ベネッセコーポレーションの企業研究

今回ご紹介するのは、進研ゼミで知られる株式会社ベネッセコーポレーションです。

この記事を読んでいる方の中には、株式会社ベネッセコーポレーションへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、ベネッセコーポレーションの経営理念や同じ教育業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある教育会社の中で、なぜベネッセコーポレーションなのか？」という質問への対策を考えましょう。

ベネッセコーポレーションについて深く知るために、まずはベネッセコーポレーションの経営理念を確認しましょう。そこからベネッセコーポレーションが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

ベネッセコーポレーションの企業理念は、以下の通り。
Benesse「よく生きる」　
Benesse。それは、「志」をもって、夢や理想の実現に向けて一歩一歩近づいていく、
そのプロセスをも楽しむ生き方のこと。
私たちは、一人ひとりの「よく生きる」を実現するために、
人々の向上意欲と課題解決を生涯にわたって支援します。
そして、お客さまや社会・地域から支持され、なくてはならない企業グループを目指します。
（ベネッセコーポレーション グループ企業理念・行動指針ページより引用）

ここから分かるポイントは、「社会に対する想いや志をベースに、既存の考えにとらわれず新しいことを創造する力を持った人」の1点。
教育・語学・介護・出版等、さまざまな事業を通して、顧客の「よく生きる」の実現を支援しようという志です。特に、評論家ではなく自ら行動を起こせる「実行力」と、社会をどうしたいのかを本気で考え、結果にこだわって取り組める「完遂力」を重視しています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。
・ベネッセグループ企業理念への共感と、社会に成し遂げたいこと
・自ら社会の課題を見出し、主体的に行動し、新たな領域を切り拓いた経験
・常に成長意欲を持って、困難なことに立ち向かい、乗り越えた経験


次に、教育業界におけるベネッセコーポレーションと競合会社と比較してみましょう。
今回は、学研ホールディングスと比較してみたいと思います。両社の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

まず、財務状況を見ていきましょう。
2016年度のベネッセコーポレーションの売上高は、444,190百万円（前年比4.1％減）。
対して、学研ホールディングスの売上高は99,049百万円（前年比3.2％増）。ベネッセコーポレーションの圧倒的な規模の大きさがわかります。
ベネッセコーポレーションでは、個人情報の漏洩事故の影響により、今期売上高の49.6％を占める国内教育カンパニーの売上高が前期比13.2％の減収となりましたが、今期売上高の6.1%を占める海外事業開発カンパニーでは中国での通信教育講座の伸びにより、前期比29.1％の増収となっています。また、売上高の21.3％を占める介護・保育事業も順調な伸びを示しています。個人情報漏洩事故のダメージはやがて回復していくでしょうから、海外事業の伸びと合わせて今後の更なる発展が見込まれます。
対して、学研ホールディングスでは、売上高の17.0%を占める高齢者福祉・子育て支援事業の売上高が前期比15.3％増と好調で、その他も売上高の30.8％を占める出版事業が前期比3.0%増、売上高の27.8%を占める教室・塾事業が前期比0.4%増と堅調に推移しています。

続いて事業内容を見ていきましょう。
ベネッセホールディングスは、「進研ゼミ」をはじめとした通信教育業界の最大手として君臨しています。傘下には、語学教室「ベルリッツ」を保有しています。その他、首都圏で予備校を展開するお茶の水ハイスクールを買収、東京個別指導学院を連結子会社化しました。教育、介護、出版、生活支援など、多角的な経営が特徴です。海外戦略では、台湾、韓国、中国、インドネシアなどアジア地域を中心に進出しています。
対して、学研ホールディングスは、学習参考書や図鑑などでトップを誇る出版業界の大手企業です。さらに、塾・福祉・子育て支援を展開。高齢者向け住宅事業にも参入を果たしました。桐杏学園、東北ベストスタディ、タートルスタディスタッフ、ホットライン、秀文社を買収する他、インド、タイでの科学教室ビジネスが本格化しています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成25年から26年の教育業界の業界規模は、9237億円となっています。平成21年以降、増加傾向にあります。ただ。通信教育事業はやや規模が縮小傾向にあり、進研ゼミなどの通信教育に重きを置いているベネッセは、対応を迫られています。
教育業界は、小・中・高校生を対象にした「進学向け」と、キャリアアップを目指す「社会人向け」といった2つのカテゴリーに分けることができます。
「進学向け」は、少子化の影響はありますが、親が一人の子どもにかける単価は上昇しており、塾をはじめ、学校以外の教育機関を利用する子どもの数は増加しています。特に、中高一貫教育の人気の高まりに合わせて、中学受験は堅調な成長を見せています。対して、「社会人向け」は、語学学校の破綻が相次ぎ、再編が加速しています。長期的には国内市場は飽和状態となり、緩やかな縮小傾向が続くと見られており、今後も、「進学向け」および「社会人向け」共に、生き残りをかけた買収や、業務提携、海外進出などが加速していくでしょう。

��こまでベネッセコーポレーションについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきまし