イーピーエスの企業研究

今回ご紹介するのは、「連続増益企業ランキングトップ200 」（東洋経済オンライン調べ）で第69位に輝いた、イーピーエスです。

この記事を読んでいる方の中には、イーピーエスへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、イーピーエスの経営理念や同じCRO（医薬品開発業務受託機関）業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数あるCRO会社の中で、なぜイーピーエスなのか？」という質問への対策を考えましょう。


イーピーエスについて深く知るために、まずはイーピーエスの経営理念を確認しましょう。そこからイーピーエスが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

イーピーエスの企業理念は、以下の通り。
『価値あるソリューションの創出を通じて、健康産業の発展に貢献します』
（イーピーエスHP　経営理念ページより引用）

ここから分かるポイントは、「情熱」「誠意」「社会貢献」の3点。
イーピーエスの社員として、健康産業に貢献したいという情熱を持つこと。また、サービス業に携わっているという認識のもと、常に専門性の向上に努めるとともに、顧客の課題を解決に向けて誠意を持って尽くしていくこと。その結果、会社の目標達成のために貢献し、且つ、豊かで健康な社会の創造にも寄与する。イーピーエスはこのような志を持った人物を求めています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• チームとしてどのような目標を、どのようにたてたか
• 目標達成のために、個人としてどのような目標をたてたか
• 目標達成の過程で、どのような失敗を経験したか
• 以上の体験から学んだことを、仕事でどのように活かすことができるか

次に、CRO業界におけるイーピーエスと競合会社と比較してみましょう。
イーピーエスの競合といえば、シミックが挙げられます。
イーピーエスとシミックはどのように違うのでしょうか。

イーピーエスは、日本におけるCROのパイオニア的存在。
同社の強みは、プロトコル（治験実施計画書）の企画から、モニタリング、データマネジメント、統計解析、薬事申請、製造販売後調査まで、全てアウトソーシング提供が可能なこと。
さらにEPSグループとして、SMO(治験施設支援)やCSO(医薬品営業支援)の機能も有しており、製薬会社向けの治験支援（CRO）から、医療機関における治験の実施支援（SMO）、新薬の上市後の営業活動の支援（CSO）まで、製薬業界が必要なアウトソーシングサービスをフルラインナップで提供できる数少ない企業の1つです。
また、アジアを中心に16カ国以上で事業を展開しており、欧米のパートナー企業と積極的に協業。世界各国における治験や薬事申請に対応可能な、グローバル開発の一括受託体制の構築を図っています。

対するシミックも国内CROのパイオニアであり、グループ全体では医薬品支援ビジネス（CXO）で世界のトップ10に入る実績を持っています。
シミックグループは、CRO（医薬品開発支援）、CMO（医薬品製造支援）、CSO（医薬品営業支援）まで、全てのラインを有し各製薬企業のパートナーとしてはもちろん、自社ではオーファンドラッグ（希少疾病用医薬品）の開発販売も。
今後は、質を重視する日本のスタンダードと効率を重視するグローバルスタンダードを兼ね備えた、新たなシステムの確立を目指して展開を目指しています。

次にイーピーエスとシミックの財務状況を見てみましょう。
平成26年度の売上高は、イーピーエスが連結418億円であるのに対し、シミックは連結528億3,600万円とわずかに上回っています。
一方で企業の儲けを示す経常利益は、イーピーエスが連結42億4,200万円のところ、シミックは連結26億4,500万円とほぼ半分。イーピーエスによると、計画に対する連結売上高は102％、連結営業利益は109％、および、連結経常利益は102％といずれも超過達成をしたそうです。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
新薬の開発競争が世界中で激化しており、投資資金に限りがある製薬会社や医療機器会社は、臨床開発をアウトソーシングせざるを得ない状況に。
単発のプロジェクトやプロトコルよりも、現状はフルアウトソーシングが激増しており、その傾向はますます加速していくことでしょう。
加えて、医薬品開発における成功率は低下傾向にあり、新薬開発においては多様性・専門性が高くなっていることからも、それぞれの専門性を持つCROが果たす役割は、今後も重要になってくると見られています。

ここまでイーピーエスについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。