農林中央金庫の企業研究

今回ご紹介するのは、農業協同組合（JA）、漁業協同組合（JF）、森林組合（森組）等の出資による協同組織の全国金融機関で有名な農林中央金庫です。

この記事を読んでいる方の中には、農林中央金庫への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、農林中央金庫の経営理念や同じ金融業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある金融会社の中で、なぜ農林中央金庫なのか？」という質問への対策を考えましょう。


農林中央金庫について深く知るために、まずは農林中央金庫の経営理念を確認しましょう。そこから農林中央金庫が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

農林中央金庫の企業理念は、以下の通り。
『会員のために金融の円滑を図ることにより農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資すること。』
（『経営理念｜農林中央金庫』より引用）

ここから分かるポイントは、JA・JF（漁協）・森組は「一人は万人のために、万人は一人のために」を合言葉にして農林水産業者が協同の力で経済的・社会的地位の向上を図ることを目的に作られたという点。
具体的には、市町村段階の協同組合と都道府県段階の連合会等を会員（出資団体）とする協同組織の全国金融機関であることを前提に、農林水産業の発展に尽くすということです。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• 企画立案力
• 統括管理力
• 地元に密着し地元のために様々な貢献ができるという意気
• 様々な業務分野においてサポート役をこなせる能力

次に、金融業界における農林中央金庫と競合会社と比較してみましょう。
農林中央金庫の競合といえば、全国農業組合連合会（全農）が挙げられます。
農林中央金庫と全農はどのように違うのでしょうか。

農林中央金庫の売上高は10,869億円、全農は50,851億円です。しかし農林中央金庫の経常利益が1,903億円なのに対して、全農の経常利益は132億円と農林中央金庫より1,771億円少なくなっています。これは、農林中央金庫が如何に事業管理費を抑え、事業外収支の管理を効率よく行っているかを示すものだと言えるでしょう。なお、全農はTPP問題等、前途多難な様相を呈しており、この点においても農林中央金庫は安心できる就職先だと思われます。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
金融業界の平成25-26年の業界規模（主要対象企業193社の売上高計）は49兆4,890億円となっています。平成17年から19年までは増加傾向で推移。19年から21年にかけて減少となり21年から25にかけて再び増加傾向に転じています。平成25年の金融業界は、消費者金融分野では横ばい、銀行、証券、損害保険、クレジットカード分野で増加傾向を記録しています。業界規模は、世界経済の回復に伴い25年には再び増加に転じ、同年の銀行業界はメガバンクを中心に堅実な推移を見せています。

ここまで農林中央金庫についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。