三菱レイヨンの企業研究

今回ご紹介するのは、アクリルアジア最大手の繊維・化学系素材メーカーで有名な三菱レイヨン。

この記事を読んでいる方の中には、三菱レイヨンへの就職を目指している学生もいらっしゃるかもしれません。面接で問われた時に、「なぜこの会社なのか？」をしっかりと語れるように、この記事では、以下の3つの項目から企業研究を行っていきます。

（1）会社概要　（2）「企業」を知る　（3）「採用情報」を知る

他のライバルとの差を付けるためにも、この記事を読んでしっかりと企業研究をしていきましょう。 ここでは、三菱レイヨンの経営理念や同じ繊維業界に属する競合会社との比較、最近のニュースなどを通じて、「数ある繊維会社の中で、なぜ三菱レイヨンなのか？」という質問への対策を考えましょう。


三菱レイヨンについて深く知るために、まずは三菱レイヨンの経営理念を確認しましょう。そこから三菱レイヨンが求める人材が見えてくるはずです。企業が求める人材を知ることで、あなたが何をアピールすべきかが分かります。

三菱レイヨンの企業理念は、以下の通り。
『Best Quality for a Better Life』
（三菱レイヨングループ「経営理念」より引用）

ここから分かるポイントは、「信頼」「成長」「貢献」の3点。
三菱レイヨンは、“最高の質”を追求し、人々の豊かな未来に貢献するため、顧客の視点で高品質な製品やサービスの提供に努めています。顧客との信頼関係を築き企業として成長するために必要な人材は、「変革力」を持った人。持てる力を十分に発揮し、現状に甘んずることなく絶えず周囲に変革を働きかけることができ、行動力やコミュニケーション能力を備えた人を求めています。

ですから、経営理念に共感した上で、みなさんがアピールすべきなのは以下の3点です。

• 自ら目標を立て積極的に継続して行っていること
• チームにおける役割、チームで困難や挫折を乗り越えた経験
• 過去に最も努力して達成したこと、その経験から得た自分の強み

次に、繊維業界における三菱レイヨンと競合会社と比較してみましょう。
三菱レイヨンの競合といえば、ダイワボウホールディングスが挙げられます。
三菱レイヨンとダイワボウホールディングスはどのように違うのでしょうか。

三菱レイヨンは、MMA事業、AN事業、繊維事業、炭素繊維・複合材料事業、アクア事業の5つの事業を展開する会社です。家電製品や自動車、生活用品など様々な製品の「素材」を供給しており、アクリル系事業では、水族館の水槽に用いられるMMA樹脂シートが有名。炭素繊維・複合材料事業では、アルミより軽い優れた素材の特性が活かされ、スポーツや航空、宇宙分野等にて幅広く用いられています。強みは中核のアクリル系事業であり、原料から最終製品まで一貫した生産が可能であること。平成27年3月期連結売上高5,913億円のうち創業当初からの繊維事業では3,614億円を計上し、経常利益は282億円となっています。

対してダイワボウホールディングスは、三菱レイヨンより古く昭和16年に設立された老舗紡績会社。ITインフラ流通事業、繊維事業、工作・自動車機械事業、その他ホテルやゴルフ場、不動産業等を展開しています。ITインフラ流通事業ではコンピュータ機器・周辺機器の販売を行い、工作・自動機器事業では航空機や船舶、鉄道などのあらゆる部材や部品を製作。繊維事業では合繊部門を中核とし、衣料品や生活資材、機能資材など幅広く製造しています。強みとするのは営業戦略であり、全国約90の営業拠点を構えることで顧客のニーズに迅速に対応できること。平成27年3月期連結売上高を5,661億円、経常利益を79億円としています。


また、近年の業界トレンドも見ておきましょう。
平成25～26年の繊維業界売上高は2兆2,927億円、経常利益は4,473億円です。過去の推移は平成17年から19年まで増加傾向にありましたが、翌20年21年になると、主に中国や東南アジアからの安価での大量輸入が原因となり大幅な減少を記録しています。その後平成23年に再び増加し24年には減少、25年に増加傾向となっています。

このような不安定な動向により国内大手企業はM＆Aを活発化させており、各企業とも生き残りをかけた競争が激化。さらに、新たに非繊維事業を展開する企業や、炭素繊維など高付加価値商品に着手する企業が増加し、世界的な需要を見込んだ動きも進んでいます。今後の業界を牽引するのは従来の衣料品繊維ではなく最先端素材。各企業における新事業の展開に注目が集まっています。

ここまで三菱レイヨンについての様々な情報を見てきましたが、最後は同社の過去の採用情報を知り、早めの対策準備を行っていきましょう。