任天堂の企業研究

今回ご紹介するのは、「平均年収ランキング」で第97位に輝いた、任天堂です。

この記事を読んでいる方の中には、任天堂株式会社への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、任天堂の経営理念や同じゲーム業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数あるゲーム会社の中で、なぜ任天堂なのか？」という質問への対策を考えましょう。

任天堂について深く知るために、まずは任天堂の経営理念を確認しましょう。そこから任天堂が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

任天堂の企業理念は、以下の通り。
『「お客様を良い意味で驚かせること、そして笑顔にすること」が、娯楽の世界で仕事をしている私たちの使命であり、そして喜びでもあります。』（任天堂株式会社　採用情報：社長からのメッセージより引用）
ここから分かるポイントは、「独創的」「柔軟性」「チャレンジ」の3点。
任天堂の社員として、顧客のために創造的なサービスが提供できるよう、常に新たな発想を持って仕事に取り組むこと。市場の変化に応じて変わり続けることができるような柔軟性を持ち、失敗を恐れず挑戦を続けていくこと。その結果、顧客を笑顔にする、任天堂の発展に貢献する、このような志を持った人材を任天堂は求めています。 ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• チームとしてどのような目標を立てたか
• 目標達成のためにチームとしてどのようなことをしたか
• 目標達成のために個人としてどのようなことをしたか
• 以上のような経験が、会社や顧客のためにどのように活かせるか

次に、ゲーム業界における任天堂と競合会社と比較してみましょう。
任天堂の競合と言えばソニーが浮かぶでしょう。
任天堂とソニー、どのように違うのでしょうか？

まず財務状況から見てみましょう。
平成26年度の売上高は任天堂が5,717億円に対して、ソニーのゲーム事業が9,792億円と圧倒的な強さで首位に君臨。2位以下を大きく引き離す結果となっています。一方で企業の儲けを示す経常利益に関しては、任天堂60億円、ソニー257億円と、双方ともにゲーム業界ランキングの10位圏内にかろうじて入るという状況に。
任天堂は家庭用ゲーム機「WiiU」が不振で、平成26年3月期は232億円もの最終赤字を強いられたものの、直近決算で保有する現預金は4875億円、短期保有有価証券も3106億円にも上るといいます。ネットキャッシュが7982億円、有利子負債はなんとゼロ。赤字が数年続いたとしても、財務上は全く問題ないようです。

次は両社の生涯給料を見てみましょう。
「生涯給料トップ500」（東洋経済オンライン調べ）によると、任天堂は3億3,254万円で第76位、ソニーは3億0460万円で第137位につけています。任天堂は5年前の試算に比べ3,559万円の減、一方のソニーは5,532万円減と、景気や業界等の外部環境の変化に対して下向き傾向にある、と判断されるような状況になっています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
任天堂は「課金制度で射幸心を煽るスマホゲームには承認できず」という考え方で、スマホゲームへの参入は見送っていますが、他の大手ソフトメーカーがスマホゲームの開発へと向かっていく中で、今後の出方が注目されています。
また、平成26年度は家庭用ハード「Wii U」が苦戦しましたが、ヒットシリーズ「大乱闘スマッシュブラザーズ」の投入や、RPGシリーズ最新作「Xenoblade X（ゼノブレイドクロス）」等、目玉ソフトの発売予定があるため、戦略の巻き返しを期待したいところです。

一方、ソニーは「Play Station 4」が全世界1000万台以上の大ヒットを記録し好調を期しています。さらに、上海自由貿易試験特区でのゲーム機販売が解禁されたタイミングで、「Play Station 4」と携帯型ハード「Play Station Vita」販売の予定をしており、日本企業の中でもいち早い参入を決めています。

中国市場への動きは最も注目すべきポイントで、任天堂も参入を検討中とか。今後も巨大な中国市場に対する各ゲームメーカー関連の動きに目が離せない状況と言えるでしょう。

ここまで任天堂についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 【選�