J.フロント リテイリングの企業研究

今回ご紹介するのは、百貨店事業で有名なJ.フロント リテイリング株式会社。

この記事を読んでいる方の中には、J.フロント リテイリング株式会社への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、J.フロント リテイリング株式会社の経営理念や同じ百貨店業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある百貨店会社の中で、なぜJ.フロント リテイリング株式会社なのか？」という質問への対策を考えましょう。


J.フロント リテイリング株式会社について深く知るために、まずはJ.フロント リテイリング株式会社の経営理念を確認しましょう。そこからJ.フロント リテイリング株式会社が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

J.フロント リテイリング株式会社の企業理念は、以下の通り。
『百貨店事業を核とした、質･量ともに日本を代表する小売業界のリーディングカンパニーの地位確立』
（J.フロント リテイリング　グループ理念ページより引用）

ここから分かるポイントは、「満足」「信頼」「社会貢献」「向上」「公正」の5点。
新しい価値の提案を通じて、お客様に本物の満足を提供する。取引先と信頼関係を築き、ともに成長する。環境に配慮しながら地域社会の発展に貢献する。企業価値の長期的な向上に努める。社員の成果と貢献を公正に評価して、働きがいのある職場を実現する。 こうしたことをJ.フロント リテイリングでは重視していると考えられます。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の5点です。

• 他者の心をとらえ喜んでもらうために、どんなことを意識するか
• 他者とともに向上し合うために、どんな目標を立てるか
• 環境に配慮した社会の発展を実現するために、組織としてどんなことを心がけるか
• 時代の変化に合わせて常に成長し続けるために、組織としてどんな目標を立てるか
• 社員がやりがいを感じられる職場作りのために、何が必要か

次に、百貨店業界におけるJ.フロント リテイリング株式会社と競合会社と比較してみましょう。
J.フロント リテイリング株式会社の競合といえば、株式会社三越伊勢丹ホールディングスが挙げられます。
J.フロント リテイリング株式会社と株式会社三越伊勢丹ホールディングスはどのように違うのでしょうか。

まずはJ.フロント リテイリングと三越伊勢丹ホールディングスの財務状況を見てみましょう。

J.フロント リテイリングの2014年3月から2015年2月末までの営業収入（売上高）は、1,149,529百万円であるのに対し、三越伊勢丹ホールディングスの2013年4月から2014年3月末までの営業収入は、1,321,512百万円です。一方で営業利益は、J.フロント リテイリングが42,091百万円のところ、三越伊勢丹ホールディングスは34,646百万円です。

つぎに事業内容を見てみましょう。
J.フロントリテイリングは、全国に19店舗を展開している百貨店事業を核とし、レストラン事業・建装事業・商社事業・ウェブ事業などの事業を持つ売上1兆円を超える事業グループ会社です。将来を見据えた新しいスタイルの百貨店を目指し、マーケット対応力の強化と時代の変化に合わせた構造転換の実現に力を入れています。

一方、三越伊勢丹ホールディングスは、基幹3百貨店、地方3大都市、郊外・地方の小規模店による店舗戦略により、他の百貨店にない圧倒的な「独自性」確立を目指しています。また、中国・東南アジアにおける三越伊勢丹ファンの拡大に努めるなど、海外展開にも力を入れています。その他にも、クレジット・金融業、小売・専門店・通信販売業などをはじめとした、幅広い事業を手掛けています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
近年の百貨店業界で特長的なのは、高級ブランド品などの「美術・宝飾・貴金属」や「化粧品」、ハンドバッグや財布などの「身の回り品」の売り上げが伸びていることです。 アベノミクスが始まった際に、百貨店売上高の中で最初に伸び始めたのも「美術・宝飾・貴金属」でした。その背景には、円安に伴って株価が上昇し始めたことが挙げられます。株式を保有している富裕層を中心に消費が増えた可能性が高いのです。 高級品は利益率が高いため、この現象は百貨店の業績に大きく貢献していると言えるでしょう。

ただ、このデータが国民全般の消費意欲の高さを示しているとは言い切れません。近年は外国人観光客の消費率が上昇しているからです。全体の消費が伸び始めているのは良い兆候ですが、日本国民による国内消費は消費税増税から脱却したとは言えない状況です。しかし、現在は企業における給与上昇傾向が強まっているため、この動きが消費増に結びつけば、百貨店のさらなる売上増も期待できるでしょう。

ここまでJ.フロント リテイリング株式会社についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行って�