テルモの企業研究

今回ご紹介するのは、160カ国を超える国に医療機器やサービスを提供していることで有名なテルモ株式会社。

この記事を読んでいる方の中には、テルモ株式会社への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、テルモ株式会社の経営理念や同じ医療機器業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある医療機器会社の中で、なぜテルモ株式会社なのか？」という質問への対策を考えましょう。


テルモ株式会社について深く知るために、まずはテルモ株式会社の経営理念を確認しましょう。そこからテルモ株式会社が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

テルモ株式会社の企業理念は、以下の通り。
『医療を通じて社会に貢献する』
（テルモ株式会社HPより引用）

ここから分かるポイントは、グローバルな視点、挑戦、リーダーシップの3点。
新卒採用サイト、リクナビのトップページで「世界を相手に挑戦する覚悟はあるか」とうたっています。グローバルな視点と好奇心、挑戦する心を持ち、周りの意見を聞きながらリーダーシップをとることができる人物を求めているのです。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• 今までにどのようなことに挑戦してきたか
• その結果と、目標達成のためにどのように工夫したか
• その際に、どのように周囲の人間の意見を聞いてリーダーシップをとったか
• 学んだ経験を生かして、今後どのようなことにチャレンジしたいか

次に、医療機器業界におけるテルモ株式会社と競合会社と比較してみましょう。
テルモ株式会社の競合といえば、オリンパス株式会社が挙げられます。
テルモ株式会社とオリンパス株式会社はどのように違うのでしょうか。

平成25-26年の医療機器会社売上高でテルモ株式会社は第2位の4,673億円です。競合であるオリンパス株式会社の医療事業は4,922億円で業界売上高第1位。テルモとオリンパスの売上高は第3位のニプロ（3,007億円）と一線を画しており、上位二社で近攻しているのが現状です。 従業員数のランキング（平成26年3月決算）ではテルモが第1位、オリンパスは2,838人で第4位です。また経常利益ランキング（平成26年3月決算）でもテルモが638億円で第1位となり、509億円で第4位のオリンパスを上回っています。

オリンパス株式会社は医療事業、科学事業、映像事業、研究開発と、医療分野だけに留まらない幅広い分野で事業を展開し、複数のグループ会社と共に、オリンパスグループとして世界に進出しています。1950年に世界で初めて胃カメラを実用化した企業として医療機器メーカーを牽引する存在でもあり、消火器内視鏡では世界の7割のシェアを誇っています。

一方でテルモも注射器などの使い捨て医療機器を始め、世界で初めてのホローファイバー型人工肺、低侵襲なカテーテル治療の技術など、世界初の製品や手技の開発と普及に力を注いでいます。病院はテルモの製品で溢れているという看護師の体験談もあるように、全ての患者に身近な医療器具から革新的な医療まで、他社よりもたくさんの角度から医療に携わることができるのはテルモの強みといえましょう。グローバルな展開、新しい価値の創造、そして最もたくさんの人々の役に立つことができる医療現場での活動。現場の声を知るテルモが行ってきた各分野での挑戦が相互に作用することで、他社が真似できない成長を遂げると期待されています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成25-26年の医療機器業界の規模（主要対象企業23社の売上高合計金額）は2兆2,093億円にのぼります。高齢化が進む社会背景を受け、平成17年から25年まで着実に増加しているのです。医療機器業界は景気の影響を受けにくいとされており、平成20年、21年の世界的な金融危機期により業績が悪化する国内企業や業界が多い中でも、安定した推移を見せました。

先進国では高齢化が進み、新興国では経済発展に伴い医療水準が向上すると予想されるために、これからかも安定した成長が見込まれる業界といえるでしょう。このような動向を受けて、異なる業界からの新規参入が相次いでいます。平成24年12月には旭化成が、自社最大の買収額でアメリカの大手医療機器会社、ゾール・メディカルを買収しました。平成25年4月にはソニー・オリンパスメディカルソリューションズが発足しました。ソニーがオリンパスに500億円を出資してつくったのです。ソニーの映像技術、オリンパスの内視鏡技術という両社の強みを生かして、新商品の開発に力を注いでいます。

近年、医療機器業界では輸出中心で落ち込みが目立ったという特徴があります。景気の影響を受けにくい業界とはいえ、原材料価格の変動、為替リスク、米国を中心とした民間病院や代理店などによる資金の不足や在庫調整など、世界的な金融危機の影響から完全に逃れることはできませんでした。その一方で先進国でさらなる高齢化が進み、予防医療に大きな注目が集まっています。予防医療がピックアップされるにつれて、診療関連機器の需要が拡大しており、また今後も需要がさらに高まると予想されます。福祉・介護分野への需要も増加しており、これからも成長性の高い分野として各社が注目しています。

ここまでテルモ株式会社についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。