カドカワの企業研究

今回ご紹介するのは、ドワンゴのniconico（ニコニコ動画、ニコニコ生放送）や、角川書店などのブランドを持つKADOKAWAの経営統合で有名な、カドカワ。

この記事を読んでいる方の中には、カドカワ への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要（2）「企業」を知る（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、カドカワの経営理念や同じ情報・通信業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある情報・通信会社の中で、なぜカドカワなのか？」という質問への対策を考えましょう。

カドカワについて深く知るために、まずはカドカワの経営理念を確認しましょう。そこからカドカワが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

カドカワの経営理念は、以下のとおり。
不易流行
「不易流行」は芭蕉が到達した俳句の理念ですが、角川書店の創業者・角川源義は、その精神を自らの出版事業の根源に捉え、実践しました。
新しさを極め続ければ変わらないものが見えてくる。変化を恐れずに挑戦し続ける心がカドカワ・スピリットです。
カドカワの経営理念を「不易流行」とし、その志を未来につなげます。
（カドカワページ　経営理念／行動規範より引用）

さらに、同社の行動規範を見てみましょう。
1.法令・社則・企業倫理を遵守する。
2.顧客の満足と信頼を得られる品質の高い商品やサービスを提供する。
3.取引先・得意先と公正・透明な関係を維持する。
4.市民として高い倫理観を持った企業行動を推進する。
5.反社会勢力とは一切の関係を持たない。
（カドカワページ　経営理念／行動規範より引用）

ここからわかるポイントは、「読者やその他の顧客から、満足と信頼を得られる品質の高い商品やサービスを提供することで、文化や社会の発展に貢献しよう」「良き伝統を守りながら、絶えず新しいものを求め時代とともに変化することで理想を創造する」という志です。

ですから、企業理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。
・カドカワを通して成し遂げたいことについて
・既存の概念にとらわれず、新たな領域にチャレンジした経験
・世の中や社会の課題を自ら考え、解決するために主体的に行動した経験
・情熱をもって取り組み、諦めずに継続することで、何かを達成した経験


次に、情報・通信業界における競合会社と比較してみましょう。
今回は、カドカワと同じく、出版事業以外に強みを持つ、ぴあと比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

はじめに事業内容を見ていきましょう。
カドカワは、「ネットとリアルの融合を目指すIT企業」の「ドワンゴ」と、「出版から総合メディア企業を目指す」「KADOKAWA」の共同株式移転による持株会社として設立。主な事業は「書籍IP事業」「情報メディア事業」「映像IP事業」「ポータル事業」「ライブ事業」「モバイル事業」「ゲーム事業」「その他事業」と広範囲に渡る事業展開を行っています。今後も、さらなる成長戦略を推進するため平成29年3月より「Webサービス」「出版」「、映像・ゲーム」に事業の柱を変更していく予定に。
そんな同グループの強みは、出版や映像領域でつちかってきた編集力とIPの創出により、「ユニークなコンテンツをマルチメディアに展開し収益化させるノウハウがあること」、高度なネットワーク技術から独自のネットサービスを生み出しリアルイベントと融合させるなど、「ユニークなITサービスを創出できること」。
今後はさらに成長が期待できる電子書籍や動画配信、ゲームなどのネット・デジタルという領域で優れたコンテンツとネットワーク技術を活用し、新たなビジネスの創造による事業の拡大を図っていくとのことです。

対する、ぴあは、レジャー・エンターテインメント領域のムックや書籍の刊行やWEBサイトの運営を行う「メディア展開」をはじめ、音楽・スポーツ・演劇・映画・各種イベントなどの「チケット販売」や、コンサートやイベントの企画・制作・運営を行う「コンテンツビジネス」、チケットぴあのノウハウなどを活かした「ソリューションビジネス」を主軸に様々な事業を展開しています。
同グループのビジネスモデルは、同社発行の各種情報誌、提携コンビニエンスが発行するフリーペーパー、ECサイト、提携 コンビニエンス店舗、チケットぴあ店舗やコールセンターなどを通して、お客様・権利者・興行主催者の三方面に対してサービス、ソ リューションを提供することでレジャー・エンタテインメント市場の活性化を促進していることでしょう。
さらに、同社保有のデータベースを活用した興行主催者に対するチケット販売 サービスの提供、プロモーション、顧客管理戦略の立案など、IT技術を活用した様々なソリューションビジネスの展開などコンテンツビジネスも推進・拡大しています。

次に財務状況を見ていきましょう。
平成28年3月期の売上高は、カドカワが連結2,009億4,500万円であるのに対し、ぴあは連結1,386億2,400万円。一方で営業利益は、カドカワが連結 91億2,400万円のところ、ぴあは連結15億2,700万円で、売上高と営業利益ともにカドカワが大きく上回る結果となっています。
カドカワの前連結会計年度が6ヶ月であるため、前年度比の増減は明確ではありませんが、「出版事業の収益性は順調に回復」していることや、直営の電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」で「売上と利益の伸長を続けている」こと、 映像IP事業で扱っているDVDやBlue-rayの販売が堅調に推移したほか、 dアニメストアなどの映像配信収入や海外へのアニメ版権ビジネスが大きく伸長し、業績に大きく貢献する好材料が出そろっていることが伺えます。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成27年度の電子書籍市場は1584億円で、前年比25.1%増。一方、電子雑誌市場規模は242億円で同66.9%増と驚異的な成長を見せており、電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は1,826億円に。今後も同市場は拡大傾向にあり、平成32年には平成27年の1.9倍となる3,000億円程度になると見込まれています。
背景には、スマートフォンやタブレットなどデバイスの進化や保有者の増加に加え、電子書籍ストアにおけるマーケティングが高度化していることや、紙書籍との同時発売の増加、セルフパブリッシングの拡大などが挙げられています。

ここまでカドカワについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考フ