長瀬産業の企業研究

今回ご紹介するのは、染料・合成樹脂等の化学品専門商社で有名な長瀬産業株式会社。

この記事を読んでいる方の中には、長瀬産業への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。
面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、長瀬産業の基本理念や同じ専門商社業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある専門商社会社の中で、なぜ長瀬産業なのか？」という質問への対策を考えましょう。

長瀬産業について深く知るために、まずは長瀬産業の基本理念を確認しましょう。そこから長瀬産業が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

長瀬産業の基本理念は、グループ共通の価値観として「NAGASE経営理念」「NAGASEビジョン」「NAGASEウェイ」から成っており、以下に抜粋します。
◆NAGASE経営理念
社会の構成員たることを自覚し、誠実に正道を歩む活動により、社会が求める製品とサービスを提供し、会社の発展を通じて、社員の福祉の向上と社会への貢献に努める。

◆NAGASEビジョン
社員の一人ひとりが、日々の活動で「見つけ、育み、拡げる」を体現することにより、「人々が快適に暮らせる安心・安全で温もりある社会」の実現に貢献する。

◆NAGASEウェイ
・常に顧客指向であれ
・常に独創的な挑戦者であれ
・常にグループ力の活用を考えよ
・常にグローバルに考えローカルに行動せよ
・常にシステムマティックに考えスピーディーに行動せよ
（長瀬産業「基本理念」より引用）

また、グループスローガンに”Bringing it all together”（あらゆる可能性を、カタチに）を掲げ、これに、無数の可能性をひとつにまとめあげるという考えを込めています。

長瀬産業が求める人材像は、「自ら考え、決断し、周りを巻き込みながら挑戦できる人」。常に最先端の技術・情報を世の中に発信することを使命とする長瀬産業の社員には、世界中を飛び回るバイタリティと、新しいものに対する好奇心が絶対必須条件であるとされています。（長瀬産業「求める人材」より引用）

ですから、基本理念や求める人材像に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の2点だと考えられます。
・周囲を巻き込んで行った取り組み、その中での困難や挫折、それを乗り越えた経験
・自分のこれからの夢と、それを実現するためにどのように歩んでいくか


次に、専門商社業界の中で長瀬産業と競合会社とを比較してみましょう。
今回は、独立性が強く自社ブランドを持つ加藤産業と比較してみます。 はじめに、両社の財務状況から見ていきましょう。
長瀬産業の平成28年3月期売上高は、連結742,194百万円（前年比2.3％減）、営業利益は連結18,024百万円（前年比0.7％減）となっています。これまで平成23年度から平成26年度まで増収増益を継続していましたが、平成27年度は国内販売・海外販売ともに不調となり、減収減益を記録しています。
対して加藤産業の平成28年9月期売上高は、連結953,153百万円（前年比2.9％増）、営業利益は連結7,939百万円（前年比11.1％減）となっており、平成24年から平成28年まで年を追うごとに増収減益を記録。売上高では加藤産業が長瀬産業を上回っていますが、営業利益では長瀬産業が加藤産業をはるかに上回っています。

次に、両社の事業内容を見ていきましょう。
長瀬産業は、機能素材、加工材料、電子、自動車・エネルギー、生活関連の5事業を手掛けており、国内外100社を超えるグループ会社の総力を活かし、多岐にわたる分野を展開しています。強みは、200年近い歴史から得た技術に対する深い造詣と目利き力。新たな分野を創造する強固な基盤を持つことから、他分野へ挑戦しやすい環境が整っています。
対する加藤産業は昭和22年設立と長瀬産業より歴史が浅く、総合食品卸売業を手掛けています。また、発売50年を超える自社オリジナル製品「カンピー」の製造販売も手掛け、ジャムを中心とするフルーツ缶詰等を展開しています。近年は新事業領域の開拓に注力しており、中でも海外市場、外食店舗、生鮮食品それぞれへの進出に積極的な姿勢を見せています。
両社ともに変革や挑戦に積極的に取り組んでおり、業界の中でも他社との差別化を図る前向きな姿勢がうかがえます。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成25～26年の専門商社の業界規模は、41兆2,127億円（国内236社売上高合計）となっており、平成21年から平成25年にかけ若干の増加傾向にあります。しかしながら、国内市場は将来的に飽和状態となることが予想されており、これにより生き残りをかけた再編が加速しているのが現状です。今後も合併や統合などは加速する見込みとされ、総合商社と比べて内需依存型のビジネスモデルから、新たな分野への挑戦も見られるようになっています。

ここまで長瀬産業についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 選考フ