が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

ブラザーグループのグローバル憲章は、以下の通り。
『ブラザーグループは、あらゆる場面でお客様を第一に考え、モノ創りを通して優れた価値を創造し、迅速に提供することを使命とする。ブラザーグループは、全体最適を実現するグループ戦略のもと、明確な共通の目標を持ち、自律的な企業として優れた経営を行う。ブラザーグループは、グローバルな市場から求められる多様な要請や期待にすばやく応えるために、あらゆる変革を恐れず、グローバルな視点で経営を行う。ブラザーグループは、積極的に情報共有を図り、定められた事業領域内で限られた経営資源を有効活用し、相互協力のもとお客様中心の事業一貫経営をグローバルに展開する。』（ブラザー工業　ブラザーグループ グローバル憲章ページより引用）

ここからわかるポイントは、消費者のニーズに耳を傾け、価値のある物作りを通して、グローバル市場で活躍しようという志です。そのため、求めている人物像として、「自ら考え、迅速に行動する」「情熱をもってやり抜く」「本質を見極められる」「モノ創りが好き」「世界を舞台に活躍する」といったキーワードを掲げています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・ブラザー工業を通して、世界に提供したい新しい価値について
・本質を重んじ、主体的に動いた結果、何かを成し遂げた経験
・情熱を持って困難に立ち向かい、乗り越えた経験
・グローバル市場で役に立つ、自分のスキルや個性


次に、家電業界における競合会社と比較してみましょう。
今回は、セイコーエプソンと比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

財務状況を見ていきましょう。
平成26年度のセイコーエプソンの売上高は、1,003,606 百万円。営業利益は、84,968百万円。対してブラザー工業の売上高は、616,834百万円。営業利益は、43,301百万円となっており、およそセイコーエプソンの1/2の規模となります。
両社はいずれも新興国でのプリンタ販売が好調で、増収増益を記録しています。

続いて事業構造を見ていきましょう。
セイコーエプソンは、大容量インクタンクモデルなどの稼働対数の増加があげられます。この分野は、ヒューレット・パッカードやキヤノン、ブラザー工業といったライバル企業が未だ参入しておらず、独占状態にあると言っていいでしょう。その他、法人向けプロジェクターも好調となっています。さらに、日米欧にて単価の上昇を図っている点も注目すべきでしょう。
対して、ブラザー工業はFAX、プリンタなどデジタル複合機を主軸としています。中国などで生産し、欧米中心に販売を行うスタイルで、海外売上比率が全体の約8割を占めています。両社を含めた大手各社は、新興国でのシェア争いをしており、その土地ごとのニーズや時代のトレンドをつかみ、新たな価値創造を行っていくことが成長のキーワードとなっています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成24年から25年度の家電業界の業界規模は、およそ60兆8104億円。
リーマンショックによる景気後退や、サムソンやLGをはじめとする韓国企業や台湾といった新興国の台頭によって、価格下落が加速しています。さらに円高による為替損失などが加わり、大手各社は業績不振を余儀なくされました。
大幅なリストラや、不採算事業の再編など、改革が進む家電業界。グローバル市場で打ち勝つためには、価格競争に陥らない独自の物作りが必須となっています。

ここまでブラザー工業についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。