ベンダーサービスの企業研究

今回ご紹介するのは、食品原材料や容器包装資材の専門商社で有名なベンダーサービス。

この記事を読んでいる方の中には、ベンダーサービスへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、ベンダーサービスの経営理念や同じ専門商社業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある専門商社会社の中で、なぜベンダーサービスなのか？」という質問への対策を考えましょう。


ベンダーサービスについて深く知るために、まずはベンダーサービスの経営理念を確認しましょう。そこからベンダーサービスが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

ベンダーサービスの企業理念は、以下の通り。
『1．ベンダーサービスは、良き企業市民としてその社会的責務を果たすべく、人と環境を思いやる心を持ち、地球環境保全に積極的に対応することを経営上の最重要課題の一つとして位置づけます。
2．ベンダーサービスは、経済と環境の調和を目指す「持続可能な発展」の実現に向けて最大限努力をします。』
（ベンダーサービス「基本理念」より引用）

ここから分かるポイントは、「思いやりの心」「安心・安全なインフラづくり」「社会貢献」の3点。
ベンダーサービスは、情報システムを駆使し大手小売業・製造業のニーズに応えることで、安心・安全・効率的なインフラづくりに貢献していきます。目指すのは、「安心と安全の食品関連流通」と「顧客基点の流通モデル」の実現。マーケットの変化に柔軟に対応し、サプライチェーン全体の強化を図っています。求める人材は、困難やリスクを恐れず「勇気」を持って現状を変え行動できる人。常に「良心」を意識し取組み、正しい行動を継続する意志を持つ人。そして、過去の経験・環境にとらわれず「英知」を尽くし行動できる人です。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• 困難や挫折の経験、克服方法について
• チームで頑張ったこと、その中での役割について
• 自身の「勇気」「良心」「英知」について

次に、専門商社業界におけるベンダーサービスと競合会社と比較してみましょう。
ベンダーサービスの競合といえば、伊藤忠食品が挙げられます。
ベンダーサービスと伊藤忠食品はどのように違うのでしょうか。

ベンダーサービスは、大手小売りグループを対象に原材料の供給や需要予測、開発やマーケティングを行う会社。詳しくは、食品原材料の販売、食品用包装資材の企画・販売、物流機器のリース及び販売、包装資材用原材料の販売などを行っています。商品そのものを扱うというよりは、機能や仕組みといったサービスの提供が主な業務。「安定的に且つ無駄なく提供する仕組みというサービス」の維持に努めています。こような「機能提供型企業」は業界内では少なく、他社との差別化において非常に有利な要素となっており、三井物産グループであることと共に大きな強みとなっています。

対して伊藤忠商事の子会社である伊藤忠食品は、酒類・食品の卸売および保管、運送、情報提供、商品流通に関するマーケティングやマーチャンダイジング等を行っています。主に食品卸を行う会社ですが、位置づけはメーカーと小売りの中間的存在。およそ40万アイテムの商品を取扱い、食品の流通では大きな存在感を示しています。強みとなっているのは、優良な顧客との強固な関係や安定した財務基盤。平成26年3月期売上高を6,304億円とし、売上高ではベンダーサービスを大きく上回っています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成25-26年における専門商社業界の売上高は、業界規模で41兆2,127億円、経常利益は8,193億円、売上高純利益率は1.2％のプラスとなっています。過去の推移によると平成20年から21年にかけて減少し、その後緩やかな増加を維持しています。この減少の最大の要因となったのは世界的な金融危機であり、それまで好調だった業界全体にダメージを与えることとなりました。その後増加に転じたのは、主に機械・鉄鋼関連の好調によるもの。その結果、過去5年の伸び率を2.9％のプラスとしています。とはいえ、これ以上の伸びは期待できず再編の動きが活発化しているのが現状です。今後も再編を加速させることで、業界全体の縮小を図ることが予想されます。

ここまでベンダーサービスについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。