住友化学の企業研究

今回ご紹介するのは、創造的ハイブリッド・ケミストリーで有名な住友化学株式会社。

この記事を読んでいる方の中には、住友化学株式会社への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、住友化学株式会社の経営理念や同じ化学業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある化学会社の中で、なぜ住友化学株式会社なのか？」という質問への対策を考えましょう。


住友化学株式会社について深く知るために、まずは住友化学株式会社の経営理念を確認しましょう。そこから住友化学株式会社が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

住友化学株式会社の企業理念は、以下の通り。
『住友化学は、１. 技術を基盤とした新しい価値の創造に常に挑戦します。２. 事業活動を通じて人類社会の発展に貢献します。３. 活力にあふれ社会から信頼される企業風土を醸成します。』
（住友化学株式会社経営理念ページより引用）

ここから分かるポイントは、「創造」「挑戦」「社会貢献」「活力」の4点。
高い理想を持って成長を続けること。既存の状況に満足せず、更なる発展のために努力すること。提供するサービスを通して社会に貢献すること。積極的に課題に取り組む意欲。こうしたビジョンを持った人材を、住友化学株式会社は求めているのです。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• 住友化学株式会社の経営理念に対する理解と共感
• 新しい発想で課題に取り組んだ経験
• 社会に貢献したいという意思
• 自発的に課題に取り組み、成果を得た経験

次に、化学業界における住友化学株式会社と競合会社と比較してみましょう。
住友化学株式会社の競合といえば、三井化学株式会社が挙げられます。
住友化学株式会社と三井化学株式会社はどのように違うのでしょうか。

まずは両社の事業内容について見てみましょう。
住友化学株式会社は、基礎化学、石油化学、情報電子化学、健康・農業関連事業などの分野で化学製品を提供している会社です。主な製品は、各種工業薬品や合成繊維原料、ポリエチレン・ポリプロピレンなどの合成樹脂、液晶ディスプレイに使用される光学機能性フィルム・カ ラーレジスト、半導体製造過程で用いられるフォトレジストや高純度薬品、電子部品・電気自動車に用いられるスー パーエンジニアリングプラスチックス、農薬や肥料、飼料添加物など、多岐にわたっています。
三井化学株式会社は、高機能樹脂、電子情報材料、石油化学製品等を提供している会社です。自動車、電子・情報材料、生活・環境・エネル ギー、包装材料などの分野で事業を展開しています。主な製品は、省エネや軽量化を推進した自動車材料や、デジタル家電・IT機器の材料、医療容器・衛生材料・スポーツ関連商品などに使われる化学素材、シュリンクラベルやレトルトパウチ等の包装材料などです。

次に、財務状況について見てみましょう。
住友化学株式会社の平成26年3月期の売上高は22,438億円のところ、三井化学株式会社は15,660億円で、住友化学株式会社が上回っています。一方で、営業利益では、住友化学株式会社が1,008億円で営業利益率が4.5%のところ、三井化学株式会社は、249億円で1.6%です。こちらも住友化学株式会社が上回っています。売上高は「企業の事業規模」、営業利益は「本業で稼いだ利益」を意味しますので、売上高に対して営業利益が多い企業は、コスト管理が成功していると言えます。この点も、住友化学株式会社の強みだと言えます。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
アジア市場の需要拡大によって好調であった化学業界は、平成20年に入り、世界的な原油価格の高騰で石油化学事業を中心に収益が減少し、平成20年後半以降は金融危機等の影響で需要が減退したことで、平成22年3月決算には主要化学メーカーの売上高が前年割れとなっていました。さらに化学品の世界的な需要減や石油化学分野の業績悪化の影響などを受けて、平成24年までは化学業界の規模は横ばい状態でした。
こうした背景を受けて、近年の化学業界は、不採算事業の統廃合やプラントの停止、企業買収を積極的に行っています。
平成25年に入ってからは、世界景気の回復に伴って再び増加に転じたものの、依然として厳しい状況が続いており、さらなる経営体質の改善が進むものと見られています。

ここまで住友化学株式会社についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。