中外製薬の企業研究

今回ご紹介するのは、バイオ医薬品で有名な中外製薬株式会社。

この記事を読んでいる方の中には、中外製薬株式会社への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、中外製薬株式会社の経営理念や同じ製薬業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある製薬会社の中で、なぜ中外製薬株式会社なのか？」という質問への対策を考えましょう。


中外製薬株式会社について深く知るために、まずは中外製薬株式会社の経営理念を確認しましょう。そこから中外製薬株式会社が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

中外製薬株式会社の企業理念は、以下の通り。
『中外製薬グループは、ステークホルダーの多様な期待に応える企業像を実現し、企業の社会責任を果たすべく、自らの存在意義（Mission）、価値観（Core Values）、目指す姿（Envisioned Future）をミッションステートメント（=企業理念）として掲げ、これを基点とした事業経営を展開しています。』
（中外製薬　企業理念ページより引用）

ここから分かるポイントは、「社会貢献」「価値観」「日本トップ」の3点。
医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献する。会社が掲げる価値観に共感し、尊重する。国内外において革新的な新薬を継続的に提供し、日本のトップ製薬企業を目指す。これが、中外製薬の信念です。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• 新しい価値の創造により社会に貢献するために、組織としてどんな努力をするか
• 会社が掲げる価値観を現実に反映させるために、個人としてどんな心がけをするか
• 日本トップの製薬企業となるために、組織としてどんな目標をたてるか

次に、製薬業界における中外製薬株式会社と競合会社と比較してみましょう。
中外製薬株式会社の競合といえば、エーザイ株式会社が挙げられます。
中外製薬株式会社とエーザイ株式会社はどのように違うのでしょうか。

まずは中外製薬とエーザイの財務状況を見てみましょう。
中外製薬の2014年1月から2014年12月末までの営業収入（売上高）は、461,109百万円であるのに対し、エーザイの2013年4月から2014年3月末までの営業収入（売上高）は600,363百万円と上回っています。
一方で営業利益は、中外製薬が75,859百万円のところ、エーザイは71,106百万円です。
中外製薬の方が、売上高に対する営業利益が高いのが特徴です。

次に事業内容を見てみましょう。
中外製薬は、バイオ医薬品をリードする研究開発型の製薬企業です。スイスの大手医薬品メーカーであるロシュ社と戦略的アライアンスを締結しており、国内外で積極的な医療用医薬品の研究開発活動を展開しています。「がん」「骨・関節」「腎」等の分野を戦略領域と位置付け、特に「アンメットメディカルニーズ（有効な治療法が確立されておらず、医薬品などの開発が進んでいない治療分野における医療ニーズ）」領域において、中外製薬の最大の強みである「バイオ・抗体技術」や「標的分子探索技術」といった最先端技術を用いて、独自性の高い革新的な医薬品の創出に取り組んでいます。

一方エーザイは、チョコラBBなどの一般用医薬品のイメージが強いですが、それらが全体の売上に占める割合は数パーセント程度で、大半を占めているのは医療用医薬品です。十分な治療法が確立していない疾病が多くある「神経領域」と「がん領域」を重点領域として研究開発資源を集中的に投入し、これらを中心に有用性の高い新薬を生み出す努力を続けています。また、必要な医薬品を必要とする人々に届ける「医薬品アクセス」に関する取り組みを積極的に行っていることも特徴です。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
近年の製薬業界では、脳卒中や心臓病から生活習慣病まで、あらゆる病気に対して世界中で新薬の開発が進んでいます。その成果のおかげで、薬の恩恵を受ける患者も増えています。

例を挙げると、抗がん剤の一つとして「カルムスチン」というものが開発されました。これはシールのような抗がん剤で、手術で腫瘍を取ったところに貼り付けて置くと、薬の成分が徐々に染み出してがん細胞に直接作用するようになっています。がん治療においては、腹腔鏡手術、ロボット手術、陽子線治療など、機械を使った治療分野も進化していますが、「薬」の分野でも飛躍的な進歩を遂げているのです。

また、花粉症を治すための医薬品も新たに開発されました。これまで花粉症には、症状を抑える薬しかありませんでしたが、「シダトレン」という薬を使った舌下免疫療法を行えば、根本的に治すことができるようになったのです。

ただ、新薬は患者に投与した実績が少ない分、リスクもあります。効果が高い薬ほど強い副作用が出る傾向にあり、使い方を誤れば命を落とす恐れもあるのです。医師や薬剤師の判断に任せるばかりでなく、患者自身がどんな医療提供を受けたいのかを考えていくことが重要です。

ここまで中外製薬株式会社についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。