シンバイオ製薬の企業研究

今回ご紹介するのは、抗がん剤を始めとした薬品開発で知られるシンバイオ製薬です。

この記事を読んでいる方の中には、シンバイオ製薬への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、シンバイオ製薬の経営理念や同じ製薬業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある製薬会社の中で、なぜシンバイオ製薬なのか？」という質問への対策を考えましょう。

シンバイオ製薬について深く知るために、まずはシンバイオ製薬の経営理念を確認しましょう。そこからシンバイオ製薬が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

シンバイオ製薬のビジョンは、以下の通り。
患者さんの顔が見える新薬の開発、その中でも私たちは特に治療が困難とされる疾患に焦点を合わせた新薬の開発を目指します。
（シンバイオ製薬　ビジョン・シンバイオの夢ページより引用）

ここからわかるポイントは、患者数は少なくとも真に医療ニーズの高い新薬を開発し、医療の現場に提供することにより「空白の治療領域」に光をあてようという志です。そのため、「患者さんを中心にした、共創・共生の志への共鳴」「飽くなき挑戦心」を持った人材を求めています。

ですから、企業理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。
・シンバイオ製薬のグループ企業理念への共感
・既存の状況に満足せず、新たな領域にチャレンジした経験
・新薬の開発を通して、社会に成し遂げたいことについて

次に、製薬業界における競合会社と比較してみましょう。
今回は、売上高の規模が近いカルナバイオサイエンスと比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

まず、財務状況を見ていきましょう。
シンバイオ製薬の平成26年度の売上高は1,933百万円（前年比1.1％減）。対して、カルナバイオサイエンスの平成25年度の売上高は1,469百万円（前年比293％増）と、シンバイオ製薬の方が上回っています。従業員数も見ていきましょう。シンバイオ製薬は78人、カルナバイオサイエンスは58人となっており、いずれも100人以下の少数精鋭の風土を特徴としています。

続いて事業内容を見ていきましょう。
シンバイオ製薬は、治療が困難とされる疾患に焦点をあてた新薬の開発を手掛けています。特に、がん、血液、自己免疫疾患の３領域に強みを持っています。特徴は、他社から新薬候補品を取得して製品化する事業形態です。
対して、カルナバイオサイエンスは、キナーゼ酵素販売や検査受託などの支援事業を主軸に展開していましたが、近年、創薬事業がようやく成果を上げ始めたため、急速な成長を遂げています。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成25年から26年の製薬業界の業界規模は、およそ10兆2509億円となっています。
国内の製薬市場は、海外市場と比較すると未だ小さく、国内首位となる武田薬品工業も、世界ランクで言えばトップ10圏外となっています。
製薬業界は、新薬の開発をするために膨大な資金力を必要としており、規模の大きさが一つのキーワードとなります。そのため、昨今の製薬業界は、再編、統合、買収を繰り返しています。
対して、シンバイオ製薬のように小規模の製薬会社は、大手が手をつけない分野や検査受託など、特色のある事業展開が特徴です。承認審査の厳格化や技術革新の停滞によって、新薬の開発がより困難になっている昨今、競争はいっそう激化し、今後も生き残りをかけた業界再編は加速していくでしょう。

ここまでシンバイオ製薬についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。