全日空商事の企業研究

今回ご紹介するのは、ANAグループの多角化事業を担う総合商社で有名な全日空商事。

この記事を読んでいる方の中には、全日空商事への就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、全日空商事の経営理念や同じ総合商社業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある総合商社会社の中で、なぜ全日空商事なのか？」という質問への対策を考えましょう。


全日空商事について深く知るために、まずは全日空商事の経営理念を確認しましょう。そこから全日空商事が求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

全日空商事の企業理念は、以下の通り。
『専門分野を磨き上げ
顧客満足を追求し
確固たるマーケットプレゼンスを発揮する
企業グループを目指します』
（全日空商事ホームページ　社長挨拶ページより引用）

ここから分かるポイントは、「挑戦」「主体性」「貢献」の3点。
全日空商事の社員として、常に先見性と独自性を持って仕事に取り組むよう努め、航空関連事業の枠に捉われない発想で付加価値の高い製品やサービスの創造を目指すこと。
その結果、顧客に満足と信頼を与え、企業のさらなる発展に貢献する。
全日空商事はこのような志しを持った人物を求めています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の4点です。

• チームとしてどのような目標を、どのようにたてたか
• 目標達成のために個人として、どのような役割を果たしたか
• 目標達成の過程で経験した失敗や挫折から学んだこと
• 以上の体験から学んだことを、仕事の上でどのように活かしたいか

次に、総合商社業界における全日空商事と競合会社と比較してみましょう。
全日空商事の競合といえば、JALUX（ジャルックス）が挙げられます。
全日空商事とJALUXはどのように違うのでしょうか。

全日空商事は総合商社として航空関連のみならず、半導体、リテールなど各種事業にも携わっています。さらにグループ各社では、食品事業、観光土産品全般の企画・製造・卸売業、ロジスティクス事業など、多角的なビジネスを展開。
平成26年には、観光雑貨を開発・販売する藤二誠（甲府市）を買収し、同社が持つ商品企画力や販路を活用することで観光土産関連のさらなる事業拡大を目指しています。

対するJALUXは、昭和37年の創立以来、航空や空港周辺事業で培ったノウハウを通じて、航空関連事業を核とした幅広い事業を展開。
平成19年、総合商社「双日」が資本参加したことで、B to Bとリテールの異なる事業ドメインを持つ独自的な商事・流通企業として再スタート。
近年は、ミャンマーにヤンゴン駐在員事務所を情報収集の拠点として設置、ベトナムはハノイ駐在員事務所などとともにASEAN地域を中心とした海外現地法人との連携を強化し、新たな市場開拓と事業機会創出を図っています。

次に全日空商事とJALUXの財務状況を見てみましょう。
平成26年度における売上高は、全日空商事が連結1,102億円のところ、JALUXが連結998億3,700万円と若干ながら下回る結果に。
一方で営業利益は、全日空商事が連結33億円のところ、JALUXは17億600万円とおよそ半分。 全日空商事のリテール部門では、訪日外国人の増加で空港免税店「ANAデューティーフリー」の販売が好調だったこと、空港物販店「ANA FESTA」や通販サイト「ANAショッピングastyle」においても好調に推移したことが業績に反映されています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
全日空商事の主な顧客が属する航空業界は、日本の企業が業績改善に向かっていることや、訪日外国人が増加傾向にあること、さらにアジアにおける経済成長等が後押しすることで航空需要の拡大が期待されています。
しかしながら、既存の各エアライン、新規参入や事業拡大を目指すLCC、新幹線の延伸等との競争激化にあることは状況は相変わらず、その事業環境は厳しいものと言えるでしょう。
このような中で、航空業界における生き残りをかけてANAグループが中期経営戦略を取りまとめました。
それによると、羽田空港国際線の発着枠拡大を契機として、日本をはじめとしたアジアの成長を囲い込むための事業運営で収入増を目指すことに加え、コスト構造改革のさらなる推進、そして平成32年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた、首都圏空港における機能強化等の取り組みの中で、将来の成長に向けた準備を進めていくとのことです。

ここまで全日空商事についての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。 �