帝人の企業研究

今回ご紹介するのは、高機能繊維で有名な帝人株式会社。

この記事を読んでいる方の中には、帝人株式会社への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、帝人株式会社の経営理念や同じ繊維業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある繊維会社の中で、なぜ帝人株式会社なのか？」という質問への対策を考えましょう。


帝人株式会社について深く知るために、まずは帝人株式会社の経営理念を確認しましょう。そこから帝人株式会社が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

帝人株式会社の企業理念は、以下の通り。
『1.帝人グループは人間への深い理解と豊かな創造力でクォリティ・オブ・ライフの向上に努めます。2.社会と共に成長します。3.社員と共に成長します』
（帝人　企業理念・ブランドステートメントページより引用）

ここから分かるポイントは、「創造」「社会貢献」「自己実現」の3点。
人間への深い愛情と理解を持ち、本当の価値を生み出す。広く社会に貢献し、理解と共感を得る。社員に自己実現できる場を与える。こうしたことを帝人では重視していると考えられます。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• 価値あるものを生み出し人間の幸せに貢献するために、組織としてどんな取り組みをするべきか
• 社会と調和を保ち健全な成長をするために、組織としてどんな心がけをするか
• 自分の能力や個性を存分に発揮するために、どんなことを意識するか

次に、繊維業界における帝人株式会社と競合会社と比較してみましょう。
帝人株式会社の競合といえば、東レ株式会社が挙げられます。
帝人株式会社と東レ株式会社はどのように違うのでしょうか。

まずは帝人と東レの財務状況を見てみましょう。
2013年4月から2014年3月末までの営業収入（売上高）は、帝人が7,844億円であるのに対し、東レは18,377億円です。一方で営業利益は、帝人が181億円のところ、東レは1,052億円です。

次に事業内容を見てみましょう。
帝人は、日本初のレーヨンメーカーとして今から約100年前に創業しました。ベンチャー精神の強い企業であり、時代に合わせた製品を生み出すために最先端の研究開発を行っています。過去にも、新規分野への進出やグローバル展開を柔軟に行ってきました。現在は、高機能繊維・複合材料、電子材料・化成品、ヘルスケア、繊維製品・流通、ITなど多岐にわたる事業を手掛けています。

一方東レは、有機合成化学、高分子化学、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーの4つのコア技術を活かし、新素材を開発してきました。衣料品、家電製品、エレクトロニクス製品など、社会の多くの場面で人々の暮らしを支えています。繊維事業やプラスチック・ケミカル事業に関して長い歴史を持ちますが、現在は将来的な収益拡大を視野に入れて、環境・エンジニアリング事業やライフサイエンス事業にも力を入れています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
近年の国内繊維業界は、海外からの安価での大量輸入や衣料品の伸び悩みなどを背景に、業績が低迷気味です。こうした状況を打開するため、繊維業界大手企業は大型のM&Aに乗り出しました。また、衣料品繊維だけではなく航空機や自動車内装で需要がある炭素繊維やアラミド繊維など、幅広い分野で需要が見込める商品や価格競争力のある商品へとシフトを始めています。その他、樹脂や光学フィルムなどの従来の繊維事業から電子関連分野など、繊維事業における知識・技術を活かせる非繊維事業へとシフトをする企業も増えています。

過去の繊維業界は、衣料用繊維で日本の産業をリードしてきましたが、今後は衣料品の枠を大きく超えて、最先端の素材メーカーとして新たな分野で成長しようとしているのです。

ここまで帝人株式会社についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。