東京汽船の企業研究

今回ご紹介するのは、東京湾フェリーを擁する海運会社、東京汽船。

この記事を読んでいる方の中には、東京汽船への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、東京汽船の企業理念や同じ海運業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある海運業界の会社の中で、なぜ東京汽船なのか？」という質問への対策を考えましょう。

東京汽船について深く知るために、まずは東京汽船の企業理念を確認しましょう。そこから東京汽船が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

東京汽船の企業理念は、以下の通り。
東京汽船株式会社は、曳船業のもつ公共的使命を認識し、以下を使命とする。
・海上の安全への貢献
・港湾の円滑な運営への貢献
・海洋環境の保全への貢献
（東京汽船「企業行動憲章　企業理念」より引用）

ここから分かるポイントは、船舶の安全航行を支援する曳船業者として、顧客の持つあらゆる海上安全のニーズに迅速に応えようという志です。

ですから、企業理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点だと思われます。
・東京汽船の企業理念への共感
・困難な状況に打ち勝ち、周囲の期待に応えようと努力した経験
・仲間と共に、ひとつの目標に向かって成長した経験


次に、海運業界における東京汽船と競合会社とを比較してみましょう。
今回は、売上高の規模が近い、乾汽船と比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

まず、財務状況を見ていきましょう。
平成27年度の東京汽船の売上高は連結125億円（前年比0.3％減）、営業利益は連結8億円（前年比23.3％増）となり、東京湾への入出港船舶数が低迷し売上高は減少したものの、原油価格の下落基調により燃料費が大幅に減少し、増益となっています。これまでも平成24年度から年を追うごとに売上高は減少していますが、会社の利益は年々増加傾向にあります。 対する乾汽船の平成27年度売上高は連結206億円、営業損益は35億円の損失です。外航海運事業、倉庫・運送事業ともに不調ですが、不動産事業においては増収増益となっています。

続いて事業内容を見ていきましょう。
東京汽船は、東京湾全域に展開する曳船大手です。久里浜港と金谷港を結ぶ東京湾フェリーの親会社として観光船事業も手掛け、海外では香港および中国本土にて国際合弁事業を行っています。これまで獲得した高い信頼が強みであり、国内外にて曳船業ネットワークを形成することで、日本最大規模の曳船船隊を運航しています。
対して乾汽船は、外航海運事業、倉庫事業、不動産事業を展開し、未梱包の穀物・鉱石・セメントを運ぶバラ積み船を主力としています。強みは、保有船舶の多くがハンディサイズであり、かつ全船にクレーンが設置されていること。これにより世界中の多くの港に入港することができ、他社との差別化が図られています。

また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成25年から26年の海運業界の業界規模は、5兆9,043億円（国内19社売上高合計）となっています。これまでの業界は「船余り」が問題視されており、リーマンショック前の好況時に発注した船が、数年かけて竣工した時にはリーマンショック後の需要減少状態に陥っていたという現状があります。しかしながら、平成24年末には円安傾向が追い風となり、続けて米国でのシェールガス増産がLNG船の需要拡大を生み出し、平成24～25年の業界は増加傾向となっています。

��こまで東京汽船株式会社についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。